腹筋トレーニング、毎日やるべき?1日何回が効果的?トレーナーが解説 (1/3)
お腹を引き締めたいときにまず行うであろう腹筋運動。しかし、「効果が出ない」「意味がないのでは」「シットアップやクランチは腰が痛くなるからできない」と悩んでいる人も多いようです。
正しく行わなければ、トレーニングの効果は上がりません。また、正しく行っているつもりでも、実はやり方が間違っている人も少なくないようです。結果が出ないだけでなく、腰痛や膝の痛みに繋がる危険性もあります。
今回は腹筋運動を効果的に行うためのポイントと、正しい動作を用いたトレーニングメニューを解説します。ダイエット中や、バキバキのシックスパックを目指して腹筋を割りたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
腹筋トレーニングの回数は多ければ多いほうがいい?
目的によって回数が異なってくる
腹筋トレーニング含む筋トレは、たくさんやればいいというわけではありません。目的によって回数は異なります。
筋トレの回数の目安
- 筋肥大、ダイエットが目的
8〜12回程度で限界を迎える負荷設定で行いましょう。 - 筋力向上が目的
3〜7回程度で限界を迎える負荷設定で行いましょう。トレーニングチューブやダンベル、バーベルなどで負荷を高めて強度調整するのもよいでしょう。 - 筋持久力をつけたい
13~20回程度で限界を迎える負荷設定で行いましょう。
腹筋運動は、なぜか高レップ(回数)で行っている人が多いエクササイズです。高レップでは筋持久力が強化され、筋力や筋肥大は起こりにくいとわかっている人でも、何百回も腹筋運動を行ってしまうので不思議です。
腹筋も筋力向上や筋肥大のためであれば、ほかの筋肉同様に負荷を高めて行う必要があります。腹筋の筋力や筋肥大を求める人は、10回程度で限界になるよう負荷を調整しましょう。
また、繰り返し行われる腹筋運動は腰部を傷める原因にもなるので、フォームと回数に注意が必要です。
シットアップやクランチは体に悪いのか
皆さんは腹筋を鍛えるために、どんなエクササイズを行っているでしょうか。多くの人は、シットアップやクランチを行っているものと思います。しかし、これらのトレーニングに警笛を鳴らしている人たちもいるのです。
シットアップやクランチが危険であると広まったのは、カナダ・ウォータールー大学のスチュアート・マックギル教授が発表した研究がきっかけです。研究では、シットアップを繰り返し行うことによって、椎間板に大きなストレスがかかる危険性があるという結果が報告されました。
それを受け、体力測定として腹筋運動を採用していたアメリカ陸軍は、腹筋運動が腰部のストレスを増大させ、椎間板ヘルニアなどの原因になるとして体力測定から除外。
日本バスケットボール協会も、昔から行われているシットアップが腰痛の原因になるとして、推奨できないと情報を発信しています。
シットアップやクランチ自体が悪いわけではない
しかし、シットアップやクランチをやってはいけないということではありません。
注意すべきは、何百回も繰り返し行ったり、速い動作を意識しすぎてフォームをおろそかにするやり方が問題なのです。
昔よく取り組まれていた、膝を伸ばしたまま足首を押さえて行う腹筋運動や、足首を押さえたまま行うシットアップは、腹筋よりも股関節の周囲にある「腸腰筋」や、太ももの前側の筋肉である「大腿四頭筋」をより強く刺激します。
腸腰筋や大腿四頭筋にストレスがかかり、緊張が強くなると腰痛を引き起こしますので、そのようなやり方でシットアップやクランチを行うことは控えましょう。
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