疲れが取れないのは「脳疲労」が原因かも。専門家に聞いた、脳の疲れを回復させる方法 (2/5)
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脳疲労とはどんな状態を指す?
脳疲労とは、医学的にどんな状態を指すのでしょうか。澤⼝先生によるとキーワードは“前頭前野”、現象的には“低酸素”と“神経炎症”、そして神経伝達物質の一種の“グルタミン酸の過剰”が挙げられると述べています。
「脳の疲労というのは、非常に難しく、研究が進んでいないもののひとつです。脳疲労のキーワードのひとつに『前頭前野』というのがあります。一番わかりやすいのは、酸素が減っている状態。低酸素が前頭前野の活動を低下させ、脳疲労状態を引き起こします。あとは神経炎症。たとえば脳の炎症によって脳の働きが鈍ってしまう『ブレインフォグ』も脳疲労に関係します。それも一種の脳疲労ですね。最近では、前頭前野に神経伝達物質の一種であるグルタミン酸が溜まると、脳疲労の状態になるということも分かってきました」(澤⼝先生)
ちなみに、運動で起こる疲れも前頭前野が関係しているといいます。
「アスリートが負荷の高いトレーニングを行って疲れているときは、認知機能が落ちています。低酸素状態で運動を続け、前頭前野の酸素量が減ってしまうと、自覚はないものの脳は疲れている状態になっています」(澤⼝先生)
自覚がなくても脳は疲労することがあると語る澤⼝先生。自覚がある場合、たとえばどのような症状が現れてくるのでしょうか。
「自分で気が付きやすい症状としては話すのが遅くなったり、怒りっぽくなる、仕事が遅くなる、注意が散漫する、よく眠れないなどです。また、アルコールを含むものをよく摂取するようになるなど食生活が変わる。うつ状態で、過剰に心配をするようになるなどがあげられます。現代は非常に疲労がたまっている人が多い状況ですね。認知機能のテストを行うと、脳が疲れているのかどうかがわかります」(澤⼝先生)
脳疲労になりやすい人、なりにくい人
現代人の多くが、脳疲労になりやすい状態である。では、具体的にはどういった人が脳疲労になりやすいのでしょうか。
「もっとも注意したいのは、ITやコンピュータ関係の仕事についている人です。適応している人は別ですが、IT関係者はとくに脳疲労が強い傾向にあります。現代は脳疲労になりやすい要素が多くあります」(澤⼝先生)
なんとなくテレビを見ながらスマホをチェックしている人も多いのでは。また、とくに目的もなくSNSやサイトでニュース記事をチェックしている人も。こうした『漠然と情報を受けとる』習慣も、脳疲労の要因につながるといいます。
「ぼーっとしている中でちらちら情報が流れていると、脳はとても疲れます。たとえば、ぼーっとしながらニュースサイトを漠然と見ているのもそうです」(澤⼝先生)
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スマホやパソコン、SNS。生活に欠かせないものばかりです。ほとんどの人が脳疲労に陥っているのではと感じますが、むしろ脳疲労を起こしていない人はいるのでしょうか。
「います。脳疲労が起きやすい状況をコントロールして、睡眠をきちんと取れている人です。睡眠時間や起きるタイミングには個人差はありますが、基本は『よい睡眠がとれているかどうか』が大切です。よい睡眠というのは寝始めが重要で、しっかりと深い睡眠(ノンレム睡眠)に入らないといけない。睡眠脳波でいうともっとも深い眠りです。その後は徐々に浅くなり、起床していきます。寝始めに深い睡眠に落ちるためには、寝室の明かりを真っ暗にして寝たほうがよいです」(澤⼝先生)
昔は、真っ暗闇で寝るより、少し明かりをつけて寝たほうがよいという話もありましたが、とくに苦手意識がないのであれば、寝るときは間接照明なども消したほうがよさそうです。

ほぼ毎日、中途覚醒をしてしまう筆者。睡眠の質が悪いのではと悩んでいますが、この中途覚醒も脳疲労の症状に挙げられるそう。
「途中で目が覚めるのも脳疲労の症状のひとつです。目が覚めたとき、金縛りのような状態になるとさらによくありません。金縛りになればなるほどうつ病や脳疲労が疑われます」(澤⼝先生)
脳が疲れているとうまく寝られず、それが脳疲労を引き起こしやすくさせ、ますます眠れなくなるという悪循環につながるとのこと。
女性のほうが脳が疲れにくい
また、疲れには男女差があり、おおむね女性のほうが脳が疲れにくいという研究もあるのだとか。
「疲れにジェンダー差があるのは間違いないです。基本、女性のほうが有利という報告があります」(澤⼝先生)
また、脳疲労、とくに脳の若々しさは顔つきにも表れるとのことで、たとえば実年齢が45歳の人でも脳年齢が60歳だと、見た目が実際よりも老けて見えることがあるそう。
同じ年齢でも、脳年齢が違うだけで見た目がまったく違って見えるとは……脳の疲れにも留意したいところです。







