2025年3月3日

眠れないまま朝になった…仕事に行くまでどうする?精神科医の回答 (3/3)

夜中に目が醒めたとき、どうしたらいい?

田中先生:神経が「興奮状態」になっているせいかもしれません。そんなときは無理に寝ようとせず、一度ベッドから出て、まずは気持ちをリラックスさせましょう。

リラックスする方法としては、以下などがおすすめです。

  • 深呼吸をする
  • ツボを押す
  • ストレッチをする
  • 温かい飲み物を飲む
  • 本を読む
  • 音楽を聴く

気持ちがリラックスしてくると、次第に眠くなることが多いです。「眠れそうだな」と思ったタイミングで、再びベッドに入るとよいでしょう。

リラックス法① 深呼吸は「腹式呼吸」を意識しよう

腹式呼吸で深く呼吸をすると「副交感神経」が優位になり、入眠しやすくなると考えられています。

1.腹部がへこむように口から大きく息を吐く
2.息を吐き切ったところで、腹部が膨らむように鼻から息を吸い込む

数回繰り返す

眠れないときに。寝つきをよくする「仰向け腹式呼吸」│LAVAの睡眠ヨガ

リラックス法② 「百会」のツボを刺激しよう

頭頂部にある“百会のツボ”を刺激することで、心を落ち着かせる作用が期待できます。

1.両手の「4本の指」や「手の平」を使い、息をゆっくり吐きながら、5秒間程度ツボを押す
2.ツボを押した後、軽く息を吸う

数回繰り返す
※気持ちがよいと感じる程度の強さで、優しく押しましょう

リラックス法③ 「ストレッチ」で体の緊張をほぐそう

体の緊張をほぐれてくると、眠りにつきやすくなります。

 

“眠れない日”が続く人は、「睡眠障害」かも

田中先生:「眠れないまま朝になった」という日が続く人は、「不眠症」など睡眠障害も疑われます。下の症状をチェックし、当てはまるものがないか確認してみましょう。

「睡眠障害」が疑われる症状

  • 一週間以上睡眠不足が続いている
  • 記憶力・集中力・判断力が低下している
  • 朝起きられない
  • 日中の強い眠気・あくびが多い
  • イライラする・些細なことで怒る
  • 気分が落ち込む・やる気が出ない
  • 頭痛・めまい
  • 血圧上昇・消化器系の不調

※睡眠障害の人の中には、「日中の倦怠感」「気力低下等の症状」のみを自覚し、「眠れていない」ことに気づいていない人もいます。

中途覚醒とは。夜中に目が覚めたときのNG行動と対策・予防方法[薬剤師監修]

監修者プロフィール

田中 奏多先生

福島県立医科大学卒業。「働く人を支える」薬に依存しない医療を展開する「BESLI CLINIC」を2014年に協同創設、2030年を基準に医療現場から社会を支える医療経営を実践しています。産業医視点からビジネスマン・ビジネスウーマンを支えております。生薬ベースの漢方内科での経験を活かし、腹診を含めた四診から和漢・井穴刺絡などの東洋医学を扱い、ホルモン、生活習慣をベースに身体から心にアプローチする診療を担当。米国マウントサイナイ大学病院へ留学、ハーバード大学TMSコースを修了。TMSをクリニックへ導入、日本人に合わせたTMSの技術指導、統括を行っています。

<Edit:編集部>

※本記事は、Medicalook(メディカルック)で掲載されていた内容を移管し、加筆・修正したものです。

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