フィットネス
2021年1月18日

筋トレ初心者向けダンベルトレーニング。まずは「ショルダープレス」で体幹を鍛える

 筋トレをマンネリ化させないためには、いつもと違うワークアウトを試してみるのがオススメです。今回はダンベル(鉄アレイ)を使ったワークアウトの効果と、初心者にもおすすめのトレーニング方法を解説します。正しいフォームとやり方で行うことで、脂肪を燃焼させ、筋肉量を増やすほか、体幹強化にもつながります。

ダンベルを使ったワークアウトのメリット

 ダンベルを使ったワークアウトには、以下のようなメリットが挙げられます。

☑ 心肺能力と筋力を同時に向上させる
☑ 脂肪を減らし、筋肉量を増やす
☑ 広い場所を必要としない
☑ 短時間で大きな成果が望める
☑ 体幹強化
☑ 全身運動
☑ 年齢、能力、性別に応じて負荷の調整が可能

 ダンベルは鉄アレイなどとも呼ばれ、棒の両端に重りがついた器具です。ダンベルを使ったワークアウトは、なんと紀元前のギリシャや1000年以上前のインドまで遡ることができるそう。まさに世界最古で、かつ現在でもっともポピュラーなトレーニング器具のひとつでしょう。

 ダンベルを使用したワークアウトは、何百種類もあるといわれます。今回はその中から、クロスフィットのトレーニングメニューでよく使われ、自宅や公園で手軽に試せるものを3つご紹介しましょう。

1. ショルダープレス

 両手にダンベルを持ち、まっすぐ頭上に持ち上げます。

▲腹筋を固めて直立

 この際、両腕は完全に伸ばしきり、横から見て、腕で耳が隠れるようにしてください。同じ動きを、バーベルでも行うことができます。

▲ダンベルは重心の真上

 イスに座って行う方法もありますが、クロスフィットでは立って行うやり方を推奨しています。その理由は、ダンベルを頭上で維持して姿勢を安定させることで、体幹の筋肉も同時に鍛えることができるからです。

 ダイエットやスポーツに直結した動きを目指すなら、立って行う方がよいでしょう。ただしボディビルダーやパワーリフターが肩の「筋肉に効かせる」ためには、座って行う方が効果的です。

「ストリクトプレス」と「プッシュプレス」、どちらがいい?

 膝を固定して反動をつけずにダンベルを上下させる動きを「ストリクトプレス」と呼び、膝を一旦曲げ、さらに伸ばす勢いを利用してダンベルを持ち上げる動きを「プッシュプレス」と呼びます。

 両者に優劣はありません。ストリクトプレスは上半身の筋力向上に効果的ですし、プッシュプレスは瞬発力や体全体の連動性を高めることに効果が期待できます。そのため、目的に応じて使い分けるのがベストです。

2. 片腕オーバーヘッドスクワット

 ダンベルを頭上に維持することは、体幹を鍛えるうえでとても効果的。その効果をより大きくするための動作が、片手でダンベルを持ち、腕をまっすぐ上に伸ばした状態で行うスクワットです。

▲重心はかかと。体軸はまっすぐ

 さらにバランス感覚を養うなら、ダンベルを片腕で持ち上げた姿勢でランジを行います。

▲両ひざは直角に曲げる

 このように片腕でダンベルを持つワークアウトをすると、左右どちらかがやりにくく感じることでしょう。これは利き腕とそうでない腕で、筋力だけではなく肩の可動域も不均衡になりやすいことが原因です。上記のワークアウトを左右交互に行うことで、体を本来のバランスに戻す効果も期待できます。

3. マンメーカー

 少し聞きなれないワークアウトメニューでしょう。なぜ「マンメーカー」と呼ぶのか、名前の由来は明らかではありません。ただし、これは心肺能力と全身持久力を鍛える、非常にきついワークアウトです。

▲手は肩の真下

 両手にダンベルを握り、まずは腕立て伏せを行います。

▲体を捻らず、体幹に力を入れて姿勢を保持

 そして、片腕だけを背中の後ろに引くローイングを行いましょう。このとき、上体を地面と平行に保つことが大切です。

▲お尻が膝の下に来るまで完全に腰を落とす

 腕立て伏せと左右のロウイングを行った後は、両足同時に立ち上がり、スクワットの姿勢になります。ダンベルはショルダー・プレスと同じ位置に持ち直します。

▲スクワットから一気にジャンプするような勢いで立ち上がる

 一気に立ち上がり、ダンベルを頭上に持ち上げましょう。

 これら一連の動きをなるべく速く、決められた回数を繰り返します。これだけでも十分にきついワークアウトですが、ほかの有酸素運動、たとえばランニングや縄跳びなどと組み合わせるとさらに効果的です。

有酸素と組み合わせたトレーニングメニュー例

400m走+マンメーカー10回⇒5ラウンド

ダンベルの重さの選び方

 スポーツジムに行くと、さまざまな重さのダンベルが並んだラックをよく目にするでしょう。重さに適したワークアウトがあるので、軽量から重量まで何種類ものダンベルを用意することが望ましいのですが、個人で何種類も揃えることは、置き場所やお金などの面から考えて難しいでしょう。

 しかし、中には重りを着脱して重量を調整できる種類のダンベルもあります。固定式の場合、自宅用にはショルダー・プレスが無理なく10回できる程度の重さのものを購入し、足りなくなったらジムなどで高重量のワークアウトを行うのがよいかもしれません。

関連記事:自宅筋トレの定番「ダンベル」の正しい選び方。何キロから買うべき?重さ調整できるものがいい?

[筆者プロフィール]
角谷剛(かくたに・ごう)
アメリカ・カリフォルニア在住。IT関連の会社員生活を25年送った後、趣味のスポーツがこうじてコーチ業に転身。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー部監督を務める。また、カリフォルニア州コンコルディア大学にて、コーチング及びスポーツ経営学の修士を取得している。著書に『大人の部活―クロスフィットにはまる日々』(デザインエッグ社)がある。
【公式Facebook】https://www.facebook.com/WriterKakutani

<Text & Photo:角谷剛>