ヘルス&メンタル
2024年9月27日

疲れが取れないのは「脳疲労」が原因かも。専門家に聞いた、脳の疲れを回復させる方法 (2/5)

「もっとも注意したいのは、ITやコンピュータ関係の仕事についている人です。適応している人は別ですが、IT関係者はとくに脳疲労が強い傾向にあります。現代は脳疲労になりやすい要素が多くあります」(澤⼝先生)

なんとなくテレビを見ながらスマホをチェックしている人も多いのでは。また、とくに目的もなくSNSやサイトでニュース記事をチェックしている人も。こうした『漠然と情報を受けとる』習慣も、脳疲労の要因につながるといいます。

「ぼーっとしている中でちらちら情報が流れていると、脳はとても疲れます。たとえば、ぼーっとしながらニュースサイトを漠然と見ているのもそうです」(澤⼝先生)


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スマホやパソコン、SNS。生活に欠かせないものばかりです。ほとんどの人が脳疲労に陥っているのではと感じますが、むしろ脳疲労を起こしていない人はいるのでしょうか。

「います。脳疲労が起きやすい状況をコントロールして、睡眠をきちんと取れている人です。睡眠時間や起きるタイミングには個人差はありますが、基本は『よい睡眠がとれているかどうか』が大切です。よい睡眠というのは寝始めが重要で、しっかりと深い睡眠(ノンレム睡眠)に入らないといけない。睡眠脳波でいうともっとも深い眠りです。その後は徐々に浅くなり、起床していきます。寝始めに深い睡眠に落ちるためには、寝室の明かりを真っ暗にして寝たほうがよいです」(澤⼝先生)

昔は、真っ暗闇で寝るより、少し明かりをつけて寝たほうがよいという話もありましたが、とくに苦手意識がないのであれば、寝るときは間接照明なども消したほうがよさそうです。

ほぼ毎日、中途覚醒をしてしまう筆者。睡眠の質が悪いのではと悩んでいますが、この中途覚醒も脳疲労の症状に挙げられるそう。

「途中で目が覚めるのも脳疲労の症状のひとつです。目が覚めたとき、金縛りのような状態になるとさらによくありません。金縛りになればなるほどうつ病や脳疲労が疑われます」(澤⼝先生)

脳が疲れているとうまく寝られず、それが脳疲労を引き起こしやすくさせ、ますます眠れなくなるという悪循環につながるとのこと。

女性のほうが脳が疲れにくい

また、疲れには男女差があり、おおむね女性のほうが脳が疲れにくいという研究もあるのだとか。

「疲れにジェンダー差があるのは間違いないです。基本、女性のほうが有利という報告があります」(澤⼝先生)

また、脳疲労、とくに脳の若々しさは顔つきにも表れるとのことで、たとえば実年齢が45歳の人でも脳年齢が60歳だと、見た目が実際よりも老けて見えることがあるそう。

同じ年齢でも、脳年齢が違うだけで見た目がまったく違って見えるとは……脳の疲れにも留意したいところです。

脳疲労を解消する方法

さて、ここからは脳疲労を解消する方法を教えていただきました。澤⼝先生おすすめの対策術とは。

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