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筋持久力を高める筋トレ方法。“低重量・高回数”が効果的

 筋トレのプログラムを作るときは、目的に応じて挙上重量、回数、セット数、休憩時間などを決めます。筋肉を大きくしたい、あるいは最大パワーや瞬発力を向上させたい場合は、“高重量・低回数”でセット間の休憩を長く取るといった具合です。

 たとえば、「筋肉を効率的に増やす筋トレ方法「ストロングリフト5×5」とは」で紹介した『StrongLifts 5×5メソッド』は、その典型的な例です。5回を1セットとしてセット間の休憩は90~180秒とたっぷり取り、毎セットごとに最大パワーを発揮できるようにするやり方です。

 今回は、筋持久力アップを目的とする筋トレメニューを紹介します。

筋持久力を高める筋トレのポイント

◆低重量・高回数で行う

 筋持久力を高めたい場合は、原則的に“低重量・高回数”でセットを組むのが一般的です。低重量とは最大挙上重量(1RM)の65%以下、高回数とは12回以上、それを3~5セットぐらいが目安です。

・低重量=最大挙上重量(1RM)の65%以下
・高回数=12回以上
⇒これらを3~5セット行う

 器具を用いなくても、自重筋トレ(腕立て伏せやスクワットなど)を高回数で行うことも、立派な筋持久力トレーニングです。

 どちらのトレーニングにせよ、高回数の筋トレを行うときには注意点があります。

疲れてくる後半、フォームの乱れに注意

 1つ目は、疲れが溜まってきたときにフォームが乱れやすくなること。あるいは単純にズルをしてしまいがちなことです。

 たとえば、12回5セットというプログラムを組んだとしましょう。1~2セット目は正確なフォームでできたとしても、後半になると困難になってきます。

 スクワットだと十分な低さまでしゃがめなくなる(あるいはしゃがまなくなる)、ベンチプレスではバーを胸まで下ろせなくなる(あるいは下ろさなくなる)など、同様の経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか。

 そうなると後半はただ回数を数えているだけになってしまい、疲労困憊になる割にトレーニング効果は小さくなります。さらに、下手をするとケガの原因にも繋がりかねません。

▲スクワットなら最後の1回まで、腰をヒザと同じ高さまで落とすことが重要

◆負荷設定が難しい

 2つ目は、適切な挙上重量や回数を設定しづらいことです。最後まで正確なフォームを保つことができたとしても、負荷が軽すぎては、やはり十分なトレーニング効果を上げることができません。

 腕立て伏せを例に解説しましょう。腕立て伏せを休みなしに100回連続で行える人はかなりの筋持久力の持ち主です。しかし、20回を5セットに分割してセット間に休憩を入れるやり方なら、合計で100回の腕立て伏せをこなせる人は増えるでしょう。さらに細かく5回を20セットにしたら、さらに増えるはずです。

筋持久力を高める筋トレのやり方

「E.M.O.M.」

 ここでおすすめしたいのが「E.M.O.M.」と呼ばれる筋トレ方法です。「Every Minute On Minute(エブリー・ミニット・オン・ミニット)」の略で、1分を1セットとして、毎分開始時に1セットを行い、1分間に残った時間を休憩にあてます。

 腕立て伏せ5回x20セット(合計100回)の場合、“20 E.M.O.M. of 5 Push-ups”と表記します。

 時計の秒針が「12」になったらセットを開始します。腕立て伏せを5回行うのに、普通なら10秒もかからないので、残り50秒は休憩です。そして秒針が「12」に戻ったら2セット目を開始し、これを20セット繰り返します。つまり、所要時間は20分です。

▲秒針が12を指したときに次セットをスタート

1. 最初の1分間
⇒腕立て伏せを5回行う(残りの時間は休憩)

2. 次の1分間
⇒腕立て伏せを5回行う(残りの時間は休憩)

※上記を20回繰り返す

▲20セット繰り返す

 セットが後半になるにつれ、疲れにより腕立て伏せを行う速度が落ち、休憩時間が短くなっていくでしょう。大切なことは、最後のセットの最後の1回までフォームを妥協しないことです。

 これらを問題なくこなせるようになったら、1セット内の回数を調整します。10回x10セット(10 E.M.O.M. of 10 Push-ups)を試してみてください。合計回数は同じ100回でも、難易度はかなり違ってくることがわかるでしょう。

 E.M.O.M.は、さまざまな筋トレ動作で取り入れることができますが、どの動作でも、正しいフォームでこなせる回数を設定することがもっとも重要です。

 なお、筋持久力アップを目的とする場合は、目安としては1セット内の休憩時間が20秒を下回らない方がよいでしょう。それ以上の回数にしてしまうと(=運動時間が長くなると)、次のセットまでに呼吸を整えることができません。そのため、筋持久力よりむしろ心肺トレーニングの比重が大きくなります。

20-10-10メソッド

 バーベルスクワットやベンチプレスなど、重量を増減しやすい筋トレ種目におすすめのプログラムが「20-10-10メソッド」です。

 1セット目の挙上回数を20回、2セット目を10回、そして3セット目を10回、3セットとも同じ重量で行います。このプログラムを1種目につき週1回、徐々に重量を増やしながら8~12週間継続します。

 初日は最大挙上重量(1RM)の50%で試してみてください。仮にバーベルスクワットの1RMが100キロなら、初日の設定重量は50キロです。

関連記事:筋肥大を狙う筋トレに必須の指標「1RM(最大挙上重量)」とは?正しい測定方法を解説

 もし難しいと感じる場合、設定重量を軽めに変更してください。ここでも大切なのが、最後の20回目まで正確なフォームと安定したペースを保つこと。呼吸も止めないようにしましょう。1セット目の目的は、フォームの習得と、使用する筋肉を目覚めさせることです。

 このプログラムの目的は筋持久力の向上ですので、セット間の休憩をあまり長くは取りません。基本は1分間、長くても2分以内で次のセットに移ります。

 2セット目の段階で、筋肉はすでにかなり疲労しており、フォームとペースを保つことは難しいでしょう。しかし、同じ重量で挙上回数は前回の半分。心理的には少し楽に感じるかもしれません。

 さらに3セット目は、肉体的にも精神的にかなり追い込まれたように感じるでしょう。ここで力を振り絞り、フォームを妥協せずにやり遂げてください。筋肉の限界まで追い込むことを「オールアウト」と呼びますが、2セット目の目的はまさにそれです。

 筋トレの原則のひとつである「漸進性の原則」に従い、少しずつ負荷を高めていきます。しかし無理は禁物です。このプログラムはかなり強度が高いので、前述の通り1種目につき週1回に留めましょう。そして、増やす重量は前回の5%以内に設定してください。

 上記の例であれば、2週目の設定重量は「最大で」50キロ×1.05=52.5キロになります。最後まで正確なフォームで行うことができなかった場合、次週は重量を5%減らして再挑戦してください。

[筆者プロフィール]
角谷剛(かくたに・ごう)
アメリカ・カリフォルニア在住。IT関連の会社員生活を25年送った後、趣味のスポーツがこうじてコーチ業に転身。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー部監督を務める。また、カリフォルニア州コンコルディア大学にて、コーチング及びスポーツ経営学の修士を取得している。著書に『大人の部活―クロスフィットにはまる日々』(デザインエッグ社)がある。
【公式Facebook】https://www.facebook.com/WriterKakutani

<Text & Photo:角谷剛>

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