肩関節のインナーマッスル「ローテーターカフ」とは。役割と鍛え方│トレーナー監修 (1/2)
人間には、カラダを動かす筋肉が400個以上も存在します。その中には大きな力を発揮する代表的な筋肉だけでなく、聞いたことがないような小さな筋肉もたくさん含まれています。とくに肩関節のまわりには、たくさんの筋肉が付着しています。
ここでは肩まわりの小さな筋肉、そして肩関節の動きに関わる重要な筋肉である「ローテーターカフ(回旋筋腱板)」について解説します。
ローテーターカフ(回旋筋腱板)とは
ローテーターカフは、肩甲骨と腕の骨である上腕骨をつないでいる筋肉の総称です。「回旋筋腱板(かいせんきんけんばん)」とも呼ばれます。
ローテーターカフの筋肉は、この4つ。
- 棘上筋(きょくじょうきん)
- 棘下筋(きょくかきん)
- 肩甲下筋(けんこうかきん)
- 小円筋(しょうえんきん)
深層にあるため、肩のインナーマッスルとして紹介されることが多い筋肉となります。
この筋肉は細く弱いですが、スポーツ動作はもちろん、日常生活でも大きな役割を果たしています。
ローテーターカフの役割
ローテーターカフにはどのような役割があるのでしょうか。
肩甲骨と上腕骨をつないでいる関節「肩甲上腕関節(けんこうじょうわんかんせつ)」の形状は球関節に分類され、さまざまな方向に動くことができます。そのため、腕を自由自在に動かすことができるのです。
さまざまな方向に動く一方、問題点もあります。それは、安定性が悪く関節が外れやすいこと。おそらく「脱臼」と聞くと、肩の関節が抜けたというイメージが多いかと思います。
ローテーターカフは、そんな安定性の悪い肩甲上腕関節をスムーズに動くよう安定させる役割を持ちます。
ローテーターカフを鍛えないと、ケガのリスクが高まる
ローテーターカフも筋肉ですから、鍛えなければ衰えます。ローテーターカフが弱くなれば、その分だけ肩関節の安定性が悪くなるということです。
日常生活程度であれば心配はありませんが、スポーツ競技となれば話は別。ケガのリスクが高くなり、パフォーマンスの低下をもたらします。
また、日常生活においてもローテーターカフの筋力低下はデメリットがあります。肩の動きが悪くなり、肩こりのような痛みの原因に繋がります。
そのため、ローテーターカフのトレーニングは欠かすことなく取り組んだほうがよいでしょう。
ローテーターカフを鍛えるエクササイズ
ケガや肩こりのような痛みを予防するために、ローテーターカフを鍛えましょう。次ページでローテーターカフの筋トレ3種類とポイントを詳しく解説します。