重いものを持って歩くだけ!「ファーマーズ・キャリー」ってどんなトレーニング? (3/3)
ファーマーズ・キャリーで鍛えられる筋肉
ファーマーズ・キャリーは全身運動です。広範囲の筋肉を、持久力とパワーの両面に渡って鍛えることができます。鍛えることができる主な箇所は以下です。
大腿四頭筋
太ももの前面の筋肉で、モノを地面から持ち上げるときには瞬間的なパワーを発揮します。ヒザの関節を安定させ、歩みを止めるときにはブレーキの役目を果たします。
ハムストリングス
太ももの裏側の筋肉です。大腿四頭筋とは表裏の関係にあり(主動作筋と拮抗筋と呼びます)、片方が伸びたときにもう片方が縮みます。ハムストリングスは前に進む動きのときに主要な役目を果たします。
臀部
お尻の筋肉で、モノを持ち上げるときに瞬間的なパワーを発揮します。歩いている間は股関節を支える働きをします。
下腿三頭筋
ふくらはぎの筋肉です。歩くときに足首を支えます。
広背筋
背中から脇腹にかけてついている筋肉です。重量負荷に抵抗し、体軸をまっすぐに保つうえで重要な働きをします。
脊柱起立筋
脊椎を支える筋肉群です。体幹を安定させるうえで重要な役目を果たします。
僧帽筋
背中の上から肩と首の後ろまでの筋肉です。肩関節を支えます。
腹筋
体幹を支える重要な役目を果たします。
上腕二頭筋
腕の内側、いわゆる「力こぶ」部分の筋肉です。肘関節を守り、握力にも大きく関係します。
上腕三頭筋
腕の後ろ側の筋肉です。上腕二頭筋とともに腕全体を支えます。
ファーマーズ・キャリーの効果とは
ファーマーズ・キャリーはありとあらゆるスポーツに有益であるうえ、消費カロリーも大きい動作ため、ダイエットにも向いています。
昔の人は、モノを持ち上げて運ぶという動作を日常的に行っていたのでしょう。しかしながら、今は長時間のデスクワークにくわえ、スマホより重いモノを持つことがないような生活をしがちな現代人は、ファーマーズ・キャリーといったトレーニングのように、そうした昔の日常動作を意図的に行う必要があると言えます。ぜひ日々のトレーニングに取り入れてみてはいかがでしょうか。
[筆者プロフィール]
角谷剛(かくたに・ごう)
アメリカ・カリフォルニア在住。IT関連の会社員生活を25年送った後、趣味のスポーツがこうじてコーチ業に転身。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー部監督を務める。また、カリフォルニア州コンコルディア大学にて、コーチング及びスポーツ経営学の修士を取得している。著書に『大人の部活―クロスフィットにはまる日々』(デザインエッグ社)がある。
【公式Facebook】https://www.facebook.com/WriterKakutani
<Text & Photo:角谷剛>