
眠れないまま朝になった…仕事に行くまでどうする?精神科医の回答 (3/3)
夜中に目が醒めたとき、どうしたらいい?
田中先生:神経が「興奮状態」になっているせいかもしれません。そんなときは無理に寝ようとせず、一度ベッドから出て、まずは気持ちをリラックスさせましょう。
リラックスする方法としては、以下などがおすすめです。
- 深呼吸をする
- ツボを押す
- ストレッチをする
- 温かい飲み物を飲む
- 本を読む
- 音楽を聴く
気持ちがリラックスしてくると、次第に眠くなることが多いです。「眠れそうだな」と思ったタイミングで、再びベッドに入るとよいでしょう。
リラックス法① 深呼吸は「腹式呼吸」を意識しよう
腹式呼吸で深く呼吸をすると「副交感神経」が優位になり、入眠しやすくなると考えられています。
1.腹部がへこむように口から大きく息を吐く
2.息を吐き切ったところで、腹部が膨らむように鼻から息を吸い込む
数回繰り返す
リラックス法② 「百会」のツボを刺激しよう
頭頂部にある“百会のツボ”を刺激することで、心を落ち着かせる作用が期待できます。
1.両手の「4本の指」や「手の平」を使い、息をゆっくり吐きながら、5秒間程度ツボを押す
2.ツボを押した後、軽く息を吸う数回繰り返す
※気持ちがよいと感じる程度の強さで、優しく押しましょう
リラックス法③ 「ストレッチ」で体の緊張をほぐそう
体の緊張をほぐれてくると、眠りにつきやすくなります。
“眠れない日”が続く人は、「睡眠障害」かも
田中先生:「眠れないまま朝になった」という日が続く人は、「不眠症」など睡眠障害も疑われます。下の症状をチェックし、当てはまるものがないか確認してみましょう。
「睡眠障害」が疑われる症状
- 一週間以上睡眠不足が続いている
- 記憶力・集中力・判断力が低下している
- 朝起きられない
- 日中の強い眠気・あくびが多い
- イライラする・些細なことで怒る
- 気分が落ち込む・やる気が出ない
- 頭痛・めまい
- 血圧上昇・消化器系の不調
※睡眠障害の人の中には、「日中の倦怠感」「気力低下等の症状」のみを自覚し、「眠れていない」ことに気づいていない人もいます。
監修者プロフィール
田中 奏多先生
福島県立医科大学卒業。「働く人を支える」薬に依存しない医療を展開する「BESLI CLINIC」を2014年に協同創設、2030年を基準に医療現場から社会を支える医療経営を実践しています。産業医視点からビジネスマン・ビジネスウーマンを支えております。生薬ベースの漢方内科での経験を活かし、腹診を含めた四診から和漢・井穴刺絡などの東洋医学を扱い、ホルモン、生活習慣をベースに身体から心にアプローチする診療を担当。米国マウントサイナイ大学病院へ留学、ハーバード大学TMSコースを修了。TMSをクリニックへ導入、日本人に合わせたTMSの技術指導、統括を行っています。
<Edit:編集部>
※本記事は、Medicalook(メディカルック)で掲載されていた内容を移管し、加筆・修正したものです。