
スクワットでお尻に効かせるコツ|トレーナーが教える太ももに頼らない『正解』フォーム (2/2)
お尻に効かない原因と改善ポイント
お尻に効かせたいのに効果を感じない場合、フォームのどこかに問題がある可能性があります。主な原因を見直し、動作を修正しましょう。
原因 | 改善ポイント |
---|---|
膝がつま先より前に出ている | 股関節を引くように動かす |
しゃがみが浅い | 太ももが床と平行まで下ろす |
背中が丸まる | 胸を張って背中を伸ばす |
かかとが浮く | 重心をかかと寄りに保つ |
フォームが整うと、お尻の伸び縮みがはっきり感じられるようになります。まずは鏡を使い、骨盤の動きと重心の位置を意識しましょう。
ヒップアップに効くおすすめスクワット3メニュー
正しいフォームを身につけたら、ヒップアップ効果の高い3メニューにチャレンジしてみましょう。
ワイドスクワット|大殿筋を伸ばして引き上げる
「ワイドスクワット」は、足幅を広げてつま先を外に向けることで股関節が外旋します。この姿勢は股関節を深く曲げやすく、結果として大殿筋に伸張刺激が入りやすいため、しゃがんだときに強いストレッチ感を得られます。
筋肉は「伸びてから縮む」動きで最も大きな負荷がかかるため、ヒップアップに直結しやすいメニューです。
ワイドスクワットのやり方
1.両脚を肩幅よりも広く開いて外ハの字にして立つ(スタートポジション)
2.太ももと膝が平行になるように体を下げる
3.膝を伸ばして、スタートポジションの体勢に戻る
実施時間
30秒×3セット
トレーニングのポイント
・膝が内側に入らないようにする
・つま先よりも膝が前に出ないように注意する
・背中が丸まらないように背すじを伸ばす
鍛えられる部位
・大腿四頭筋
・大臀筋
・腸腰筋 etc…
おすすめの頻度
1日に1回で、最初は週1回、慣れてきたら2~3回
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ブルガリアンスクワット|片脚でお尻を集中的に刺激
「ブルガリアンスクワット」は、片脚を後ろに置いてスクワットすることで、前脚の股関節を大きく動かすことができます。この動きによって大殿筋とハムストリングスが連動し、片脚の力だけで体を押し上げるトレーニングになります。
重心が前脚のかかと側にかかるため、お尻の筋肉を主導で使いやすく、ヒップラインの上部を引き上げる効果が高いメニューです。下半身の安定性も高まり、左右の筋力バランスを整えるのにも役立ちます。
ブルガリアンスクワットのやり方
ベンチや椅子などに後ろ向きで立ち、片足の先を乗せて行います。
1.イスから60~90cm離れ、後ろ向きで立つ
2.イスに足先か足の甲を乗せ、反対側の脚は前に出す
3.背筋を伸ばし、ゆっくりと前方の脚を曲げていく
4.90度まで曲げたら、元の姿勢に戻す
スクワット同様、膝はつま先より前に出さない
実施回数の目安
左右 各10回×3セット
効果を高めるポイント
・背中(背筋)は曲げない
・頭から腰までまっすぐになるよう意識
・膝を曲げすぎない
・膝はつま先より前に出さない
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スクワットジャンプ|速筋を使って丸みとハリをつくる
「スクワットジャンプ」は、しゃがむ動作から一気に跳び上がることで、お尻の筋肉を瞬発的に使うトレーニングです。大殿筋の速筋線維が強く刺激され、丸みと張りのあるヒップづくりに効果的です。
また、着地の際に股関節で衝撃を吸収するため、スクワットの「伸びて縮む」動作がより大きくなります。短時間でも心拍数が上がり、ヒップアップと脂肪燃焼の両方を狙えるメニューです。
スクワットジャンプのやり方
1.しゃがんだ状態からのジャンプを繰り返します。
2.ジャンプをしたとき、頭の上で手を叩きましょう。これにより高いジャンプを心がけるようになります。
3.しゃがんだときに「太もも」を、飛んだ時に「ふくらはぎ」を意識しましょう。
スクワットジャンプの注意点
注意すべきポイントは、常に踵(かかと)を上げた状態を維持すること。女性は身体が軟らかいので、しゃがんだ際に踵が地面についてしまいがちですが、そうすると腰を痛める原因にもつながります。
▲ポイントは常に踵を上げることと、頭の上で手を叩くこと。深くまでしゃがみ込むとより効果的
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実施回数の目安
初心者は1日10回×3セットから始めて、週1回から始めます。慣れてきたら10回から15回、20回……というように増やしていきます。トレーニングに慣れている人は週2回、上級者は週3回を目安に行いましょう。
スクワット+お尻に関するよくある質問(Q&A)
スクワットとお尻に関するよくある質問についてまとめました。
Q. スクワットをしてもお尻に効かないのはなぜ?
A. 膝を曲げてしゃがむ「膝主導」のフォームになっている可能性があります。股関節からお尻を後ろへ引く「ヒップヒンジ」を意識し、重心をかかと寄りに置くことで大殿筋がしっかり働きます。浅くしゃがむと刺激が弱くなるため、太ももが床と平行になる深さまで下ろしましょう。
Q. ヒップアップの効果が出るまでどれくらいかかる?
A. 筋肉の成長スピードには個人差がありますが、週2~3回ペースで行えばおよそ6〜8週間でヒップラインの変化を感じやすくなります。大殿筋は大きな筋肉なので、正しいフォームを継続すれば見た目の変化も早い部位です。
Q. スクワットで太ももが太くなることはある?
A. 前重心のまま膝を主体に動かすと、太ももの前側(大腿四頭筋)ばかり使われてしまい、太く見える原因になります。お尻を後ろに引いて股関節主導でしゃがむと、太もも前の関与が減り、お尻と裏ももに効かせやすくなります。
Q. 1日どのくらいの回数が効果的?
A. 初心者は10〜15回×2〜3セットが目安です。回数よりもフォームの質を優先し、「お尻が動いている感覚」を意識することが大切です。慣れてきたら、重りを持つゴブレットスクワットや片脚種目にステップアップしましょう。
Q. スクワットは毎日やってもいい?
A. フォームを崩さずにできる範囲であれば、毎日でもOKです。ただし、強い筋肉痛がある場合は休息日を設けましょう。大殿筋の回復を促すために、睡眠とたんぱく質の摂取も意識するとより効果的です。
監修者プロフィール
パーソナルトレーナー
三原 大和(みはら やまと)
専門学校にてパーソナルトレーニングと人体の構造について体系的に学び、JATI-ATI(日本トレーニング指導者協会 認定トレーナー)や健康運動指導者など複数の資格を取得。卒業後は女性専用パーソナルジムにてトレーナーとしてのキャリアをスタートし、丁寧で寄り添う指導に定評がある。
また、10年以上にわたり自身が競技者として取り組んできたバドミントンの経験を活かし、スポーツパフォーマンス向上やジュニア指導にも精通。現在は大阪・高槻にある「パーソナルジムBREEZE」のトレーナーとして、ダイエットから機能改善、競技力向上まで、幅広いニーズに対応した指導を行っている。
保有資格:
JATI-ATI(日本トレーニング指導者協会認定)
健康運動指導者(健康・体力づくり事業財団)
トレーニング動画指導・監修
鳥光 健仁(とりみつ たけのり)
フィットネスランニングトレーナー。1991年生まれ、千葉県出身。出張パーソナルトレーナー、SUUNTO5 アンバサダー、VX4アドバイザリー、(株)BOOSTマネジメント契約、HOKA ONE ONE サポート。
出演者プロフィール
MIHO(みほ)
市民アスリート。トライアスロン、トレイルランニング、マラソン、スパルタンレース、筋トレが大好き。フルマラソン自己ベストは3時間0分18秒。1児の母。
■ Instagramアカウント → @mip0000
<Edit:編集部>