フィットネス
2024年4月3日

プロテインで便秘になったり、逆に快便になったり。下痢や臭いおならも増えたし、腸内環境悪化してる?

プロテインで便秘になったり、逆に便通が良くなったり。なぜ? なんなら若干お腹を壊して下痢をする、臭いおならが止まらないときもある。腸内環境が悪化したのかと食物繊維パウダーを混ぜて飲んでみるものの、効果のほどは不明。なぜだ……ギモン解決のため、プロテインと便秘、そして食物繊維の関係性について探っていきたい。

そこで、あさひの森内科消化器クリニック院長で医学博士の福田頌子先生に話を伺った。プロテインでお腹の具合が悪くなる人は必読の内容だ。

プロテインを飲むと便秘になる。なぜ?

プロテインを飲んで便秘になった理由は大きく2つ考えられます。

腸内環境の悪化

プロテイン(タンパク質)はエネルギーを産生する栄養素で唯一「窒素(ちっそ)」を含んでいます。

この「窒素」は腸内に3㎏もいると言われている腸内細菌の中でも、お腹の不調をきたす原因となる「悪玉菌」のエサになってしまいます。悪玉菌がエサを与えられることによって量が増え、腸内環境が悪化し便秘を引き起こします。

対策として、プロテインと一緒に腸内細菌サプリメントや整腸剤を一緒に飲むことをおすすめします。

食物繊維の影響

プロテインの種類として、ホエイとソイが多く流通しています。ソイプロテインの原料は、大豆からタンパク質成分を抽出した「大豆たんぱく」という食品です。

大豆は食物繊維が豊富で、プロテインへ加工された後も、大豆よりは減りますが食物繊維を含んでいることには違いありません。

食物繊維は一般的に「便秘によい」とされていますが、腸の状態や体質によって便秘を引き起こす可能性もあります。

余談ですが、プロテインの摂取を始めてから便秘になったと思いきや、実はプロテインのせいではなく、ダイエットで食事量が減ったことが便秘の原因となっている場合があります。

ダイエットによる食事量減少

ダイエットをすることで便の“材料”が減ることで便自体の量が減り、便が出にくくなる場合もあります。チューブボトルの中身が、新品のときは出やすいけれど残りわずかとなると出にくくなる減少と同じです。

また、脂質を減らすことで、胆汁の分泌が減少します。胆汁は「身体の中にある天然の便秘薬」と呼ばれており、便を柔らかくし大腸の蠕動(ぜんどう)を促します。

胆汁の減少により腸の動きが悪くなり、便秘の原因の一つになる場合もあるので要注意です。

プロテインを飲むと便秘が治るときもある

逆に、プロテインを飲んでむしろ便通が良くなったパターンも聞きます。その理由は主に2つ考えられます。

人口甘味料や添加物の影響

プロテインを飲みやすくするために「キシリトール」や「ソルビトール」と言った人工甘味料や「オリゴ糖」などが混ぜられている場合が多くあります。

人工甘味料やオリゴ糖は便を柔らかくする作用があるので、便通が良くなることがあります。

食物繊維の影響

ソイプロテインには食物繊維が含まれているため、食物繊維の摂取量が増えたことで便通が良くなることがあります。

また、ソイプロテインだけではなくプロテインにイヌリンといった食物繊維が添加されている場合もあります。

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乳糖の影響

ホエイプロテインには「乳糖(ラクトース)」が含まれています。ラクトースを体内で消化するためには「ラクターゼ」という酵素が必要なのですが、ラクターゼを持たない人がいます。

その場合、その人の小腸では乳糖が高濃度になってしまい、高濃度の乳糖の濃度を薄めようと小腸が水分を分泌して便を柔らかくします。

快便を通り越して下痢になるときも……お腹を壊している?

便秘が解消されるのはうれしいですが、それを通り越してお腹を下してしまうパターンもあるようです。

もともと便秘の人にとっては「便通がよくなった」という効果として現れますが、そうでない人の場合は下痢になってしまうことも。

先ほどの乳糖に関して言うと、下痢になるほど症状が出る場合は「乳糖不耐症」と呼ばれます。重症度はさまざまですが、日本人は3人に2人はこの乳糖不耐症と言われています。

また食物繊維に関しても、腸の状態や体質によっては下痢になってしまうケースもよくあります。

【乳糖不耐症】プロテインでお腹を壊す…対処法は?

プロテインを飲むと数時間後におならが止まらなくなる、しかも臭い!

プロテインを飲むと匂いがキツイおならや、おならの回数が増える人もいます。

ホエイプロテインに含まれる乳糖が消化されず、大腸へ到達すると腸内細菌がエサとして食べます。すると腸内細菌は乳糖をエサにして、大腸の中で異常な”発酵”をおこしガスを大量に発生します。

乳糖のように小腸で吸収されず、大腸で腸内細菌のエサとなり異常な発酵を起こす食べ物を「高FODMAP」(※)と言います。

(※)Fermentable(発酵性)、Oligosaccharides(オリゴ糖)、Disaccharides(2糖類)、Monosaccharides(単糖類)and Polyols(ポリオール:ソルビトール、マンニトール、キシリトール)の頭文字をとってFODMAPと呼ばれており、乳糖は上記の2糖類に含まれます

プロテインにはオリゴ糖、乳糖、人工甘味料など高FODMAPが多く含まれており、お腹の張りの原因となることが多くあります。

プロテインと腸内環境の関係性

では、プロテインは腸内環境の改善、もしくは悪化に影響を及ぼす食品なのでしょうか。

冒頭で説明したように、プロテイン(タンパク質)は腸内細菌「悪玉菌」のエサとなる「窒素」を含んでいるため、悪玉菌の数が増え、腸内環境が悪化しやすい食品であると考えられます。

また、腸内環境が悪化することで便秘になると、さらに腸内環境が悪化するといった負のスパイラルに陥ってしまいます。

タンパク質の摂りすぎが招く「腸内環境の悪化」、すぐできる対策は?【専門家監修】

プロテインに食物繊維パウダーを混ぜるメリットは?

なら、プロテインに食物繊維をプラスすることで腸内環境の悪化を防ぐことはできるのか。

これについては、食物繊維パウダー(イヌリンや難消化性デキストリン)を混ぜることで、腸内環境を整え、便通の悪化を防ぐ効果は期待できます。

ただ、今回お話したように「人によって」「腸によって」そして「日によって」その効果は凶にも吉にもなります。

腸はとても繊細で複雑で個人差があるのです。

とくに”毎日口にするもの”は腸に与える影響も多いので、自分の腸の声に耳を傾けましょう。そして自分の腸や身体に合うプロテインのチョイスをしてくださいね。

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執筆・監修者プロフィール

あさひの森内科消化器クリニック
福田頌子

愛知県尾張旭市「あさひの森 内科消化器クリニック」の院長で医学博士、消化器病専門医、消化器内視鏡専門医。クリニックでは「ダイエット外来」や「腸内細菌外来」も開設し日々診療を行っている。極端な食事制限ではなく「医学的に正しい一生ものの知識を」をモットーに管理栄養士とタッグを組み取り組んでいる。
https://sunrise-woods-clinic.com/

<Edit:編集部>