ドラマ「陸王」で話題に。“裸足”の健康効果&足袋ランニングシューズ開発秘話まとめ (1/2)
池井戸潤原作の小説「陸王」がドラマ化し、”裸足”感覚シューズが脚光を浴びています。ランニングを含め、運動時のパフォーマンスを左右するシューズですが、自分の足にぴったりフィットするシューズ探しって、意外と難しかったりしますよね。サイズ自体は合っているのにつま先側面部分がキツイだとか、足首回りにシューズの縁が擦れて痛いだとか。靴擦れや怪我の原因にもなりますので、シューズ選びは神経質なまでに慎重に行いたいものです。
MELOSでは以前より、裸足ランニング(ベアフットランニング)や裸足感覚で走れる足袋シューズの記事を取り上げてきました。裸足で運動をする健康効果や、足袋タイプのランニングシューズ紹介など、「裸足」に興味を持つ人にとって役立つ記事をまとめてみました。
ランナー界隈でじわじわ人気の「裸足」
裸足運動といえば子どもの教育現場でよく行われていますが、大人も「裸足で走る」健康効果に改めて注目してきています。普段は靴のソールによって保護されている足の裏ですが、シューズのクッション性に頼れば頼るほど、そのシューズなしでは歩けなくなります。これをランニングに置き換えてみると、筋力や関節、バネなどもそのランニングシューズに沿ったレベルでしか発達しなくなる可能性も否定できません。そのため、裸足で走り、脚全体の強化を狙う意識が高まっています。
そして、裸足で走ることで足裏に直に衝撃が伝わるので、なるべく痛くない走り方、体に負担が少ない走り方をしようとランニングフォームを改善するきっかけにもなります。
実践者は語る!“裸足での運動“がもたらすメリット | 健康, トレーニング×スポーツ『MELOS』
「足育」は教育現場でも導入されている
北海道空知郡にある中富良野中学校を例に、裸足で運動をする効果を見ていきましょう。裸足縄跳びや裸足鬼ごっこを行ったところ、子どもたちの体力運動能力テストで平均スコアがアップ。特にシャトルラン、反復横跳び、そして長座体前屈のスコアが顕著に伸びたそうです。運動が苦手な子どもも、もともと運動ができる子どもと同じくらいにまでスコアが向上した例もあり、「運動能力アップと体力向上」が期待できると評判です。
子どもの身体能力をアップさせる“裸足”運動の効果って?教育現場の導入ケースを取材してきた | 子育て×スポーツ『MELOS』
大人も裸足で走りたい!
あちこちで話題となっている裸足ランニングですが、もともとは日本ベアフット・ランニング協会代表の吉野剛さんが提唱した考え方です。「裸足王子」と呼ばれる吉野さんは、海外留学に行った際、「ランニングすれば怪我するのは当たり前」という当時の常識に疑問を持ち、大学院で運動分析を専攻します。そこで裸足の怪我予防に対するポテンシャルを突き止め、裸足ランニング普及のための団体「日本ベアフット・ランニング協会」を設立するに至ります。
国内では「裸足ランニングクラブ」や「ベアフットマラソン大会」を開催し、海外でも活動の幅を広げています。
裸足ランニングに学ぶ“ホントの身体の使い方”。裸足王子・吉野剛ロングインタビュー | 健康, トレーニング×スポーツ『MELOS』
裸足でフルマラソンをしてみた
裸足でのフルマラソン日本記録を持つ高岡尚司(たかおか・しょうじ)さんは、鍼灸マッサージ師でありランニング指導も行う『ゼロベースランニング』の提唱者でもあります。昔は走っては怪我をして、リハビリを行うことを繰り返していた高岡さん。裸足でのランニング検証を重ね、筋肉を無駄遣いしない走り方「ゼロベースランニング」メソッドを確立させました。
ランニング中の怪我や後半のペースダウンは筋肉の無駄遣いにある。自らの身体を駆使して走り方やフォームの改善を行った結果、高岡さんのランニングフォームに変化が起き始めたようなのです。
裸足でのフルマラソン日本記録をマーク! 高岡尚司に聞く“ゼロベースランニング”の考え方 | トレーニング×スポーツ『MELOS』
裸足だと石やガラス破片が心配……そんな人には!
老舗足袋メーカー、きねや足袋株式会社の開発したランニング足袋『MUTEKI』。先ほどご紹介した高岡さんも開発に携わっています。裸足感覚のランニングシューズを求めていた高岡さんは、きねや足袋株式会社に協力を仰ぎ、約1年の打ち合わせを重ねながらランニング足袋『MUTEKI』を完成させました。
天然ゴムでできた5mmのアウトソールはまさに裸足の感覚で走ることができ、「裸足で走ってみたいけれど足の裏を怪我しないか心配」「なるべく裸足感覚で走れるシューズが欲しい」と考えるランナーからの注文が絶えません。
ランニング足袋「MUTEKI」の特徴とランナーに向けた思いとは | トレーニング×スポーツ『MELOS』