公園で筋トレ│鉄棒(チンニング)トレーニングでマッチョな体を作る (1/2)
新型コロナウイルスによって大きな打撃を受けたビジネスは数多くあり、スポーツジムもそのひとつです。アメリカでは『Gold’sGym(ゴールドジム)』や『24HourFitness』などの大手チェーンが相次いで破産宣告しており、休業や廃業に追い込まれた中小経営のジムは後を絶ちません。なおも悪いことに、『TIME』誌ではジムが再開した後でも戻ってこない利用者が25%以上にもなると報じています(*1)。
伝統的なジムに代わって業績を大きく伸ばしているのが、自宅用のトレーニング器具やオンライン・クラスを提供する会社です。固定自転車(約30万円)と月ごとの定額制で無制限にストリーミングできるオンライン授業(約5千円)を組み合わせた高額サービスで有名なPeloton社は、2020年の初めには約30ドルだった株価が8月3日には72.68ドルに達しました。
とはいえ、誰もが自宅に筋トレを行える広さのスペースを持ち、高価な器具を購入できるわけではありません。米国より住宅事情が悪い日本ではなおさらでしょう。しかし、私たちには公園があります。ジムが閉鎖されている、あるいは自宅が狭くても、公園の遊具で筋トレに励むことができます。
今回は公園の鉄棒を利用したワークアウトを紹介しましょう。
懸垂を連続して5回以上できる人=中級者
鉄棒を使った筋トレといえば、多くの人はまず懸垂を頭に思い浮かべるでしょう。鉄棒にぶら下がり、顎が鉄棒の上に来るまで体を持ち上げる。それが懸垂です。懸垂をひたすら何回も繰り返し、限界に挑むのもひとつの筋トレ方法ですが、懸垂に他の動作を組み合わせることで、筋トレのパターンは無限になります。
ここでは懸垂を連続5回以上できる人を中級者として、さらに難易度や強度を上げたワークアウトを紹介します。まだそのレベルに達していない人は、以下の関連記事を参照してください。
関連記事:懸垂(チンニング)ができない人のトレーニング方法。まずは「ぶら下がり」から挑戦
ワークアウト1 Cindy(シンディ)
クロスフィットの代表的な自重ワークアウトです。「懸垂5回+腕立て伏せ10回+自重スクワット15回」を1セットとし、20分間で何セットできるかを競います。全身の筋肉を鍛えることが可能です。中級者なら10セット、上級者なら20セットを目標にしてください。
▲懸垂5回。顎が鉄棒の上に来るまで体を上げる。下がるときは腕を完全に伸ばす。
▲腕立て伏せ10回。胸を地面に着ける。
▲スクワット15回。お尻を膝と平行かそれより低い位置まで下ろす。
ワークアウト2 バーピー&懸垂
鉄棒の下でバーピーを行い、ジャンプした時に鉄棒を握って、そのまま懸垂を行います。筋力を鍛えるというよりは、心肺能力や瞬発力などの運動能力の向上を目的にしたワークアウトです。
回数は自由に選べます。かつてクロスフィットでは、この「バーピー&懸垂」を100回、時間無制限で行うというワークアウト“G.I.JANE”が発表されたことがありました。休みながら行うとしても完遂するだけで上級者と呼べそうです。プロ級のアスリートなら、10分以内に終わらせてしまう人もいます。
▲バーピーで胸を地面に着け、立ち上がると同時にジャンプする。下りるときは真下に着地しないと、時間をロスしてしまう。
鉄棒を使ったエクササイズは懸垂だけではありません。クロスフィットのワークアウトでは、以下のエクササイズが頻繁に出てきます。どの動作も鉄棒からぶら下がり、完全に腕を伸ばした状態から始まるものです。
ワークアウト3 Toe-To-Bar(トー・トゥー・バー)
鉄棒にぶら下がり、両足を持ち上げてつま先で鉄棒にタッチ。これを繰り返します。腹筋と握力を同時に鍛えることが可能です。
ワークアウト4 Chest-To-Bar(チェスト・トゥー・バー)
懸垂の上級者バージョンです。通常の懸垂は顎を鉄棒の上に持っていきますが、ここでは胸が鉄棒に当たるまで体を持ち上げます。
ワークアウト5 BarMuscleUp(バー・マッスルアップ)
鉄棒にぶら下がった状態から、上半身全体を一気に鉄棒の上へと持ち上げます。体操競技で行う「蹴上がり」から、「蹴る」動作を省いたものをイメージするとよいでしょう。クロスフィットで行うエクササイズの中では、もっとも難易度が高いもののひとつ。筋力はもちろんですが、全身の瞬発力と連動性が求められます。