フィットネス
2024年5月7日

公園で筋トレ│生半可なマッチョじゃできない!鉄棒トレーニング (2/2)

ステップ2 跳ね上げ

体を持ち上げる動作ですが、通常の懸垂とは異なり、体の重心を一気にバーへ近づけます。腕や肩の力だけに頼らず、体幹の瞬発力を発揮させることが重要です。

曲げた膝をバーにぶつけるような感覚で行うとよいでしょう。膝が低い位置のままだと重心がバーから遠くなり、次からのステップが困難になります。

なんとかバー・マッスルアップができても、片腕ずつ鉄棒をよじ登るような動き(チキン・ウイングと呼びます)になってしまう人が見られます。その場合、多くは跳ね上げ不足が原因です。

ステップ3 ディップへの移行

重心がバーの上に来たと感じた瞬間に腕を後方に伸ばしながら、頭部をバーの前方に移動させましょう。頭部は体で一番重い部分ですので、これを前方に動かすことで重心も移動します。

この移行のタイミングがもっとも重要で、難しい部分です。

体はバーの上にまで持ち上がっているのにバー・マッスルアップが成功しない人は、子ども用の低い鉄棒を使って練習してみてください。移行の感覚を身につけやすくなります。

低い鉄棒がなければ、下に台を置いてもよいでしょう。

▲低い位置からジャンプしてフィニッシュの姿勢に移る。頭部をバーの前方に移動させる感覚とタイミングを掴む練習法。

ステップ4 フィニッシュ

肘と膝を完全に伸ばしきります。頭部がバーの前方にあることに注目してください。

バー・マッスルアップを連続して行うときは、下りるときにバーのやや後方に足を伸ばすと、次のスイングにスムーズな勢いを繋げることができます。

このように、バー・マッスルアップはかなり複雑な動作です。習得するには練習するしかありませんが、疲れた状態で練習しても効果は上がりません。

バー・マッスルアップそのものの練習は1回につき10~15分ぐらいに留め、残りの時間は懸垂やディップで筋力を強化することをおすすめします。

吊り輪でもトライしてみよう

なお、吊り輪(リング)を使って行うこともあり、そちらは「リング・マッスルアップ」と呼ばれます。リング・マッスルアップはできるようになっても、バー・マッスルアップはできないという人もかなり見られます。

リングは自分の好きな位置にある程度動かすことができますが、バーは動きません。自分の体を適切な位置に動かさなくてはいけないため、リングより難易度が高いと言えます。

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筆者プロフィール

角谷剛(かくたに・ごう)

カリフォルニア在住。公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、コーチング及びスポーツ経営学修士(コンコルディア大学)、CrossFit L1 公認トレーナー、TVT高校クロスカントリー部監督、ラグナヒルズ高校野球部コーチ。著書に『大人の部活―クロスフィットにはまる日々』(デザインエッグ社)がある。
公式Facebook

<Text & Photo:角谷剛>

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