フィットネス
2020年12月20日

いつもの筋トレに飽きたら「オリンピックリフティング(クイックリフト)」でトレーニング効果を引き上げる (2/2)

オリンピックリフティングのメリット

 オリンピックリフティングをトレーニングにとり入れるメリットを確認してみましょう。

筋力を爆発的に発揮させる能力が向上する

 オリンピックリフティングはウエイトトレーニングと異なり、一気に力を発揮するトレーニングです。ゆっくり動作を行うやり方はありません。そのため、オリンピックリフティングをトレーニングに取り入れることで、ジャンプやダッシュ、切り返し能力など、瞬間的に爆発的に筋力を発揮する能力である「瞬発力」の向上が期待できます。

全身の筋肉を一度に鍛えることができる

 オリンピックリフティングは、カラダ全体を使って重いウエイトを持ち上げます。ウエイトトレーニングのように目的としている筋肉だけを鍛えるわけではないので、一度に全身の筋肉を刺激することが可能です。

アスリートのトレーニングにも効果的

 爆発的筋力の向上や全身の強化だけでなく、体幹部の強化、全身の筋肉の協調性をとることができるため、アスリートにこそ積極的に行ってもらいたいトレーニングです。実際に重いウエイトを扱うことのない球技系スポーツのプロアスリートでも、オリンピックリフティングをトレーニングに組み込んでいる人は少なくありません。

重いものを持ち上げたときの達成感

 競技として行わずとも、今まで持ち上げられなかった重量を持ち上げることができたときは、大きなよろこびや達成感を味わうことができるでしょう。これも、オリンピックリフティングの魅力のひとつです。

オリンピックリフティングのデメリット

 メリットの多いオリンピックリフティングですが、もちろんデメリットもあります。

動作が難しい

 オリンピックリフティングの最大のデメリットは、動作が難しいということ。そのため、きちんと指導できる人がいないと正確に行うことができません。ジムのインストラクターやトレーナーでも、オリンピックリフティングの指導経験がない人は多いでしょう。

 また、基礎筋力が少ない、柔軟性が少ない場合、うまく動作を行うことができません。オリンピックリフティングに取り組んでみたい人は、ある程度トレーニングを行い、そのうえで知識のある指導者に教えてもらう必要があります。

カラダへの負荷が大きい

 オリンピックリフティングはカラダへの負荷が大きいため、頻度が高すぎると関節などを痛めることがあります。また、集中力が必要なトレーニングですので、ケガのリスクも高いといえるでしょう。

 ただし、これらはカラダの状態に十分気をつければ防ぐことが可能です。がむしゃらに行うのではなく、カラダへの負担を理解して取り組むようにしましょう。

施設がない

 民間のスポーツクラブでは、バーベルを落とすなどの行為を禁止している場合があります。そのため、オリンピックリフティングを効果的に行える環境がないかもしれません。オリンピックリフティングを行いたいなら、事前にジムへオリンピックリフティングが行えるかどうか確認してみましょう。

 オリンピックリフティングは一見すると力自慢の単純そうな競技ですが、実はかなり奥が深いものです。オリンピックリフティングを知り、実践することで、オリンピックでの重量上げもより楽しんで観戦できるでしょう。

[筆者プロフィール] 
和田拓巳(わだ・たくみ)
プロスポーツトレーナー歴16年。プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院での治療サポートの経験もあり、ケガの知識も豊富でリハビリ指導も行っている。医療系・スポーツ系専門学校での講師のほか、健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師を務めること多数。テレビや雑誌においても出演・トレーニング監修を行う。現在、さまざまなメディアで多くの執筆・監修を行い、健康・フィットネスに関する情報を発信している。日本トレーニング指導者協会(JATI-ATI)の認定トレーニング指導者
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<Text:和田拓巳/ Photo:三河賢文>

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