
酢キャベツの効能とは。なぜ痩せる?ダイエットに効果的な食べ方、痩せないパターン
「痩せるらしい」と話題の酢キャベツ。お酢とキャベツがあれば簡単に作ることができ、食事にプラスするだけでOK──そんな手軽さから、ダイエット中の強い味方として注目を集めています。
でも実際、「本当に痩せるの?」「毎日食べてるのに効果が出ない」という声もちらほら。そこで今回は、酢キャベツがなぜダイエットに効くのか、そのメカニズムをまとめていきます。効果が出にくい“痩せないパターン”やNGな食べ方についてもお届け。
「続けているけど結果が出ない」という人は見直してみてください。薬剤師・秋吉佑美さん監修のもと見ていきます。
なぜ? 酢キャベツがダイエットに向いている理由
酢キャベツがダイエットに向いている理由として、「内臓脂肪を低下させる効果」や「食後の急激な血糖値の上昇を抑える効果」などが挙げられます。
ここでは酢キャベツがダイエットに向いている理由を深掘りしていきます。
腹持ちがいい
酢キャベツには、「腹持ちがいい」というメリットがあります。キャベツには水分が多く含まれるため、胃の中で膨張することで満腹感が得られます。
また、カリウムを含むため体内の水分の調整も行ってくれます。体の余計な水分を外へ排出し、むくみの改善にもつながり、ダイエット効果が期待できるのです。
食物繊維が豊富
キャベツには、水に溶けやすい「水溶性食物繊維」と、水に溶けにくい「不溶性食物繊維」が含まれます。
食物繊維は胃の中で膨らみ満腹感を与えるため、こちらも腹持ちがいいというメリットがあります。さらに食物繊維は、腸内環境を整え便通を改善するため、その結果としてダイエットにもつながるのです。
便秘はダイエットには大敵なので、腸内環境を良くしていくことはとても大切です。
酢酸が脂肪蓄積を抑制する
酢キャベツに使用される酢に含まれる酢酸は、脂肪の分解を促進してくれます。それにより脂肪代謝が改善し、脂肪の蓄積の抑制、またメタボリックシンドロームの改善が期待できます。
血糖値の上昇が緩やかになる
食事をとると、血糖値が上昇します。血糖値が上昇すると、血糖値を下げるホルモンであるインスリンが急激に分泌され、血糖を体内に取り込むことにより脂肪蓄積を促進します。そのため、急激な血糖値の上下は、体重の増加や肥満につながると考えられているのです。
また、血糖値の急激な上昇は脳に食欲のシグナルを送ることがあり、食欲をアップさせる危険性も。
酢キャベツは、食後の急激な血糖値上昇を抑え、インスリンの過剰な分泌を抑えることができるため、ダイエットによい影響が期待できます。
酢キャベツには、ダイエット以外のうれしい効果もある
実は、酢キャベツはダイエット以外にもうれしい効果があります。普段の食生活に取り入れることで、以下のような効果が期待できます。
肌を整える
キャベツにはビタミンCが豊富に含まれています。ビタミンCはコラーゲンの生成を促すため、肌によい影響を与えてくれます。
また、抗酸化作用もあるため、シミやシワ改善の効果も期待できるでしょう。キャベツの大きな葉3枚分で、1日のビタミンCがとれることも魅力のひとつです。
疲労回復を助ける
キャベツには、疲労回復が期待できる葉酸が含まれます。葉酸は赤血球の生成や神経細胞の正常な機能に必要な栄養素です。
また、ビタミンCも抗酸化作用を持ち、疲労の原因ともなる体内の酸化を予防するため、疲労回復につながると考えられます。
酢キャベツの基本の作り方
酢キャベツはどのように作って、どのように食べるといいのでしょうか。作り方と効果的な食べ方を紹介します。
材料
- キャベツ 200g〜300g(約1/4玉から1/3玉)
- 塩 小さじ1/2〜1
- 酢 100ml〜150ml
- 粒マスタード 小さじ2(お好みで)
- 保存用のタッパーや袋
※当初のレシピ分量に誤りがありました。お詫びして訂正いたします(2024.9.4)。
作り方
1.キャベツを洗い、千切りにする
2.保存用のタッパーや袋に入れて、塩を振る
3.よく振り、塩を全体にまぶす
4.酢と粒マスタードを入れよく混ぜる
これだけで完成です。
どのくらい食べればいい? 酢キャベツの量
酢キャベツを食べる量としては、1回に100g程度にしましょう。1日に食べる量に制限はないので、3食毎回食べても大丈夫です。
いつ食べるのがおすすめ? 酢キャベツを食べるタイミング
酢キャベツを食べるタイミングとしては、「食前」が効果的です。
食物繊維を含む酢キャベツを食前に食べることにより、食後の血糖値の急激な上昇やインスリンの過度な分泌を抑えられるためです。
もしくは主食との置き換えて食べることもおすすめです。ただし、栄養素は単体ではうまく働かず、相互作用がありますので、さまざまな食材を食べるというバランスが大切となります。酢キャベツだけを食べるという食事制限ではなく、ほかの食材と上手く組み合わせましょう。
なぜ? 酢キャベツを食べても痩せない理由
一方で、食べ方によっては効果が出にくいことも。酢キャベツを食べても痩せない人は、以下をチェックしてみましょう。ここからの監修は管理栄養士・食育栄養インストラクター神原李奈さんです。
理由① ほかに太りやすいものを食べている
酢キャベツを食べていても、脂質・糖質が多い食べ物を食べ過ぎていると、痩せにくいです。ご飯やパン(炭水化物)、揚げ物、スナック菓子などが挙げられます。
理由② まだ食べ始めて間もない
酢キャベツを食事に取り入れて間もない場合、まだ変化が出ていない可能性があります。変化を出すために、30日程度は続けましょう。
理由③ 酢キャベツの前に炭水化物を食べている
酢キャベツから食べ始めないと、食後の血糖値の上昇は緩やかになりません。食べる順番を間違えていると、変化が出にくいと言われています。
ダイエット中は、食後の血糖値の上昇を抑えることが大切です。
血糖値が上がると、元の数値に戻すためにインスリンというホルモンが分泌されます。インスリンは、余分な糖を脂肪に変換し、体に蓄積させる働きがあります。
理由④ 酢の摂取量が少ない
酢には「内臓脂肪を減少させる」「腸内環境を整える」作用があると言われています。しかし、摂取量が少ないと作用を感じにくい可能性があります。
肥満気味の場合、毎日大さじ1杯のお酢を摂取することで、内臓脂肪を減少できたという研究結果があります。
理由⑤ 運動をしていない
酢キャベツダイエットに限らず、食事のみでボディメイクを行うのは難しいです。筋トレなどを行い、基礎代謝をアップさせましょう。
酢キャベツを続けても痩せない人が見直すべきポイント
酢キャベツダイエットの効果を出すために、以下を改めて実践してみましょう。
- 食事の最初に食べる
- 1日3食、100g程度取り入れる
- よく噛んで食べる
体重を1kg減らすには、7,200kcal消費する必要があります。酢キャベツを食事に取り入れ、1日の摂取エネルギー量を240kcal減らせれば、30日間で変化を実感できるでしょう。
酢キャベツを食べ過ぎると、こんなデメリットも!
酢キャベツを食べ過ぎると、便秘が悪化する・胃が荒れるといったデメリットが生じる可能性があります。
キャベツには、水に溶けにくい「不溶性食物繊維」が含まれています。ストレスが原因で起こる痙攣性便秘の場合、腸が刺激されて便秘が悪化するケースがあります。
デメリットが生じやすいのはこんな人
- 痙攣性便秘の人
- 胃腸が弱い人
- 極端な食事制限をする人
酢キャベツを使ったアレンジレシピ
アレンジレシピとして「酢キャベツオムレツ」がおすすめです。まろやかな味わいになるため、酢キャベツの味が苦手な方や、飽きてしまった方におすすめです。
また、卵はたんぱく質が豊富なのでダイエットをサポートしてくれるでしょう。
材料(2人分)
酢キャベツ 100g
卵 2個
油 小さじ1
作り方
1.温めたフライパンに油を入れる
2.といた卵をフライパンに入れる
3.卵の中央に酢キャベツを置く
4.酢キャベツを包み込み、オムレツを作る
監修者プロフィール
秋吉佑美(あきよし・ゆみ)
薬剤師として働いている中で、「私達の身体と心は食べたもので出来ている」と感じ、2014年より、薬剤師として働きながら、「薬に頼らない薬剤師」として活動。テレビ、ラジオ出演、レシピ本掲載の経歴あり。また大手スーパーなどで、レシピ開発にも携わる。企業の美容系コンテンツの記事監修も行う。健康な生活を送るためのアドバイスをする、個別カウンセリングも好評。Instagramでの情報発信を精力的に行っている。
Instagram:https://www.instagram.co
神原李奈
株式会社Luce・健康検定協会所属、管理栄養士・食育栄養インストラクター。CA(客室乗務員)の仕事をきっかけに、健康と食の強い結びつきを実感し、食の世界に興味を持つ。大手料理教室の講師の経験を経て、栄養士を目指すことに。栄養士免許を取得後の現在は、現役CAとして世界中を飛び回りながら、栄養士として健康や食に関する情報を発信している。
<Edit:編集部>