2023年9月21日

健康のためには1日どれくらい歩けばいい?「1日1万歩」は歩きすぎかも (2/2)

1日1万歩の目標がストレスになる可能性も

歩くことに限らず、体を日常的に動かすことで血圧や血糖値などの数値を改善し、心臓病など生活習慣病の罹病リスクも軽減できることは、もはや疑いのない周知の事実でしょう。

とはいえ、何があっても1日1万歩を歩くと目標を立て、その数字がプレッシャーになってしまうと精神衛生上よくありません。身体の健康にも、かえって害を与える可能性があります。

「雨の日も風の日も絶対に歩く」などと自分を追い込んでしまうと、歩いたものの、風邪を引いてしまった……なんてことがあるかもしれません。

もう少し気楽に、たとえば朝夕の通勤時や昼休みに少し遠回りをして歩いてみる。それくらいから始めた方が長続きしそうですし、それでも充分に健康効果はあるようです。

エレベーターを使わずに、階段を上りなさい」

あのブルース・リーが、約半世紀も前に残した名言を改めてご紹介しましょう。

「なるべく歩くようにしなさい。たとえば、目的地から数ブロック離れた場所に駐車するように。エレベーターを使わずに、階段を上りなさい」 ―『Tao of Jeet Kun Do/日本語訳名:秘伝截拳道への道』より 

あまり気追い過ぎず、できる運動から取り組んでみてください。

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(※)参考文献
Association of Step Volume and Intensity With All-Cause Mortality in Older Women.
Lee M. et. al. 2019

[筆者プロフィール]
角谷剛(かくたに・ごう)
アメリカ・カリフォルニア在住。IT関連の会社員生活を25年送った後、趣味のスポーツがこうじてコーチ業に転身。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー部監督を務める。また、カリフォルニア州コンコルディア大学にて、コーチング及びスポーツ経営学の修士を取得している。著書に『大人の部活―クロスフィットにはまる日々』(デザインエッグ社)がある。
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<Text:角谷剛>

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