フィットネス
2024年10月25日

朝ストレッチ、なぜ痩せる?その理由と、ダイエットにおすすめのストレッチ3選

ダイエットに効果的な運動といえば、ウォーキングなどの有酸素運動や、筋トレなどの無酸素運動が思い浮かびますよね。

もちろんそれも正解なのですが、実はストレッチもダイエット効果が期待できます。そして、そのストレッチを行うおすすめのタイミングは「朝」です。

今回は朝ストレッチがダイエットに効果的な理由と、おすすめのストレッチ方法をご紹介します。

朝ストレッチで痩せる理由

なぜ、朝にストレッチをすると痩せやすくなるのでしょうか。朝ストレッチにはたくさんのメリットがあるのです。

代謝が上がりやすくなる

代謝が下がった状態では、疲れやすい、太りやすいなど、さまざまな不調が現れます。基礎代謝が低下する原因は加齢や運動不足などのため、日頃から意識的に体を動かすことが大切です。

もちろんウォーキングやジョギングなどの有酸素運動もよいですが、まずは簡単なストレッチを行ってみることをおすすめします。

朝にストレッチをすることで、寝ている間に凝り固まった筋肉がほぐれて血行がよくなり、体が温まります。体温を上げると基礎代謝量もアップし、活動的に1日をスタートできます。

むくみ・冷えの改善につながる

「朝起きたら顔がパンパン」「脚がむくんでいる」という経験はありませんか? 朝のむくみを放置していると、その1日はなんとなくからだがだるかったり、やる気が出なかったりすることもあるでしょう。

むくみは、体内に余分な水分や老廃物がたまることで引き起こされます。原因はさまざまありますが、そのひとつは「血行不良」です。

ストレッチによって筋肉がほぐされると、血行が促進され、余分な水や老廃物の排出を促す効果が期待できます。

便秘解消につながる

お腹まわりの筋力が低下すると、腸のぜん動運動(便を運ぶ働き)が鈍くなると言われています。また、便を体外に押し出す力も弱くなるため、便秘になりやすくなります。

ストレッチで腹筋を動かして腸を刺激すると、腸のぜん動運動を促すことにつながるため、便秘解消に効果的です。

朝は便意が起きやすい時間のため、ストレッチを行うことでスムーズな排便につながります。

自律神経が整う

自律神経とは、循環、呼吸、体温調節、消化、分泌、排泄など、基本的な生命活動を維持するために無意識に働く機能です。

「夜更かしをしたわけではないのに、朝なかなか起きられない」といった悩みは、ストレッチを行い、自律神経を整えることで解決できるかもしれません。

自律神経には体を活動的にする「交感神経」とリラックスさせる「副交感神経」の2つがあります。

ゆっくり呼吸を繰り返しながら朝にストレッチを行うことで、交感神経の働きが優位になり、眠っていた頭とからだを目覚めさせます。(※1)

最近よく聞く「自律神経」とは?自律神経が乱れる原因と整える方法[医師監修]

朝はこのストレッチがおすすめ!

ここからは、朝におすすめのストレッチを3種類ご紹介します。ポイントは「呼吸と連動させること」。ベッドの上でもできるストレッチもあるので、起きてすぐに行うことも可能ですよ。

キャットアンドカウ

(1)四つん這いになる。肩の下に手首、脚の付け根の下にひざを置く

(2)息を吸いながらゆっくり背中を反らす。肩に力が入らないように注意!

背骨ほぐしのやり方2 背中をそる、背中を丸めるといった動きを繰り返す

(3)息を吐きながら、お尻の穴を下に向けるように背中を丸める。目線はおへそに向けて、両手でしっかり床を押す

背骨ほぐしのやり方1 地面のほうを向いて両肘と両膝を床につける

(4)(2)(3)を数回繰り返す

キャットアンドカウはヨガのポーズのひとつです。

自律神経系の働きに大きく関わっている背骨を動かし、ゆっくり呼吸と連動させて行うことで自律神経を整えることができます。

また、このストレッチは肩から背中、腰の筋肉を動かすので、腰痛や肩こりなどの不調解消にも効果的です。

背中を動かすことに集中しすぎると、体が前後にずれやすく、効果が発揮されにくくなります。「肩の真下に手首、脚の付け根の真下にひざ」を意識して、体の位置は変えずに背骨だけを動かしましょう。

カエル足ストレッチ

(1)四つん這いになって、両ひざを左右に開く。ひざは90度、つま先は外に向けて内くるぶしを床につける

(2)お尻を前後にゆっくり動かす

股関節の柔軟性アップ、骨盤のゆがみ解消、下半身痩せなどの効果が期待できます。動きに合わせてゆっくり大きな呼吸を繰り返しましょう。

無理に脚を広げてしまうと、体を痛めてしまう可能性があります。股関節だけでなく、反り腰になって腰を痛めることもあるので、とくに股関節が硬い人は注意してください。

脚への負担が大きい場合は、ひざの下にブランケットを敷いたりベッドの上で行ったりしましょう。

脇腹を伸ばすストレッチ

(1)両足を腰幅に開いて立つ

(2)息を吸いながらバンザイをするように両腕を上げ、右手で左手首を軽くつかむ

(3)息を吐きながら、上半身をゆっくり右に倒す。目線は左ななめ上に向ける

(4)反対も行う

肩に力が入らないよう、首を長く保ちます。上半身が前に倒れないよう真横に倒すのがポイントです。脇腹を伸ばすことで、インナーマッスルにも刺激が加わり、血行促進や代謝アップに効果が期待できます。

また、立ったままストレッチを行うことでシャキッと目覚めやすくなります。

ぜひ日当たりのいいところで、日光を浴びながら行ってみてください。気持ちも前向きになって、スッキリとした朝を迎えられるでしょう。

朝ストレッチで守るべきルール

ここまで、ストレッチの方法についてご紹介してきましたが、さらに効果をアップさせるためには下記のようなポイントを意識しましょう。

日光を浴びてから行う

日光を浴びると、神経伝達物質であるセロトニンが分泌されます。

このセロトニンは、「脳を活発に働かせる」「精神面の安定」などの作用があるため、朝に日光を浴びることで1日のパフォーマンスにもよい影響を与えるでしょう。

ストレッチを行う前に日光を浴びて頭を目覚めさせ、その後にストレッチで体を動かすことで、スッキリとした目覚めが期待できます。(※5)

幸せホルモン「セロトニン」を増やす運動は?なぜ体を動かすとメンタルにいいのか

呼吸を意識する

ストレッチを行う際は呼吸を意識するのが大切です。ストレッチの動きに合わせて、ゆっくり深い呼吸を行うことで、凝り固まった筋肉がより伸びやすくなります。

また、呼吸を意識することは精神面にもメリットがあります。

焦ったり心が落ち着かなかったりすると「一旦深呼吸をしよう」と言われることもありますよね。その理由は、呼吸には自律神経のバランスを整えてくれる働きがあるからです。

身体面・精神面ともにメリットがあるため、ストレッチを行う際は息が止まらないようにしましょう。

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朝ストレッチと組み合わせたい!痩せる習慣

ダイエットには、ストレッチ以外にも取り入れたい習慣がたくさんあるので、今回はその中から2つお伝えします。せっかく朝ストレッチを習慣化するのであれば、痩せる生活習慣も身につけましょう。

栄養バランスの整った食事

せっかくストレッチで痩せやすい体を目指しても、カロリーの高い食べ物や脂っこいもの、お菓子・ジュースばかりを食べてしまっては意味がありません。

下記のような食材をとり入れつつ、栄養バランスの整った食事を摂るように心がけましょう。

  • たんぱく質(赤身肉やささみ、魚介類、乳製品など)(※2)
  • 食物繊維(野菜類、穀類、豆類、きのこ類など)(※3)
  • ビタミンB群(玄米、レバー、卵、貝類など)(※4)

ダイエットには筋肉のもととなるたんぱく質、脂質の吸収を抑えたり腸内環境を良くしたりする働きのある食物繊維、糖質や脂質などの代謝をサポートするビタミンB群の摂取がおすすめです。

生活リズムを整える

人の体内時計の周期は約25時間といわれており、1日24時間という地球時間とは1時間のズレがあります。

このズレを修正しないと、睡眠障害などの不調があらわれてしまうので、生活リズムを整えることが大切なのです。

毎日忙しいと、自分の生活リズムにまでなかなか意識が向かないかもしれません。ですが、まずは自分ができそうなことから始めてみましょう。

「毎日同じ時間に起きる」「朝食を食べる」「朝日を浴びる」などから始めてみるのがおすすめですよ。(※5)

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朝ストレッチで痩せ体質を目指そう!

何かと忙しい毎日で、朝の時間は本当に貴重ですよね。できれば1分1秒無駄にしたくないところ。

そんな朝ではありますが、3分だけでもいいのでストレッチを行う習慣を取り入れてみましょう。 最初の1週間は慣れないかもしれませんが、日が経つにつれて習慣化されていきます。

大事なのは「継続すること」なので、無理のない範囲で実践してみてくださいね。

<参考文献>
※1 医療法人社団 平成会「セロトニンの増加が心身に及ぼす影響」
※2 公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「三大栄養素のたんぱく質の働きと1日の摂取量」
※3 公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「食物繊維の働きと1日の摂取量」
※4 全国健康保健協会「「なんとなくだる~い」・・・に喝!「ビタミンB群」(令和5年7月)」
※5 厚生労働省 e-ヘルスネット「睡眠・覚醒リズム障害」

監修・執筆者プロフィール

ヨガインストラクター
高橋かなこ

2021年よりRYT200(全米ヨガアライアンス認定)修了インストラクターとして幅広い年齢層へのクラスを開催。企業での事務経験から、デスクワークで疲れた部位や崩れた姿勢のためのレッスン組み立てを得意とする。自身のダイエット成功経験を経て、美しいからだを作るためには、食と思考が大切だと痛感。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」などで、同じ悩みを持つ方に向け精力的に情報発信を行う。

<Edit:編集部>