ウェルネスフード
2023年12月20日

「ガムを噛む」がダイエットに繋がる3つの理由。ロッテの研究結果から分かったこと

年末年始は飲み会や忘年会、イベントが続いて食生活が乱れやすいシーズン。お正月太りに関する調査(※1)によると、年末年始は66.3%の人が「体重が増えたことがある」、そして75.5%の人が「お正月太り解消ダイエットで失敗や挫折した」という結果が出ています。

挫折の理由として、“運動するのが面倒くさい”、“寒くて外に出たくない、動きたくない”、“空腹が耐えられない”が多く挙げられました。

そこで紹介したいのが「ガムを噛むこと」。ロッテの研究で、ガムを噛む行為でカロリー消費量がアップしたり、フェイスラインが引き上げられることが分かっています。

※参考:お正月太りに関する調査結果(オークローンマーケティング)

1.ガムを噛むことでカロリー消費量アップ!

ロッテが早稲田大学と共同で行った研究では、食後に20分間ガムを噛むことで、タブレットを摂取した場合と比較した食後のエネルギー消費量、糖質酸化量、食事誘発性体熱産生*などが4時間にわたって増加することが確認されました。

*:吸収された食事の栄養素の一部が体熱となって消費されるエネルギー

食事1回あたりの消費増加は平均19.2kcalですが、1日3食、1年間に換算すると、一般的なガムのカロリーを差し引いても、年間約2kgの体重抑制効果につながる可能性があります。

また別の研究では、歩行中にガムを噛むと歩行速度が増加し、カロリー消費が高まることや座ってる時にガムを噛むとカロリー消費が増加することも報告されています。

出典:日本咀嚼学会雑誌2022:32(2);71-79

このことについて、早稲田大学スポーツ科学学術院教授宮下政司先生はこう語っています。

「食後にガムを噛むことでカロリー消費量がアップすることがわかっています。カロリー消費量がアップすることで、体重の増加が抑制され、正月太りの対策になることが期待されます。運動不足になりがちな冬ですが、ぜひ取り入れてみてください」(宮下先生)

宮下政司(みやしたまさし)先生


早稲田大学スポーツ科学学術院運動代謝学研究室教授
2006年、英国Loughborough大学博士課程修了、博士号を取得。2006年、筑波大学大学院人間総合科学研究科研究員。2009年、早稲田大学スポーツ科学学術院研究院助教。2012年、東京学芸大学芸術・スポーツ科学系健康スポーツ科学講座准教授。2016年、早稲田大学スポーツ科学学術院准教授、2021年、同教授となり現在に至る。

2.ガムを噛むことで二重あごなどのフェイスラインに影響

ガムを噛むメリットは消費カロリーだけではありません。ロッテが実施した研究によると、ガムを噛んでいた人は噛まなかった人と比較して、左右のフェイスライン角度が上がったことがわかりました。

*:21-49歳代女性56名を対象に8週間にわたり、1回2粒×10分間のガム咀嚼を毎食前に1日3回行った

ガムを噛むことによる咀嚼筋などへの作用が、フェイスラインの引き締めや顎下のたるみに影響を及ぼした可能性が考えられます。

また、アンケート結果から、試験前と比較し、顔のラインや肌状態の改善を感じている割合がガムを噛んでいた人たちの方が多い結果も得られているそう。

このことについて、歯科衛生士の石野由美子先生は以下のコメントをしています。

「スッキリしたフェイスラインになるために、“ながら”で簡単にできる「ガムを噛むこと」がおすすめです! ガムを効果的に噛むことで、顔の筋肉の血流増加による肌のハリ・シワ改善やすっきりとした鎖骨ラインづくりも期待できます」(石野先生)

石野由美子(いしのゆみこ)先生


歯科衛生士。日本咀嚼学会認定健康咀嚼指導士。
日本口腔筋機能療法(MFT)学会副会長。日本成人矯正歯科学会理事。フェイスニング公認講師。
二子玉川ガーデン矯正歯科勤務。昭和大学歯科病院口腔機能リハビリテーション科に非常勤勤務し、
口腔機能障害に対する口腔リハビリテーションを専門に行う。著書に『愛され笑顔をつくる口元エクササイ
ズ「若返り! モデルスマイル塾」』(小学館)。

3.ガムを噛むことで食べ過ぎ防止にも繋がる

「よく噛んで食べること」よって満腹中枢が刺激され、食事の満足感を感じやすくなります。

そのため、食事の前に「ガムを噛む」を取り入れたり、食事中にいつもより「よく噛むこと」を意識すると、食べ過ぎの防止になるでしょう。

お正月太り予防はもちろんのこと、お腹は空いていないのに食べても食べても満たされない、そんなときの対策のひとつにもなりそうですね。

<Edit:編集部>