インタビュー
2018年11月6日

夢はパラリンピアンの「伴走者」。マラソン芸人が語る盲人マラソンの世界(後編) (4/4)

パラリンピックや世界選手権代表の方の伴走をすることが夢

――「こんな方は伴走者に向いている」というような条件があれば教えてください。

伴走歴がもっと長い方もたくさんいらっしゃる中、僕がお話しするのも恐縮ですが、ここ何年か伴走させていただいた中で感じたことをお話しさせていただきます。まずは「走力」ですね。例えば元実業団選手など、もう自己ベストは狙えないけど、自身の走りに自信がある人。それに加えて、伴走者は基本的に無償なので、「ボランティア精神」がなければ務まりません。そして視覚障がいの方の走りに合わせられる「技術」を持っていることも重要です。

この「心・技・体」はすべて揃っていなければ、完璧なサポートをすることは難しいです。速く走れればいいわけではないですし、どんなに伴走に対する熱意を持っていても、走力や技術を持っていなければ相手に迷惑を掛けてしまいます。

――「走力」と「ボランティア精神」は自分自身で向上していくものだと思うのですが、「技術」はどのように身に付けていけばよいのでしょうか?

「日本ブラインドマラソン協会」で毎月練習会を行っているので、まずはそこに参加してみることをオススメします。最初は自分がアイマスクを着用し、伴走してもらうところからスタートして、どのようにしたら走りやすいかを学んでいきます。

――伴走は今後も続けていくおつもりでしょうか?

もちろんです! 僕も最近走りが仕上がってきているので、さらに走力をつけて、パラリンピックや世界選手権代表の方の伴走をすることが夢の1つです。誰かのお役に立ちたいという気持ちが根底にあるので、こうした活動を続けていくことによって、学生時代にお世話になった陸上競技にも恩返しができるのではないかなと思います。

[プロフィール]
M高史(えむ・たかし)
1984年生まれ、東京都出身。ものまねアスリート芸人。クロスブレイス所属。駒澤大学では陸上競技部に所属し、2年時からマネージャー、3年時より主務を務める。卒業後は知的障がい者の施設で生活支援員を約5年間勤め、2011年12月よりものまね芸人へ転身。2013年より始めた公務員ランナー・川内優輝選手のものまねでブレイク。フルマラソンのベストは2時間40分34秒で、現在は東京マラソン財団スポーツレガシー事業チャリティ・アンバサダー、ジャパン駅伝ツアーPRアンバサダーなどを兼任するほか、障がい者スポーツのサポート活動(伴走、伴泳)も精力的に取り組んでいる。
【公式ブログ】https://ameblo.jp/monomane-athlete-mikami/
【公式Twitter】https://twitter.com/m_takashi_run

《関連サイト》
・日本ブラインドマラソン協会
http://jbma.or.jp/

<Text:松永貴允(H14)/Photo:金田裕平>

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