• Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • YouTube

夏のランニング・マラソン練習は「トラック」がおすすめ。実践者が教えるトレーニングメニュー3選

 暑さに負けて練習をサボってしまうと、いざシーズンとなってから思うように結果が残せないかもしれません。夏こそ周囲と差をつけ、目標達成に近づく重要な時期といえるでしょう。

 とはいえ追い込み過ぎれば、熱中症や脱水症などの危険も高まります。暑さに負けず、しかし効果的に練習するにはどうすればいいのでしょうか。そんなときには、近くに陸上競技場のトラックがあれば、ぜひ活用してみましょう。あるいは、目安1km以内ほどの周回コースがあれば、そうした場所でも構いません。その理由と、トラックを使ったオススメの練習方法を紹介していきます。

暑い時期にトラック練習がオススメの理由

 まず、なぜ暑い時期にトラック練習がオススメなのでしょうか。高いパフォーマンスを維持し、かつ安全に練習するうえで重要なことですので、覚えておいてください。

1)好きなタイミングでこまめに給水できる

 トラックは1周400m。つまりスタート地点に水分を置いておけば、400mごとに給水できることになります。もちろん1周回ごとでなくとも構いませんが、脱水などを予防するには早い段階からこまめな給水が大切です。バックパックを背負えば水分を持ったまま走れますが、練習内容によっては重さが邪魔になります。しっかりペースを上げたい練習でも、重さによって上げきれなければ練習の効果は低下するでしょう。トラックなら身軽に走りながらも給水を十分に取りつつ練習できます。

2)周囲から見えれば“万が一”の際に安心

 多くの陸上競技場には管理者が常駐しているほか、周囲からも中が見える構造となっています。タイミングによっては、他にも練習しているランナーがいるでしょう。もし具合が悪くなって倒れても、すぐに周囲が助けてくれます。もちろん自分が声を出して助けを呼ぶこともできるでしょう。そのため、万が一の備えとして安全性が高まります。

 冒頭で「トラックではなく、短めの周回コースでもいい」とお伝えしましたが、できるだけ「周囲に人がいる」「まわりから自分が見える」場所を選びましょう。

3)周囲のランナーや学生から刺激が受けられる

 平日の日中などを除き、陸上競技場には大勢のランナーや学生の陸上部員がいます。誰もが真剣に取り組んでおり、その姿はモチベーションアップに繋がる刺激となるでしょう。たとえクラブなどに所属せず1人で練習している方でも、まわりに走っている人がいれば仲間ができたかのような感覚が得られます。もちろん定期的に通っていれば、いつも同じ時間に出会うランナーと会話が生まれるかもしれません。

トラックで取り組みたい練習方法と実践ポイント

 それでは、実際にどのような練習を行えばよいのでしょうか。もちろん、ずっと周回しながらジョギングに取り組むこともできます。しかし、せっかくトラックで走るなら、その特性を活かしたトレーニングに挑戦してみてください。ここでは、オススメの練習方法を3つご紹介します。

1)インターバル走

 速いペースでのランニングと、ゆっくりしたジョギングでの休憩(=レスト)を交互に行うトレーニング。最大酸素摂取量や心肺機能、スピード持久力の向上などが目的です。ペースの目安は、「このペースで走り続けるのは10〜15分が限界」と感じる程度。そのため、かなり身体への負荷が高くなります。

 ランニングの距離は400mや800m、1000m、1500mなど。レストは、ランニングした時間と同じくらい取るとよいでしょう。本数は5〜10本ほどとして、距離が長いものほど減らしましょう。私の場合、以下のようなインターバル走をよく行っています。

・1500m×4本
・1000m×5本
・800m×6本
・400m×10本
・800m×5本+400m×2本 など

 ポイントは、しっかり最後まで設定ペースで走り切ること。少しずつ疲労が蓄積してきますが、レストの時間もきっちり守りましょう。なお、走る距離をあまり長く取り過ぎると、前述のようなペースは維持できません。自然とペースを遅く設定することとなり、インターバル走としての効果は下がってしまいます。インターバル走は“長く走ればいい”というものではありませんので、注意してください。

2)レペティション

 インターバル走と同様、速いペースでのランニングと休憩を繰り返します。ただし、休憩はジョギングではなく完全休息。多少動くのは構いませんが、ほぼ何もせず身体を回復させます。そしてランニングのペースも異なり、全力走が基本です。効果としてはインターバルと同様に心肺機能向上に繋がるほか、最大スピードの向上も目指せるでしょう。私の場合、以下のようなトレーニングを行っています。

・1000m×5本
・2000m×3本 など

 全力走は身体への負担と消耗が激しいため、本数は少ないところからスタートしましょう。1本1本を大切に、しっかり出し尽くすようにしてください。

3)ペース走

 あらかじめ設定したペースを維持して、一定の距離を走り続けるペース走。スピードと持久力向上のほか、ペース感覚の養成が挙げられます。ペース走を積み重ねることで、どのくらいの感覚で走ればどの程度のペースが出るのかが分かってくるでしょう。これは、大会本番でレースペースをコントロールするのに役立ちます。

 昨今はGPSウォッチが主流となっているため、どこを走ってもペースや距離は手元で確認可能です。そのため、ペース走はトラックでなくロードでもいいだろうと思われるかもしれません。しかし走りやすい走路で、信号など妨げのないトラックは、ペース走を快適に行うのに最適。走ることだけに集中できます。また、距離に応じて周回数が決まるので、気持ちを切り替えながらメリハリを持って練習できるでしょう。

 ペースについては、フルマラソンなどの目標ペースを目安にすることをオススメします。インターバルやレペティションのように、速ければいいというものではありません。余力を持って終えるくらいでちょうどよいと考えてください。

 私のオススメは、まず目標ペース(例:フルマラソン3時間半切りなら5:00/km)で10kmから始め、少しずつ距離を伸ばしていくという方法。たとえ高い目標でも、「●●kmなら維持できる」という感覚はやる気にも繋がるでしょう。目標ペースで走れる距離が伸びていけば、達成に近づいている(=レベルアップしている)ことが実感できるはずです。もちろん30〜40kmでも維持できるようになったら、目標を上方修正してペースを上げても構いません。

 なお、ここで紹介したトレーニングは、負荷が比較的高いものとなります。そのため、連日行うといったことは避けましょう。週2〜3回を目安とし、他の日には休足日を設けたり、ジョギングなど負荷の低いトレーニングを行ってください。暑い夏場でもダレることなく、安全にランニングを楽しみましょう。

[筆者プロフィール]
三河賢文(みかわ・まさふみ)
“走る”フリーライターとして、スポーツ分野を中心とした取材・執筆・編集を実施。自身もマラソンやトライアスロン競技に取り組むほか、学生時代の競技経験を活かし、中学校の陸上部で技術指導も担う。またトレーニングサービス『WILD MOVE』を主宰し、子ども向けの運動教室、ランナー向けのパーソナルトレーニングなども行っている。4児の子持ち。ナレッジ・リンクス(株)代表。
【HP】https://www.run-writer.com

<Text:三河賢文/Photo:Getty Images>

ランキング
Ranking

  • 最新

オススメ記事
Special

オススメ連載
Series

注目キーワード