「ベンチプレス」はバーベルとダンベル、どっちがいい?効果の違いは?トレーナーが解説 (2/2)
ダンベルベンチプレスの重量は何キロにするか
ダンベルはバーベルに比べて動作の自由度が高く、そのことが上述したダンベル・ベンチプレスの利点に繋がります。しかし、逆に言えばバランスを取ることが要求され、動作の難易度がやや高くなることも意味します。
そのため、ダンベル・ベンチプレスでは、バーベルに比べると扱える重量が軽くなることが普通です。そして、その差は初心者ほど大きくなります。
以下は、標準的な体格(体重60~90キロ)の一般男性が1回だけ挙げられる重量(1-rep max)の体重比の目安例です。
- バーベルベンチプレス:初心者=約50~70%、最上級者=約190~200%超
- ダンベルベンチプレス:初心者=約40~50%、最上級者=約180~200%超
体重70キロの男性で筋トレ初心者ならば、ダンベル・ベンチプレスは片方15キロ程度(合計30キロ)が扱える最重量ということ。
この値は1回だけ挙げられる重量(1-rep max)ですので、実際には反復回数に応じて、それより軽いダンベルを使うことになります。
反復回数とセット数
他の筋トレ種目と同様に、ダンベル・ベンチプレスでも反復回数とセット数は目的に応じて変わります。以下を大体の目安にしてください。
- 最大筋力向上:反復回数=4~8回、セット数=4~6、セット間休息=2~3分
- 筋肥大:反復回数=8~12回、セット数=4~6、セット間休息=1~2分
- 筋持久力向上:反復回数=12回以上、セット数=2~3、セット間休息=1分
自宅トレーニーにもメリットがたくさん
トレーニング効果とは直接関係ありませんが、ダンベルの方がバーベル+プレートより価格的に入手しやすく、ラックが不要なのでスペースを取らないという経済的な利便性も見逃せません。さ
らにバーベル・ベンチプレス用のラックにはベンチプレス以外の用途がありませんが、ベンチとダンベルがあれば、ベンチプレス以外にもさまざまなワークアウトが可能になります。
ジムに通わず自宅でトレーニングする人にとっては、大きなポイントかもしれません。
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筆者プロフィール
角谷剛(かくたに・ごう)
アメリカ・カリフォルニア在住。IT関連の会社員生活を25年送った後、趣味のスポーツがこうじてコーチ業に転身。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー部監督を務める。また、カリフォルニア州コンコルディア大学にて、コーチング及びスポーツ経営学の修士を取得している。著書に『大人の部活―クロスフィットにはまる日々』(デザインエッグ社)がある。
【公式Facebook】https://www.facebook.com/WriterKakutani
<Text & Photo:角谷剛>