インタビュー
2020年2月25日

腸腰筋・腹直筋・大胸筋をリセット。ランナーや筋トレ民なら使ってみたい、オンキヨー「寝るだけストレッチ枕」が開発された理由や効果とは (1/2)

 日本初の理学療法士によるアンチエイジングサロンであるソリデンテ南青山と、オーディオブランドのオンキヨーが共同開発した「ミオドレ式 寝るだけストレッチ枕」が2018年の発売以来、1万個以上を売り上げるなど多くのユーザーから好評を得ています。そして、2020年2月に、同商品のラインナップを拡充することを発表しました。

 ヘッドホン・イヤホンにアンプなどを開発する日本のオーディオメーカーとして広く知られるオンキヨーが、体のメンテナンスに特化した寝るだけストレッチ枕を自社の商品ラインナップに加えることになったのはなぜなのか?

 オンキヨー亀井隆司さん、ソリデンテ南青山の代表理事である小野晴康さんと理学療法士の加瀬瞳さんに、オンキヨーが開発に至った経緯をはじめ、寝るだけストレッチ枕の効果や上手な使い方などについてお話を訊きました。

なぜオーディオのオンキヨーが“寝るだけストレッチ枕”を作ったのか

 ミオドレ式の名称は「ミオ=筋肉」を「ドレナージ=老廃物を排出」するという、理学療法に基づいた筋デトックスのメソッドに由来しています。オンキヨーが発売した製品は、ソリデンテ南青山の小野さんが開発した「ミオドレ式 寝るだけダイエット枕」をベースに、メインの素材を高反発ウレタンとして、滑り止めの役割を兼ねたメッシュのカバーを装着したことで現在の商品の形にたどり着きました。

▲ミオドレ式 寝るだけストレッチ枕

 原点である「ミオドレ式 寝るだけダイエット枕」は、ミオドレ式マッサージ法によるダイエット効果を、老若男女を問わず広く伝えたいという小野さんの思いから生まれています。その出発点は、現在までに7万部以上を売り上げている講談社刊の書籍「ミオドレ式寝るだけダイエット枕」の付録とされた、空気を入れて膨らませるビニール製の枕でした。「より滑りにくく、毎日使える安定した枕を開発したい」という小野さんの提案に亀井さんが共鳴する形で、オンキヨーにとって初めてとなるウェルネス事業への挑戦が始まりました。

▲写真左から、オンキヨー亀井さん、ソリデンテ南青山の理学療法士・加瀬さん、ソリデンテ南青山の代表理事を務める小野さん

 こうして完成した「ミオドレ式 寝るだけストレッチ枕」は、亀井氏が「何度も試作を繰り返しながら最適な堅さに調整してきた」という高反発ウレタン素材の本体に、着脱可能なメッシュ素材のナイロン製カバーを装着する形で完成しました。質量は約775gになります。

 この枕の上に1日3回/1回10分寝るだけで、前側の縮んだ筋肉が伸び、後ろ側(背中)の伸びきった筋肉を緩ませるストレッチができます。独自の設計思想について小野さんが次のように話しています。

「人間は普段の生活の中で前屈みの姿勢を長い時間取りがちです。前屈みの状態の時には背中側の筋肉が伸びきっていて、体の前側の筋肉は縮んでいる状態になっています。寝るだけストレッチ枕を毎日使い続ける事により、筋肉の伸縮バランスが整えられて、健康体かつスタイルアップを目指せます」

パフォーマンス向上につながる「3つの筋肉」がケアできる

 この寝るだけストレッチ枕により骨盤の歪みが治り、人間の外側の筋肉であるアウターマッスルの動きが高められるため、内側にあって鍛えにくいインナーマッスルのコントロールもしやすくなると小野さんは述べています。つまりダイエットの効果だけでなく、日ごろからスポーツを楽しむランナーやトレーニー(筋トレ民)などのパフォーマンス向上も引き出す枕なのだといいます。

 体の動きを改善するため、特に寝るだけストレッチ枕による効果が現れる筋肉が3つあるのだと小野さんは説いています。ひとつは骨盤と太ももの骨をつなぐ「腸腰筋(ちょうようきん)」。座り姿勢が長く続いてしまうと特にこの筋肉が縮みがちになるそうです。座り仕事の長いオフィスワーカーの方々も弱りがち部位と言えるかもしれません。

 もうひとつはお腹の側の「腹直筋(ふくちょくきん)」。猫背の姿勢ばかり取っていると、お腹にあるこの筋肉が縮んでしまい、やがて下腹がぽっこりとしてくるそうです。怖い……。そしてもうひとつの「大胸筋(だいきょうきん)」は胸元から脇の下、上腕部を支える要の筋肉です。

 寝るだけストレッチ枕の横ポール部に腰掛けてから、ゆっくりと本体センターの溝に沿って体をあおむけに倒しながら背中を乗せて、両腕両脚を伸ばした姿勢が「基本のストレッチ」と呼ばれています。リラックスした姿勢のまま3〜10分ほどこの基本姿勢をキープすると、枕が理想とするストレッチ効果が得られます。枕はメッシュ状のカバーに包まれているので、畳の上でストレッチをしてもズレることなく安定してくれます。もしも枕からはみ出る脚や肩が痛いと感じる場合はタオルを敷いた上に置いて使っても良いと思います。

 ミオドレ式 寝るだけストレッチ枕は、縦と横のポールが「T字型」にクロスした形状になっています。縦の溝に背骨を、横の溝に尾骶骨をしっかりと合わせて、体を伸ばした姿勢を無理なくキープできるため、太ももからふくらはぎまでの足の裏側にもストレッチ効果が及びます。下腿三頭筋にハムストリングスと呼ばれる脚の筋肉の短縮も解消できるとなれば、ジョギングやマラソンを楽しむランナーにとっても有効なアイテムになりそうです。

1 2