ゆらゆらバランスをとるだけ!円盤ボードで体幹を鍛える
現在のスポーツ界で、パフォーマンス向上のために注目されているのが「体幹」です。たとえばサッカー日本代表の長友佑都選手は、170cmとスポーツ選手としては小柄ながら、強靭な体幹から引き出されるバランス力により、世界の猛者と対等以上に渡り合っています。こうした体幹やバランス力の養成は、大人だけでなく子どもにも効果的なトレーニングです。
バランスボールやBOSU(ボス)をはじめ、体幹を強化するフィットネス器具はいくつかありますが、今回は半円型の「バランスディスク」の効果と使い方、おすすめトレーニング方法をお伝えしていきます。
バランスディスクとは
バランスディスクは約30cmほどの平たい形をしており、上に乗ってバランスを取ることにより、バランス力や体幹力の向上を目的としたフィットネスグッズです。
バランスディスクでなにが鍛えられるのか
あらゆるスポーツにおいて、バランス力は重要な要素です。バランス力は、具体的に「バランスを崩さない力」と「バランスを崩してもすぐに立て直すことができる力」の2つに分かれます。
また、バランス力の種類は「前後左右へ対応するバランス」と「回転に対応するバランス」の2種類あります。このバランスディスクでは、回転に対応する以外のバランス強化が期待できます。
バランストレーニングのやり方
慣れないうちは、バランスディスクに乗ったとき、足元からひっくり返るように転ぶことも多いので、物があまりなく誰もいない場所を選びましょう。安全に配慮して実践してください。
1.両足で乗る
もっとも基礎的なトレーニングです。慣れるとそれほど難しくありませんので、まずは挑戦してみましょう。
2.しゃがんで乗る
立って乗った後に、しゃがんだままバランスを取ります。立っている状態とは違った難しさがあります。
3.お尻で座って乗る
座った状態で乗り、足を上げたままバランスを取ります。体幹のしなやかさを養うトレーニングです。
4.立ったりしゃがんだりして乗る
バランスディスクの上で、立ったりしゃがんだりします。動きながらバランスを取るいいトレーニングになるでしょう。
5.両足で目を閉じて乗る
1.に慣れたらこちらに挑戦してみましょう。人間は耳にある内耳という部位のほか、目でもバランスを取っています。そのため、目を閉じるだけで一気に難しくなるはずです。
6.片足で乗る
次に、片足でも乗ってみましょう。より難易度が増し、バランスを立て直すトレーニングにつながります。
7.片足で目をつぶって乗る
最高難度です。かなりグラグラすることが予想されますので、気をつけながら行ってください。
8. ディスクを2個使う
手と膝で四つん這いになります。対角線にディスクを置き、それぞれの手と膝で乗りましょう。ディスクのない方の手足を一直線に前後に伸ばし、バランスを取ります。同様の動作を反対側でも行ってください。
9.バランスディスク渡り
バランスディスクを6~10個並べて置き、その上を渡ります。渡ったら後ろ向きで戻りましょう。横向きで渡るのもおすすめです。また、一列にきれいに並べて置くだけでなく、あえてジグザグに並べて置く、間隔を空けたり狭めたりして置くのも効果的。丸く置けば、乗ったままずっと続けることができます。子どもなら、遊びながらバランス能力を養うことができるはず。筆者の専門としている幼児体育でも推奨しています。
多様なトレーニングが行えるバランスディスク。値段も高くありませんので、家に常備して暇を見つけながら取り組むとよいでしょう。いずれも簡単にできるトレーニングですので、ぜひ挑戦してみてください。
関連記事:半円形バランスボール「BOSU(ボス)」の効果・使い方・体幹トレーニング5選
[筆者プロフィール]
赤堀達也(あかほり・たつや)
1975年生まれ。静岡県出身。小中学校・大学でバスケを指導し、小・大で全国出場、公立中学で県Best4 に入るなどの実績を残す。最高は全国準優勝。選手育成は独創的理論による論理的指導で行い、新体力テストが最低水準校で県大会優勝、高校時代に日の目を見ない大学の選手で東海1部に昇格した。また幼児・高校の体育も行い、全年齢の子どもに携わる。現在は群馬医療福祉大学で教鞭を執り、幼児の体育・健康の授業や研究を行っている。また学校における働き方改革の部活動問題の解決に向け、社会体育クラブを設立・活動している。
[HP] https://mt-a.jimdo.com
<Text:赤堀達也/Photo:Getty Images、編集部>