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2023年3月16日

筋トレ後に眠くなるのはなぜ?専門家に聞いた、眠気の原因と対策 (2/2)

筋トレ前にできる3つの眠気対策

眠くなってしまってからの対策より、できれば事前にできる予防策があるに越したことはありませんよね。いくつかご紹介しましょう。

【1】軽めの筋トレメニューで

一気にやるより、コツコツ継続していくことも筋トレのテーマ。毎回ハードである必要はない。ガッツリ追い込むのは筋トレ後や翌日に予定のない休日前に心置きなく

【2】糖分やタンパク質を摂取しておく

筋トレ前に糖分やタンパク質をチャージしておくのも手。鶏ササミと野菜のスープやバナナ、チョコレート、チーズなどお腹にたまらないメニューで

CHECK:空腹状態でのトレーニングは筋肉にもよくない

空腹感を抱えてのトレーニングは、血糖値が下がっている状態での運動になります。当然エネルギーが不足しているので筋肉や肝臓に蓄えられているエネルギーを活用することになりますが、血糖値が低いので糖新生を起こすことにもつながり、筋肉の異化作用も進むと考えられます。あまりおすすめはしません。

せめて30分前でも、糖質やアミノ酸を適量摂取するのがよいでしょう。消化のよいドリンクタイプやゼリータイプであれば、20分もすれば血糖やアミノ酸濃度を上昇させてくれます。

また、コンビニのオニギリや固形のエネルギーバーなどでもよいかと思います。脂質や肉類などは、運動中は消化器官に血液があまり回らず、消化吸収が間に合わない可能性が高いので避けたほうがよいでしょう。

空腹状態で筋トレしていい?直前でも食べるべき?メガロストレーナーが解答 より

【3】カフェインを摂取しておく

コーヒーなどに含まれるカフェインは眠気を覚ますだけでなく、集中力も高めてくれる。トップアスリートでも、まずお茶やコーヒーなどでカフェインを摂取してから試合に望む選手も。

しかし、利尿作用によって余計な水分を対外に排出してしまうため、たくさん飲むのはNG。お茶はトレーニング中の水分補給にも適さない

CHECK:カフェインはトレーニングに有効なのか?

カフェインは、おもに持久的な運動能力を向上させます。脳の興奮水準を高め、長時間運動時の疲労を軽減、パフォーマンスアップにひと役買ってくれます。また、運動中の脂肪利用を促進し、糖質(グリコーゲン)の枯渇を予防し、運動持続時間を延長することも知られています。カフェインを摂取するなら運動前がおすすめです。カフェインが脂肪分解酵素を活性化することによって体脂肪の分解や代謝がより促進され、高い脂肪燃焼効果が期待できるからです。

個人差はありますが、摂取・吸収されてから30分~2時間でその効果が現れます。半減期は約4時間といわれていますが、こちらも人によって異なり、2~8時間の幅があります。

カフェインってどんなメリットがある?とり過ぎのボーダーは?[管理栄養士監修] より

「単純に強度のみで比較すれば高強度トレーニングより低強度トレーニングの方が疲労感は少ないので眠くならない可能性はあります。ただし、低強度であっても長時間行えば当然、疲労による眠気を感じる可能性が考えられます。なのでトレーニング法での眠気予防は、各個人の筋トレを行う目的によっても変わってきますね」(鴻﨑さん)

トレーニング方法そのもので筋トレ後の眠気を予防する方法の「軽めの筋トレメニュー」は、「短時間で」ということも念頭に置いて行いましょう。

こちらもおすすめ:カフェインは筋トレ効果を高めるのか。1日の摂取量と中毒症状を防ぐ飲み方、コーヒー豆知識[管理栄養士監修]

[監修者プロフィール]
鴻﨑香里奈(こうざき・かりな)
体育科学博士。日本体育大学体育研究所助教授。専門分野は分子運動生理学、運動生化学、スポーツ医学。柔道整復師、日本体育協会公認アスレティックトレーナー(JASA-AT)

<Text:京澤洋子(アート・サプライ)>

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