ケーブルトライセプスプレスダウンの使い方・やり方
「トライセプスプレスダウン」は、腕の裏側“上腕三頭筋”を鍛える代表的なマシン筋トレです。動作自体も簡単なため、トレーニングメニューに取り入れている人は多いでしょう。
今回は、ケーブルで行うトライセプスプレスダウンについて、正しく行うための姿勢やフォーム、効果的なやり方のほか、アタッチメント、握り方まで解説します。
トライセプスプレスダウンのフォームと動き
まずは、トライセプスプレスダウンの動作を確認しましょう。
1)ケーブルマシンの前に立つ。アタッチメントは、ストレートバーやトライセプスVバーを使用
2)ケーブルを一番上にセットし、バーは順手で握る
3)肘が前後に動かないように固定したまま、肘を伸ばしていく
4)肘を伸ばしきったら、ゆっくりと元の位置に戻していく
5)この動作を繰り返す
トライセプスプレスダウンで押さえておくべきポイント
トライセプスプレスダウンで注意したいポイントを解説していきます。
肘はしっかり固定させる
動作中は肘が動かないよう、しっかり固定して行いましょう。肘が動くと、上腕三頭筋の負荷が他へ逃げてしまいます。
初心者の場合、脇腹のあたりに肘を置いて動作しているのをよく見かけます。肘が固定できない場合は脇を締め、脇腹よりも前方に肘を置き、カラダで固定させながら行うとよいでしょう。
上体の角度は変えない
トライセプスプレスダウンは、基本的に上半身を少し前傾した姿勢で行います。動作中も角度を変えないようにしましょう。
また、動作中に腰が反ってしまう人がいるかもしれません。腰が反ると、腰部への負担が増えるほか、上腕三頭筋へ刺激が少なくなります。
お腹に力を入れて、前傾姿勢を保ちながら動作を行ってください。
手首を返さない
バーがフィニッシュのポジションまで下ろしていくにつれて、手首が返ってしまう(背屈)人が少なくありません。
しかし手首が返ってしまうと、上腕三頭筋への刺激が逃げてしまいます。動作中は常に手首がまっすぐ、もしくは軽く掌屈した状態で動作を行いましょう。
どうしても手首が返ってしまう人は、バーの握り方をチェックしてみましょう。手のひらの指側でバーを握ると、手首が返りやすくなります。
手のひらの中央、手首側でバーを握るようにすると、手首が返りにくくなります。
動作スピードをコントロールする
バーを戻すときに力を抜いてすばやく戻してしまうと、上腕三頭筋への負荷がなくなるほか、反動を使いがちになります。
戻すときも上腕三頭筋に負荷がかかっているのを感じながら、ゆっくり戻しましょう。
トライセプスプレスダウンの効果を高める方法
ここでは、トライセプスプレスダウンのバリエーションをご紹介します。
立ち位置を変えてみる
ケーブルマシンからどれくらい離れるかによって、刺激が変わります。これは、立ち位置の違いでケーブルを引く角度が変わるからです。
動作がやりやすい立ち位置を探してみてください。
肘の位置を変えてみる
肘の固定する位置をオーソドックスな脇腹だけでなく、少し前や後ろに固定したりすることでも刺激が変わります。これは、肩の角度が変わるためです。
各個人の行いやすさや効いている感じを確認しながら調整してみましょう。
バーの握り方を変えてみる
バーを握る手幅によって、刺激の入りやすい部分が変わります。
手幅を広めにしてバーを握ることで外側頭に、手幅を狭めに握ることで内側頭に刺激を入れることが可能です。
また、バーを逆手で握ると内側頭を意識しやすくなるでしょう。
さらに、グリップの握り方でも違いが現れます。
親指をバーに回してしっかり握るサムアラウンドグリップと比べ、親指を握らず他の4本で握るサムレスグリップの方が上腕三頭筋を意識しやすかったり、動作を行いやすい人も多いようです。
しかし、親指を握らないことで手が滑るなどした場合、バーがすっぽ抜けることも考えられます。サムレスグリップで行う場合は十分に注意してください。
アタッチメントを変えてみる
トライセプスプレスダウンで使うアタッチメントは、ストレートバーだけでなくVバーやロープなど多様です。アタッチメントを変えるだけで刺激を変えることができます。
ストレートバーは重い重量を扱えますが、手首が返ったり、窮屈さを感じる人がいます。そのような場合は、曲がっているVバーを使ってみましょう。
Vバーは脇を締めやすく手首も返りにくいため、初心者にもオススメできるアタッチメントです。また、上腕三頭筋長頭への刺激を増やしたいのであればロープがオススメです。
注意ポイントを守りながら、自分に合った立ち位置や肘の位置などを試行錯誤しつつ、上腕三頭筋をトライセプスプレスダウンで鍛えてみてください。
著者プロフィール
和田拓巳(わだ・たくみ)
プロスポーツトレーナー歴16年。プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院での治療サポートの経験もあり、ケガの知識も豊富でリハビリ指導も行っている。医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師を務めること多数。テレビや雑誌においても出演・トレーニング監修を行う。運営協力メディア「#トレラブ(https://tr-lv.com/)」などで多くの執筆・監修を行い、健康・フィットネスに関する情報を発信している。日本トレーニング指導者協会 JATI-ATI
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<Text:和田拓巳/Photo:Getty Images>