ヘルス&メンタル
2025年2月24日

夜中に何度も目が覚めるのは「うつ病になりかけ」のサインなの?

うつ病と夜中に目が覚めてしまうことには、深い関係性があります。とはいえ不眠症、自律神経の乱れ、カフェインのとり過ぎ、昼寝のし過ぎなど原因は多岐にわたります。

ここでは、もしかしてうつ病になりかけてる? と不安な人向けに、心療内科BESLI CLINICの田中奏多先生監修のもと解説していきます。

何度も目覚めるのは、うつ病のサインなの?

田中先生:夜中に何度も目が覚めるのは、うつ病のサインのひとつです。うつ病では、寝付けない・夜中に何度も目が覚める・明け方に目が覚めて眠れなくなるなどの睡眠障害があることが多いです。

うつ病のほか、自律神経失調症の場合も、夜中に目が覚めるなどの睡眠障害がみられます。

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また、何度も目が覚める症状が1か月以上続く場合には、不眠症の可能性もあります。不眠症がうつ病を招いたり、うつ病の症状を悪化させるケースもあります。

うつ病や自律神経失調症は、発症しているのかしていないのかを明確に線引きできる疾患ではありません。次のチェックリストを参考に、ご自身の状態を確認してみましょう。

うつ病の症状セルフチェックリスト

田中先生:次のような症状が5つ以上該当し、それらが2週間以上ほとんど毎日続く場合には、うつ病の可能性が高くなります。

  • 気分が落ち込む
  • 楽しかったことが、楽しくなくなった
  • 食欲や体重が減った、もしくは増えた※
  • 眠れない、もしくは眠りすぎる
  • 行動が遅くなったり、焦りを感じたりする。
  • 疲れやすい
  • 集中力が下がる
  • 自分を責めたり、価値がない人間だと思ったりする
  • 自分の体を傷つけたり、死にたいと思ったりする

※体重減少の目安は、1ヵ月のうちに元の体重の5%以上です
※上記の症状は、自律神経失調症にも共通するものがあります

「2週間以上」「ほほ毎日」続く場合は受診を

田中先生:上記のチェックリストにある症状が2週間以上ほほ毎日続くようであれば、心療内科または精神科を受診しましょう。

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「夜中に目が覚める」症状を放置するとどうなる?

田中先生:夜中に目が覚める症状を放っておくと、良質な睡眠がとれないことで、心や体に不調が現れることがあります。

たとえば、やる気や集中力、注意力、判断力などが下がり、勉強や仕事、日常生活や人間関係にも影響が出る可能性があります。

食欲がなくなり、食事量が減ってしまうと、栄養不足になり、身体の免疫力も下がってしまいます。倦怠感やイライラ、めまいなどを起こすこともあります。

うつ病や不眠症になった場合は、医療機関での専門的な治療をした方がよいでしょう。不調の状態のまま放っておくと、状態がさらに悪くなり生活に支障が出るだけでなく治療も長期化する可能性もあります。

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「心療内科や精神科受診、気軽に相談に来て」

田中先生:早期に病院を受診すると、早い段階で適切な治療をうけることにより、症状が楽に改善されたり、重症化することを防いだりできます。

症状があると感じている場合は、なるべく早めに病院を受診しましょう。

心療内科や精神科を受診するのは、ハードルが高いと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、重く考えず、気軽にご相談ください。

▼参考
うつ病症状の捉え方 日本医学会
厚生労働省 知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス総合サイト こころの健康や病気、支援やサービスに関するウェブサイト
わかりやすい病気のはなしシリーズ19 自律神経失調症 厚生労働省 e-ヘルスネット[情報提供] 不眠症

監修者プロフィール

田中 奏多先生

福島県立医科大学卒業。「働く人を支える」薬に依存しない医療を展開する「BESLI CLINIC」を2014年に協同創設、2030年を基準に医療現場から社会を支える医療経営を実践しています。産業医視点からビジネスマン・ビジネスウーマンを支えております。生薬ベースの漢方内科での経験を活かし、腹診を含めた四診から和漢・井穴刺絡などの東洋医学を扱い、ホルモン、生活習慣をベースに身体から心にアプローチする診療を担当。米国マウントサイナイ大学病院へ留学、ハーバード大学TMSコースを修了。TMSをクリニックへ導入、日本人に合わせたTMSの技術指導、統括を行っています。

<Edit:編集部>

※本記事は、Medicalook(メディカルック)で掲載されていた内容を移管し、加筆・修正したものです。