
「毎日プランク30秒」の驚くべき効果とは?変化がなかった人は“これ”をプラスして
体幹トレーニングの定番「プランク」。毎日30秒だけでも効果はあるのでしょうか。トレーナーや医師に聞いてみました。
監修者プロフィール
パーソナルトレーナー・スポーツトレーナー 森 竜次
私は専門学校にてパーソナルトレーニングとアスリートへのスポーツ指導について学び、NSCA - CPT(パーソナルトレーナー資格)とJSPO - AT(スポーツトレーナー資格)を取得し、4年制大学体育会系アメリカンフットボール部で食事指導やリハビリ指導・トレーニング指導など4年ほど経験。パーソナルトレーナーとしても24時間ジムにてフリーランスのトレーナーとして2年ほど、全国に展開するパーソナルジムでも勤務しておりました。前職での経験も生かし、怪我や痛みに悩む方でも安全なトレーニング、コンディショニングやパフォーマンスUPなども得意としておりますのでお気軽にご相談ください!
実績
FWJ(Fitness World Japan)(https://fwj.jp/)
2021年 APRILIS CHAMPIONSHIPS Men's physique 3位
2022年 POWERHOUSE GYM CLASSIC Men's physique 4位
2023年 BLAZE OPEN Men's physique 4位
保有資格
NSCA-CPT(https://www.nsca-japan.or.jp/)
JSPO-AT(https://www.jrc.or.jp/)The Personal Gym:https://the-personal-gym.com/
プランク30秒を毎日続ける効果とは
プランクを30秒だけでも毎日続けることで、体には少しずつ変化が表れます。短時間でも正しいフォームを守れば、体幹を中心に多くのメリットが期待できます。
体幹が安定し、姿勢が整う
プランクは腹筋や背筋を同時に使うため、体幹が安定しやすくなります。体幹が強くなると背筋が自然に伸び、姿勢の改善にもつながります。
姿勢が良くなることで、日常の動作やスポーツのパフォーマンスも向上しやすくなるのが大きな利点です。
お腹まわりの引き締め効果
30秒でも腹部にしっかり刺激が入るため、継続すればお腹まわりが引き締まりやすくなります。特にデスクワークや座り時間が長い人は効果を実感しやすいでしょう。
見た目の変化を目的にする場合は、30秒を継続したうえでサイドプランクなどを取り入れると、より引き締め効果が高まります。
腰痛の予防につながる
体幹が弱いと腰に負担がかかりやすくなります。プランクを続けることで腹筋や背筋が支えとなり、腰痛の予防に役立ちます。
とくに腰を反らしがちな人や、長時間同じ姿勢で作業をする人には有効なトレーニングです。
短時間でも運動習慣をつけやすい
30秒という短い時間で取り組めるため、運動が苦手な人でも習慣化しやすいのが魅力です。毎日続けることができれば、継続する自信が生まれ、他のトレーニングや生活習慣改善にもつなげやすくなります。
プランクで変化がなかった人は“これ”をプラスして
このようにプランクには多くの効果が期待できますが、プランクのみで痩せる、筋肉をつけるのは難しい可能性が高いそう。
「短時間でも正しいフォームで行えば、体幹の安定や姿勢改善につながります。ただし、プランクはあくまで体幹へ刺激を与えるのが目的。見た目の変化を求めるなら、サイドプランクや足上げなどのバリエーションを取り入れたり、ウェイトトレーニングを行うのがおすすめです」(森竜次)
プランクでお腹が引き締まらない……よくある理由と対策
プランクはお腹の引き締めにも効果的な体幹トレーニングであると先述しましたが、「続けても期待したほどお腹がへこまない」と思う方もいるのでは?
その理由を、医学博士・美容外科専門医、SOグレイスクリニック院長・近藤 惣一郎先生に聞きました。近藤先生は、美は健康の上になり立つという理念のもと、正しい食生活・運動習慣・ダイエットに関する知識を豊富に持ち、自身も身体を鍛えています。
監修者プロフィール
美容外科 SO グレイスクリニック院長
近藤惣一郎
医学博士(京都大学)
ロンリー侍ドクター
日本脳神経外科学会専門医
日本美容外科学会(JSAS)専門医
1988年 京大医学部卒
若返り専門の美容外科医。美は健康の上になり立つという理念のもと、正しい食生活・運動習慣・ダイエットに関する知識が豊富で、自らもダンサーとして、プロフィッシングアングラー(DAIWA)として、若さとナイスボディを保ち続ける。
Instagram:https://www.instagram.com/kondo.soichiro/
プランクでお腹がへこまない納得の理由
「理由はシンプルで、腹筋をいくら鍛えてもお腹の脂肪だけが減るということはないからです。脂肪燃焼には全身の運動と食事の工夫が不可欠であり、プランクはその一部として取り入れるのが正しい考え方です」(近藤先生)
たしかにプランクで腹筋や体幹は鍛えられますが、その上に脂肪が残っていればお腹はへこみません。主な原因を確認しましょう。
体脂肪が残っている
腹筋を鍛えてもその上を脂肪が覆っている限り、引き締まったお腹は見えません。体脂肪を落とすには摂取カロリーの見直しと有酸素運動が必要です。
とくにお腹まわりは脂肪がつきやすいため、筋トレだけに頼っても成果は感じにくいのです。
お腹「だけ」痩せることはできない
「腹筋をすればお腹の脂肪が落ちる」と思われがちですが、部分痩せはできません。脂肪は全身から少しずつ燃えていく仕組みであり、特定の部位だけ優先的に細くすることは不可能です。
お腹をへこませるには全身の消費エネルギーを増やすことが必要です。
フォームや呼吸方法が間違っている
骨盤が前傾したままのポーズや、呼吸を止めた状態でプランクを続けると、腹筋が働かず、肩や腰に負担が集中します。これでは体幹の強化にもつながりにくく、効果が感じられません。
骨盤を後傾させて肋骨を締め、呼吸を意識することでようやく腹筋に効かせられるのです。
これは残念ですが当然……。では、プランクでお腹をへこませるにはどうしたらよいのでしょうか。
お腹をへこませる3つのステップ
お腹をへこませるには、「脂肪を落とすこと」と「筋トレで効果を促進すること」が近道です。効果を早く出したい場合、ステップ1〜3を平行して取り組んでもいいでしょう。
ステップ1 食事改善で体脂肪を落とす
余分な脂肪を減らすには、摂取カロリーの見直しが必ず必要です。
糖質や脂質を適量に抑え、タンパク質をしっかり摂ることで、筋肉を守りながら脂肪を燃やすことができます。
ステップ2 有酸素運動で消費エネルギーを増やす
ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動は、脂肪燃焼に直結します。とくに下半身の大きな筋肉を動かす運動は効率が高く、基礎代謝の維持にも役立ちます。
週数回の習慣にすることで確実に成果が出やすくなります。
ステップ3 筋トレで代謝を高める
スクワットやデッドリフトなど全身を使う筋トレは、消費カロリーを増やし、代謝を底上げします。体脂肪が落ちやすい状態を作り、お腹の引き締まりをサポートします。
プランクはこの段階で加えると、より効果を発揮します。
プランクとスクワット、どっちが痩せる?
スクワットも取り入れると、ダイエット効果が爆上がり。というか、プランクでなくてもスクワットをしておけばいいのでは?
そんな疑問をパーソナルトレーナー・森 竜次さんに聞いたところ……。
「短期間で効率よく痩せたいならスクワットをおすすめします。体幹を鍛えたい、姿勢を改善したいならプランクが適しています。しかし痩せる目的なら、両方を組み合わせる方が効果的です。スクワットで下半身の大きな筋肉を鍛えて基礎代謝を高めつつ、プランクで体幹を安定させることでフォームが良くなり、運動効率も上がります」(森さん)
なるほど、プランクもスクワットも両方やるほうがそりゃあ痩せますよね……。どちらか片方だけやりたいという場合、どっちがいいのでしょうか。
どちらも王道の自重トレーニングであるため優劣はつけられませんが、それぞれ違いはあるようです。
プランクは「体幹を強化し、胴体まわりの引き締めや姿勢改善など」に効果的だが、消費カロリーは低い
プランクは、体を動かさずに姿勢を保つ静止系のトレーニングです。腹直筋(シックスパック)や腹横筋(インナーマッスル)、腹斜筋、脊柱起立筋をはじめ、体幹全体を鍛えることができます。
姿勢改善や腰痛予防に役立ち、お腹まわりの引き締め効果も期待できます。
動作がシンプルで音を立てずに静かにできるため、自宅や集合住宅でも取り組みやすいのが強みです。初心者でも続けやすい一方で運動量は小さく、消費カロリーは少なめになります。
スクワットは「下半身を鍛え、筋肉をつけることで基礎代謝を高める。消費カロリーはプランクよりは高め」
スクワットは、動的に体を動かす代表的なトレーニングです。大腿四頭筋、大殿筋、ハムストリングスといった下半身の大きな筋肉を中心に、体幹や脊柱起立筋も同時に鍛えらることができます。
基礎代謝を高めることで消費カロリーが大きくなりやすいため、脂肪燃焼効果が期待でき、ダイエットにも適しています。
また、下半身だけでなく全身を連動して使うため、筋力アップとエネルギー消費を同時に狙えるのが特徴です。
短時間でも消費が大きい一方で、フォームを誤ると膝や腰に負担がかかりやすいため、正しいやり方を意識することが重要です。
種目 | 消費カロリー(体重60kgの場合) | 特徴 |
プランク | 1分あたり約5〜6kcal | 静止系で消費は少なめだが体幹の持久力を高める |
スクワット | 1分あたり約8〜10kcal | 下半身の大筋群を使い消費カロリーが多く、基礎代謝も上げやすい |
プランクは静止系の運動で消費カロリーは少ないものの、体幹を長時間使い続ける効果があります。対して、スクワットは動的に全身を動かすため短時間でも効率よくエネルギーを消費できます。
とはいえ、スクワットが脂肪燃焼に最適かというと、他にもっと適した種目があります。
脂肪燃焼なら「有酸素運動」や「HIIT」のほうが効果的
脂肪燃焼を目的とする場合は、無酸素運動に分類されるスクワットよりも、有酸素運動やHIITの方が効率的です。
短時間で大きなエネルギーを消費できるため、即効性を求める人に向いています。
種目(強度) | 消費カロリーの目安 (体重60kgの場合) |
特徴 |
ランニング (時速8km) |
1分あたり約10〜12kcal | 脂肪燃焼効率が高く、持続的に続けやすい |
縄跳び (中強度) |
1分あたり約11〜13kcal | 下半身と心肺機能を同時に鍛えられる |
HIIT (バーピー等) |
1分あたり約12〜15kcal | 高強度で短時間、運動後も代謝が高い状態が続く |
ランニングや縄跳びは有酸素運動として脂肪燃焼効果が高く、継続しやすいのが魅力です。HIITは短時間でも大きな消費につながり、忙しい人に適しています。
有酸素運動は続けることで効果が出やすいため、強度や消費カロリーより、無理なく続けられる強度を選ぶ方が結果につながります。
目安としては「息は上がるけれど会話はできる程度」が理想的。
スクワットやプランクは、これらに比べると消費は少ないですが、筋肉量を増やすことで基礎代謝を底上げできる点に大きな価値があります。
スクワットとプランクを両方行うメリットとは
スクワットとプランクどっちか、という視点で見ていきましたが、両方行うと互いの弱点を補い合い、単独で行うよりも大きな効果が得られるといいます。
先述の通り、スクワットは下半身の大きな筋肉を使い、基礎代謝を高める働きがあります。プランクは体幹を安定させるため、姿勢の改善やフォームの安定につながります。
両方を組み合わせることで「消費カロリーの増加」と「体幹の安定」を同時に得ることができ、片方だけを行うより痩せやすく、ケガをしにくい体をつくることが可能になります。
スクワットとプランク、順番はある?
基本的にはスクワットを先に行う方法がおすすめです。エネルギーが十分な状態で大筋群を動かすことで、消費効率が高まりフォームも安定します。
一方で体幹を強化したい人は、プランクを先に行うのも選択肢です。体幹を刺激してからスクワットをすると姿勢が崩れにくくなります。
ただし疲労が強いとスクワットのフォームに影響するため、プランクの時間は短めに調整してください。
<Edit:編集部>