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2023年10月18日

プロテインを飲みすぎるとどうなる?「痛風になる」という噂も[理学療法士監修] (2/4)

プロテインの飲みすぎで「死亡する」って本当?

結果から述べるとプロテイン(タンパク質)の過剰摂取は、腎機能を悪化させる可能性があり、最悪の場合死に至ります

タンパク質は体内で分解される過程で、尿素窒素などの毒素を産出します。これら毒素は腎臓の機能によりろ過され、尿として排出されます。もともと腎臓が悪い方は、そのろ過機能が正常に働かず、身体に重篤な悪影響を及ぼします。

肉や魚、卵などの食品からタンパク質を摂っている場合は、よほどのことがない限り過剰摂取になりません。しかし、人工的に作られたプロテインパウダーには多量のタンパク質が含まれているため、摂取量を間違えると過剰摂取となり腎臓に負担をかけることになります。

プロテインの飲みすぎで「病気になる」って本当?

腹痛に苦しむ女性

タンパク質の過剰摂取によって、腸内環境が乱れる可能性があります。腸内環境の乱れによって、さまざまな病気につながる可能性が考えられます。

人の腸管、主に大腸には約1000種類、100兆個にも及ぶ腸内細菌(腸内フローラとも呼ばれます)が生息しています。人の腸内細菌は、善玉の菌と悪玉の菌、そのどちらでもない中間の菌と、大きく分けて3グループで構成されています。これらの菌は、互いに密接な関係を持ち、複雑にバランスをとっています。

動物性タンパク質をたくさん摂ると、身体で吸収しきれなかったタンパク質が腸内で悪玉菌の餌となってしまい、悪玉菌が増え腸内環境の乱れにつながります。

プロテインの飲みすぎで「痛風になる」って本当?

プロテインの飲みすぎによって、痛風になる可能性は考えられます。しかし、この可能性はプロテインの種類や摂取量によって異なります

そもそも、痛風という病気には背後に「高尿酸血症」という病気が潜んでいます。高尿酸血症は、尿酸濃度が高い状態が続くことにより、血液に溶けきれなかった尿酸が結晶化して、関節や組織に溜まっていく病気です。関節に溜まった尿酸結晶に対して免疫細胞が反応して、炎症を引き起こして痛風となります。

痛風のメカニズム

痛風の原因となる高尿酸血症は、食生活が大きく関わってきます。

まず尿酸は、プリン体が分解されて作られます。プリン体は、高カロリーな食事やビールなどに多く含まれているというイメージがありますが、実はタンパク質の過剰摂取も尿酸の産生を増大させます。

白子

▲プリン体が多いのは、白子・レバー・ビールだけではなかった……!

大豆にもプリン体は含まれるため、大豆プロテインを飲んでいる場合は、痛風のリスクが上がりますが、牛乳を原料にしているホエイプロテインやカゼインプロテインにはほとんどプリン体が含まれていませんので、これらのプロテインを飲んでいる人はそこまで注視しなくて良いでしょう。

どれくらい?プロテインの飲みすぎ目安量

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