生理前のダイエットは意味ない?痩せない理由と「それでも痩せる」コツ
さまざまな体の変化が起こる生理前。生理前は痩せない、ダイエットをしても体重は減らないから意味ない、むしろ太るなどという話はよく耳にします。
生理前がダイエットに向いている時期なのかどうか、気になる女性は多いのではないでしょうか。
本記事では、生理前のダイエットが痩せにくい理由や、それでも痩せたい人のために、ダイエットを成功へ導く食事や運動を、薬剤師が解説します。
<このページの内容>
生理前のダイエットは意味ない? 痩せにくい理由はホルモンバランスが影響
なぜ生理前は痩せにくいと言われるのでしょうか。
生理前の体では、妊娠に備えて「プロゲステロン」と呼ばれる黄体ホルモンが多く分泌されるため、このホルモンの変化が影響を与えていることが多いです。
その影響について詳しく解説していきます。
生理前は痩せにくい理由1 水分が溜まり、むくみやすい
プロゲステロンは水分をため込みやすくする働きがあるため、生理前は体内に水分が溜まりやすくなります。そのため、むくみも起きやすくなります。
しかし、プロゲステロンの影響で多くため込んだ水分は、生理が終わると排出され元に戻るため、あまり気にする必要はありません。
生理前は痩せにくい理由2 食欲が増加しやすい
プロゲステロンの働きにより、生理前は食欲が増加しやすくなります。
また、食欲を抑える働きのあるエストロゲンの分泌量が生理前に減少することも、食欲が増加しやすい理由のひとつに挙げられます。
生理前は痩せにくい理由3 エネルギー吸収率が上がる
プロゲステロンは、水分だけでなく栄養も吸収しやすくする働きがあります。そのため、同じ食事をしていても、生理中は普段より多くのエネルギーを吸収してしまうのです。
生理前は痩せにくい理由4 便秘になりやすい
生理前は、腸の働きが弱くなるため便秘になりやすくなります。プロゲステロンには腸の刺激を感知する力を鈍らせ、さらに便の水分を吸収して硬くしてしまう働きがあるためです。
生理前にダイエットをするなら、こんな食事方法がおすすめ
生理前は痩せにくい時期であるものの、食事を工夫することでダイエットを成功へ導くことができます。生理前のダイエットにおすすめの食事術とは。
食物繊維を摂取して腸内環境を整える
食物繊維の摂取は、便秘対策におすすめです。食物繊維には、便をやわらかくする、便の量を増やす、腸の運動を活発にするなどの効果が期待されます。
大麦やりんご、きのこ、野菜、わかめなどの海藻類、豆類などを積極的に取り入れるといいでしょう。
水分排出を促進するカリウムを摂る
カリウムには体内のナトリウムを排出し、水分バランスを整える効果があります。余分な水分を尿として排出するのを促すため、むくみ予防におすすめです。
バナナやアボカド、トマトなどカリウムが豊富な食品を積極的に摂取しましょう。
生理前のダイエット運動は「体に負担の少ないもの」を
生理中には、体に負担の少ない運動がおすすめです。
- ウォーキング
- 軽いジョギング
- ゆったりとしたヨガ
- ストレッチ
ストレッチで骨盤周りの筋肉をほぐすのもいいでしょう。生理痛の緩和や腰痛予防、ストレス解消にもつながります。
●激しい運動は生理痛を引き起こしやすくなる
生理中に激しい運動をすると、子宮や腸を収縮させる痛み物質であるプロスタグランジンの分泌を増加させてしまいます。
生理痛がある人は悪化させてしまう可能性もあるため、生理中は激しい運動を控えましょう。
生理前ダイエットは「食事・運動・睡眠」をいつもより意識する必要がある
ここでは、生理前のダイエットの注意点をご紹介します。
1食抜いたり、偏った栄養バランスの食事をしない
栄養バランスのいい食事を、普段より心がけましょう。
食べる量を極端に減らしたり、摂取する栄養が偏ったりしないよう注意します。1日3食しっかり食べ、タンパク質や食物繊維を積極的に摂取したり、糖質の低い食材を選んだりと、食事のバランスを意識することが重要です。
生理前だけでなく、ダイエットのためにはバランスのいい食事が不可欠です。
体が冷えるような運動はしない
生理前は、水泳のような体を冷やす運動は控えましょう。体が冷えて血行が悪くなることで、PMSや生理痛を悪化させてしまう可能性があります。
質のいい睡眠をとる
質の良い睡眠をとることも重要です。
睡眠不足の状態が続くと、食欲を高める働きのあるグレリンというホルモンの分泌量が増え、食欲を抑えるレプチンの分泌量は減ってしまいます。
生理前の食欲の増加をさらに高めてしまう可能性があるため、質の良い睡眠をとって、寝不足にならないよう注意しましょう。
生理前や生理中は「痩せにくいタイミング」ではある
生理中は、ホルモンバランスの変化の影響で痩せにくい時期です。しかし、生理が終わると自然に解消されることが多いため、あまり気にする必要はありません。
食事を工夫して、対策することも可能です。
生理前や生理中に運動する場合には、激しい運動は避け、ウォーキングやヨガなどからだに負担の少ない運動がおすすめです。無理せずダイエットに取り組みましょう。
監修・執筆者プロフィール
あんしん漢方薬剤師
山形 ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストラン等15社以上のメニュー開発にも携わる。
「健康は食から」をモットーに健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-Youtubeチャンネルで簡単薬膳レシピ動画を公開するなど精力的に活動している。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
<Edit:編集部>