
「おならが止まらない、何かの病気?」避けたほうがいい食べ物・飲み物とは (2/2)
便秘でおならが多いときの対処法
岡村先生:先述の通り、おならが止まらない原因としてもっとも多いのは、「便秘」です。次の3つの対処法を実践して、お腹にガスが溜まらないようにしましょう。
1.食生活の見直し
食事はよく噛んでゆっくり食べましょう。水分は1.5Lを目安にこまめに摂りましょう。
<おすすめの食品>
腸内環境を整えるために、ヨーグルトや納豆などの発酵食品を積極的に摂りましょう。また、善玉菌のエサとなり増殖を助ける「食物繊維」や「オリゴ糖」を一緒に摂るとさらに良いです。食物繊維には「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」がありますが、バランスよく両方を摂るようにしましょう(下記参照)。
水溶性食物繊維 : 大豆製品、海藻類、ドライフルーツなど
不溶性食物繊維 : オートミール、きくらげ、おから、干し柿など
オリゴ糖 : 市販のオリゴ糖、オリゴ糖を含む乳製品や大豆製品、たまねぎ、にんにく、ごぼう、バナナなど
※食物線維を摂りすぎた場合、便秘が悪化する、下痢をする、ガスがたまるなどの症状があらわれることがあるので、注意してください。
<避けるべき食べ物>
・肉類に多い動物性脂肪
・アルコール
・炭酸飲料
2.腸の働きをよくする運動
心地よいと感じるレベルの有酸素運動をしましょう。20~30分のウォーキングや階段を日常的に使うことを心掛けてください。腹筋運動もおすすめです。
3.体を温めてリラックス
体を温めて、ストレスをためないように気をつけましょう。
・お風呂にゆっくりつかる
・腹巻などでお腹を冷やさない
リラックスすると、副交感神経が優位になります。副交感神経が優位なときに腸の運動は活発になります。
ビオフェルミンやガスピタンなどの市販薬を使ってもいい?
岡村先生:また、便秘が原因の場合は、市販薬を使用してもよいでしょう。ビオフェルミンやガスピタンなどの整腸剤などは腸内環境を整えて、腸のぜん動運動を活発化させるのでおすすめです。
おならが止まらない……病院に行く目安は
岡村先生:次のような症状が現れている場合は、胃腸内科や消化器内科を受診しましょう。
・1ヵ月のうち3日以上おならが止まらない
・お腹が痛い
・お腹に不快感がある
・日常生活に支障をきたしている
「過敏性腸症候群」と診断された場合は、次のような生活習慣の改善を行います。
・1日3回、規則的でバランスの良い食事を摂る
・暴飲暴食、夜間の大食を避ける
・ストレスを溜めず、睡眠、休養を十分に取る
・刺激物や高脂肪の食べもの、アルコールを控える など
それでも改善されない場合は、薬による治療を行います。
▼参考
日本消化器病学会 機能性消化管疾患診療ガイドライン2014 過敏性腸症候群(IBS)
一般社団法人 日本臨床内科医会 わかりやすい病気のはなしシリーズ12 過敏性腸症候群
監修者プロフィール
岡村 信良(おかむら・のぶよし)先生
内科医。経歴:平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
<Edit:編集部>
※本記事は、Medicalook(メディカルック)で掲載されていた内容を移管し、加筆・修正したものです。