スクワット毎日30回
フィットネス
2025年11月19日

「毎日スクワット30回」の効果とは。続けると身体はどう変わる? (2/2)

スクワットの効果を高める正しいやり方

スクワットはフォーム次第で、効かせたい部位も効果も大きく変わります。膝や腰に負担をかけず、30回をしっかり「効かせる回数」にするためのポイントを押さえましょう。

正しいフォームで行うスクワットの基本

1.足を肩幅よりやや広く開き、つま先を軽く外に向けます。背中をまっすぐに保ち、手は胸の前で軽く組むか前に伸ばします。

2.お尻を後ろに引くようにして腰を下ろし太ももが床と平行になる位置まで下げましょう。

ミッドフット

3.立ち上がるときは、足裏のミッドフット(母指球・小指球・かかと)で床を押し上げて、元の姿勢に戻ります。

ハーフアップダウンスクワットのやり方3 左膝を床から離して立てる

4.上体を前に倒しすぎると腰を痛める原因になるため、背筋を伸ばした状態を意識してください。膝は前に出過ぎなければOKです。

スクワットの正しいフォームは「膝を出してOK」|最新理論でわかる安全なやり方

呼吸のタイミングを意識する

スクワットは呼吸と動作のリズムを合わせることで、体幹への刺激が高まります。しゃがむときに息を吸い、立ち上がるときに吐くのが基本です。

息を止めて行うと力は入りやすくなりますが、血圧が上がりやすくなり、初心者には負担が大きくなります。呼吸を止めずに一定のリズムで行うことで、筋肉に酸素が行き渡り、より多くのエネルギーを消費できます。

テンポとスピードで効果が変わる

速く行うと脂肪燃焼に効果的で、有酸素運動に近い刺激になります。おすすめは「下げる動作を3秒、上げる動作を1秒」。下ろすときに重力に逆らって動くことで筋肉がしっかり働きます。30回をリズムよくこなすより、ゆっくり効かせるほうが体の変化を実感しやすくなります。

回数×セット数

一気に30回行うとフォームが乱れやすくなるため、10回×3セットに分けるのがおすすめです。セットの間に30秒ほど休憩を入れると、筋肉が回復して次の動作も安定します。

慣れてきたら「朝10回・昼10回・夜10回」と時間を分ける方法も効果的です。小分けにすることで疲れを溜めにくく、1日の活動量も自然に増えます。続けやすいリズムを作ることが、結果的に体を変える近道です。

初心者がやりがちなNGフォーム

膝がつま先より前に出すぎると、太ももの前側ばかり使う動きになりやすくなります。お尻を引く意識を持ち、足裏全体に重心を乗せましょう。背中を丸めたり、猫背のまましゃがむのもNGです。体幹が抜けて腰に負担がかかります。

また、つま先が内側に向くと股関節を痛めるリスクがあります。鏡を見ながら、足の向き・膝の位置・背筋のラインを毎回確認して動作を整えると安心です。

効果をさらに高める小さなコツ

体幹とは

下半身だけでなく、体幹を意識して働かせると全身のバランスが取れます。しゃがむタイミングでお腹を「軽くへこませる」意識を持つと、腰椎と骨盤が安定し、フォームのブレや腰への負担を防ぐことができます。腰が安定してフォームが崩れにくくなります。

また、スクワットの後は軽いストレッチを取り入れると血流が良くなり、筋肉の回復が早まります。ふくらはぎや太ももの前側を伸ばすと、翌日の疲れを防ぐことができます。

毎日続けても大丈夫?休むべきタイミングと注意点

スクワットは毎日行っても問題ないトレーニングです。ただし、筋肉や関節を休ませる時間も必要です。効果を落とさずに継続するために、体のサインを見極めながら行うことが大切です。

毎日でもOK

スクワットは自重トレーニングのため、筋肉への負担が比較的軽く、毎日続けてもケガのリスクが低いのが特徴です。特に30回程度の回数であれば、下半身の血流を促す程度の刺激で済むため、筋肉を休ませる日を設けなくても大きな問題はありません。

筋肉は動かすことで血液が循環し、疲労物質が排出されます。むしろ、軽い運動を毎日行うことで、疲労の回復が早くなるケースもあります。ポイントは「頑張りすぎない強度」を守ることです。

筋肉痛があるときの対処法

スクワットを始めたばかりの頃やフォームを変えたときは、筋肉痛が起きやすくなります。痛みが強いときは無理に続けず、1〜2日休むことも必要です。筋肉が回復することで、次のトレーニング効果がより高まります。

筋肉痛が軽い場合は、回数を半分に減らして行うか、フォームを確認しながらゆっくりと動かすのがおすすめです。血流を促すことで回復が早まり、痛みが長引きません。

フォームが崩れてきたら要注意

毎日続けていると、疲労や集中力の低下からフォームが乱れやすくなります。膝がつま先より前に出すぎたり、背中が丸くなったりすると、太ももや腰に負担がかかりやすくなります。疲れを感じた日は、回数を減らしてフォームを意識する時間に切り替えると効果的です。

スクワットは「どれだけやるか」よりも「どう動くか」が重要です。正しいフォームを保てる範囲で継続することが、結果的に最も効率の良い続け方です。

休息日の入れ方とリフレッシュ方法

筋肉は休むことで成長します。疲労が蓄積していると感じたときは、思い切って休むことも大切です。週に1〜2日はストレッチやウォーキングなどの軽い運動に切り替えると、体のリズムが整いやすくなります。

特に女性の場合は、ホルモンバランスの変化で体が重く感じる時期もあります。無理に行わず、体調に合わせて強度を調整しましょう。長く続けるためには、頑張りすぎないペース配分が鍵になります。

より効果を出したい人におすすめの工夫

毎日30回のスクワットを続けるだけでも体は確実に変わりますが、少し工夫を加えることで、脂肪燃焼やヒップアップの効果をさらに高められます。動き・食事・時間帯の3つを意識すると、体の変化が加速します。

有酸素運動と組み合わせて脂肪燃焼アップ

スクワットの後に軽い有酸素運動を行うと、脂肪の燃焼効率が一気に上がります。筋トレで体が温まった状態でウォーキングやジョギングを10〜15分行うと、エネルギー消費が増え、ダイエット効果が高まります。

有酸素運動を取り入れるときは、スクワットの後がベストタイミングです。筋肉を先に使うことで「糖質」が優先的に使われ、その後の有酸素で脂肪がエネルギーとして使われやすくなります。家の中でも足踏み踏み台昇降などを組み合わせれば十分な効果が得られます。

ゆっくり歩いても…けっこう効く。家でできる足踏みエクササイズ(毎日8分)

食事とタンパク質で筋肉をサポート

スクワットの効果を持続させるためには、筋肉の材料となるタンパク質が欠かせません。筋トレ後はプロテインや卵、鶏むね肉、納豆などを摂ると、筋肉の回復がスムーズになります。

糖質も適度に摂取することでエネルギー不足を防ぎ、トレーニングを続けやすくなります。ダイエット中でも主食を完全に抜くのではなく、玄米やオートミールなどの良質な炭水化物を選ぶのがおすすめです。

朝と夜、どちらが効果的?

朝にスクワットを行うと、血流が促進されて代謝が上がり、一日を通して脂肪が燃えやすい状態になります。寝起きの体を目覚めさせ、集中力を高める効果もあります。

一方、夜のスクワットはストレス解消や睡眠の質の向上に効果的です。日中の緊張で硬くなった筋肉をほぐすことでリラックスしやすくなります。朝は代謝アップ、夜は疲労回復と目的が異なるため、自分の生活リズムに合わせて時間を選ぶのがポイントです。

目的別の回数・メニュー目安

スクワット30回は続けやすく、効果を実感しやすい回数です。ただし、目的によって最適な回数やテンポは少し異なります。理想の体づくりに合わせて、無理のない目安を設定しましょう。

目的 回数の目安 ポイント
ダイエット 10回〜15回×3セット 呼吸を意識してテンポよく行う。脂肪燃焼を狙うなら朝に行うのがおすすめ。
ヒップアップ 10〜20回×3セット ゆっくりとしたスロースクワットでお尻をしっかり後ろへ引く。休憩を入れながら2〜3セット行う。
美脚・内もも引き締め 10〜20回×2〜3セット 内ももに刺激を与え、骨盤の安定と脚ラインの改善に役立つ。
健康維持・代謝アップ 20〜30回 毎日の習慣として続ける。体調に合わせて朝か夜どちらか1回を目安に行う。  

ダイエット

体脂肪を減らしたい場合は、テンポよく10回〜15回×3セットを目安に行うのがおすすめです。特に朝行うと、代謝が上がって1日を通して脂肪が燃えやすくなります。食後すぐは避け、起床後30分〜1時間以内のタイミングがベストです。

有酸素運動を取り入れると、さらに効果が高まります。スクワット後に軽くウォーキングを加えると、体が温まった状態で脂肪が効率的に燃焼されます。

ヒップアップ

お尻を引き締めたい場合は、スロースクワットがおすすめです。下げる動作に3秒かけることで、大臀筋への張力が長くかかり、ヒップラインを引き上げるための刺激がしっかり入ります。1日10〜20回×3セット、回数よりも「フォームの正確さ」を重視しましょう。

美脚・内もも引き締め

脚の外側や内ももを引き締めたい場合は、ワイドスクワットが効果的です。足を肩幅の1.5倍に開き、つま先を外に45度ほど向けます。しゃがむときは膝をつま先の方向に開き、内ももの筋肉を使う感覚を意識します。

10〜20回を1セットとして、2〜3セットに分けて行うのがおすすめです。骨盤の安定にも役立ち、O脚やX脚の改善にも効果的です。美脚を目指す人は、鏡で姿勢を確認しながらゆっくり行いましょう。

健康維持・代謝アップ

長く続けたい場合は、無理なく1日20〜30回を目安にするのが理想です。筋肉量を維持することで冷えやむくみの改善にもつながります。スクワットは下半身の血流を促し、姿勢を支える体幹も同時に鍛えられます。

特にデスクワーク中心の人は、夕方や就寝前に軽く行うだけでも血行が良くなり、むくみの予防や睡眠の質の向上が期待できます。

『効率最強』のスクワット100回メニュー|全身を使い切れば体が変わる!

スクワットに関するよくある質問(Q&A)

スクワットを続ける中で多くの人が気になる疑問を、トレーナーの視点でわかりやすく解説します。

Q. スクワットを毎日すると本当に痩せる?

毎日スクワットを続けると、体重よりも見た目の変化が現れやすくなります。下半身の筋肉量が増えることで基礎代謝が上がり、脂肪が燃えやすい体になります。

ただし、スクワットだけで体重を大きく落とすのは難しく、食事管理や有酸素運動との組み合わせが大切です。1日30回でも1〜3ヶ月継続すれば、ウエストや太ももの引き締めを実感できる人が多いです。

Q. 痩せるスクワットはある?

スクワットの中でも、「ジャンピングスクワット」はダイエット効果を感じやすいメニューです。ジャンピングスクワットは立ち上がりにジャンプを加えることで、短時間で脂肪を燃焼させる高強度トレーニングです。全身の筋肉を同時に使うため、引き締め効果も高く、運動に慣れている人におすすめです。

ノーマルスクワットで土台を整え、ジャンピングで燃焼を加速させる組み合わせも効果的です。

Q. スクワット毎日10回の効果は?

座りっぱなしの生活をしている人にとっては、体を動かすきっかけ作りとして十分な価値があります。下半身の大きな筋肉を少しでも動かすことで血流が良くなり、むくみや冷えの改善が期待できます。

一方で、10回では筋肉が成長するほどの刺激にはならず、見た目の変化やダイエット効果は出にくいのが現実です。筋肉を引き締めたい人は、フォームを意識しながら1日30回程度を目安に増やすと変化を実感しやすくなります。

Q. スクワット毎日20回の効果は?

運動が苦手な人や筋トレを始めたばかりの人には、体を慣らして代謝の土台を整える運動としておすすめです。20回でも下半身の筋肉を動かすことで血流が促され、姿勢の安定やむくみの軽減に役立ちます。

ただし、体型を変えるほどの筋力アップや脂肪燃焼効果はまだ得にくい段階です。より引き締まった体を目指すなら、回数を30回前後まで増やし、フォームを丁寧に行うことが大切です。

毎日スクワットの驚くべき効果とは|30回・50回・100回…ベストな回数はどれ?

監修者プロフィール

パーソナルトレーナー
深澤 智也(フカサワ トモヤ)

深澤智也(フカサワトモヤ)■経歴
2010〜2020年 海上自衛隊
2020年 2ndPASS(パーソナルトレーナースクール)卒業    
2021〜2022年 仙台市キックボクシングジム所属(ボディメイクトレーナー)
2022年〜現在 パーソナルトレーニングジム 9INE-GYM設立

■保有資格
NESTA-PFT(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会)
NESTA-FAS(ファンクショナルアナトミースペシャリスト)
CBMS(認定ファンクショナルボディメイクスペシャリスト)
KUBIRE ARTIST
普通救命講習終了

■コンテスト歴
自衛隊プレミアムボディ2019 ファイナリスト
ベストボディジャパン2021日本大会 TOP10入り
マッスルゲート仙台2025 メンズフィジーク新人 優勝
マッスルゲート仙台2025 メンズフィジーク一般 3位

<Edit:編集部>

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