2018年6月27日

理系男子、大海を知る。初心者のためのオープンウォータースイム│あなたのトライアスロン“初挑戦”を応援します! #2 (1/3)

 1人でスイム・バイク・ランを連続して行う鉄人レース、トライアスロン。興味はあるけれど、そもそもなにから始めればいいの? と思っている方も多いのではないでしょうか。

 今回MELOSではトライアスロン完走を目指す未経験者を募集。スクールの運営や大会の企画・開催などでトライアスロン界を大きく支える「アスロニア」の全面バックアップのもと、「第9回館山わかしおトライアスロン大会(タテトラ)」に参加するためのトレーニングを開始しました。トライアスロン初心者が短期間で体を作り、大会に出場するまでを密着取材します。

 第2回は実際に海で行なうスイムトレーニング、オープンウォータースイム(OWS)に参加します。挑戦者の岩渕孝彦さんは、小学生の頃に水泳教室に通っていた経験はあるものの、大人になってからはあまり泳いでいないことからスイムには少し不安があるそう。さらに、海で泳ぐのは初めて。もちろん、ウェットスーツを着るのも初めてです。「正直ちょっと怖いです……」という弱気発言。大丈夫でしょうか。

レースの行方を決めるのはスイムのスタート!

 トライアスロンのスイム種目は海が舞台ですが、海はプールと違い、波や潮の流れがあります。集団泳で人とぶつかる、足が底につかないことでパニックになる、低体温症になる恐れがあるなどの懸念される要素を取り除くため、海での実践練習で心の余裕をつくり、大会当日、最大限に力を発揮できるようになることがOWSの目的です。

▲準備を整えて、いざ海へ。紫外線は浴びるだけで体力を奪うので、日焼け止めは必須!

▲まずは準備体操。しっかりと体を伸ばします

 OWSには、毎回30名ほどの方が参加します。すでにレースに参加したことのある方や、すぐにレースを控えている方など、日常的にトライアスロンのトレーニングを行なっている先輩方との交流をしながら、不安と緊張をほぐします。今回コーチを務めてくれるのは、世界ロングディスタンストライアスロン選手権やIRONMANマレーシア ランカウイへの出場経験を持つ芦川紘子さん。

▲明るく元気に参加者を盛り立てる芦川コーチ

 はじめは入水の仕方の練習です。トライアスロンは、スイムからスタートする競技。レース開始にいきなり心拍数が上がりすぎると体がびっくりしてしまうので、徐々に心拍数をあげていくことが大切だそうです。入水時の動作は、波の抵抗を受けないように大きく膝をあげ、押し寄せる波を越えていくイメージで走る「足抜き」。ただ元気に海に走っていっているのかと思っていた……。

▲「押し寄せる波を越えていく」ってめちゃくちゃカッコイイですね

▲岩渕さん、初めての足抜きいい感じです

▲ある程度の深さになったら「ドルフィンスルー」でさらに沖へ

 入水の練習と並行して行っていたのは、海から陸地に上がる練習。泳いでいるときはずっと海の中なので、ゴール間近でキック力を上げ「これから陸に出るよ!」と体に教えてあげることが重要なのだとか。立てるところまできたら泳ぎをやめて走ってもいいとのことですが、「泳げるギリギリのところまで泳いで、膝が砂にぶつかりそうだな、くらいで立ち上がった方が無駄な体力を使わずにすみます」と芦川コーチ。ふむふむ。

▲自分にあった海からの上がり方を知ることが大切

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