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2025年10月16日

体脂肪1kg減らすには7,200kcalの消費が必要!最速で正しく体脂肪率を下げる方法を医師が解説 (3/3)

脂肪を減らす「カロリー消費の仕組み」

体脂肪のこと、どこまで知っていますか?体脂肪を「最速で」「正しく」落とすなら、カロリー消費の仕組みについて理解しておきましょう。

体脂肪1kg減らすには、7,200kcalの消費が必要

まず知っておきたいのは、体脂肪を1kg減らすには、約7,200kcalのエネルギーを消費する必要があるということ。これは体脂肪1gあたり約9kcalに換算されることから導き出された目安です。

しかし、実際の減量では水分量や筋肉量の変化も関係するため、単純に「7,200kcal=体脂肪1kg」とは限りません。あくまでも「7,200kcal以上の消費が必要」だという目安としてとらえましょう。

体脂肪1kg減=体脂肪率1%減ではない

体脂肪率は「体脂肪量 ÷ 体重 ×100」で決まるため、体脂肪を1kg減らしても、体脂肪率が必ず1%下がるとは限りません。体重や筋肉量が変動すると割合が変わるため、人によって数値の動きが異なります。

たとえば体重60kg・体脂肪率25%(体脂肪量15kg)の人が、体脂肪を1kg減らして体重59kgになった場合、計算式は「14 ÷ 59 ×100 = 約23.7%」。

つまり、体脂肪1kgの減少で1.3%下がることもあれば、筋肉量が減るとこの変化が小さくなることもあります。

体脂肪率を正しく下げるには、筋肉を維持したまま脂肪を減らすことが大切です。有酸素運動だけでなく、筋トレや高タンパクな食事を組み合わせて行いましょう。

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体脂肪を減らすには「アンダーカロリー状態を作る」

体脂肪を減らすには、「摂取カロリーより消費カロリーを下げる」=アンダーカロリー状態を継続することが重要です。体は足りないエネルギーを脂肪から補おうとするため、継続的なエネルギー赤字をつくることで脂肪が燃焼していきます。

まずは1日の消費カロリーを知る

消費カロリー(TDEE:Total Daily Energy Expenditure)は、基礎代謝に生活や運動の活動量を加えたものです。簡易的には「体重(kg)×30〜35」でおおよその1日の消費カロリーを求められます。

例)体重60kgの場合

軽めの活動(デスクワーク中心) → 約1,800kcal
普通の活動(通勤+軽い運動) → 約2,000kcal
活発な活動(運動習慣あり) → 約2,300〜2,400kcal

1日の摂取カロリー目安

アンダーカロリーは「消費より−300〜−500kcal」が目安です。無理な制限をせず、1か月で体重の2〜3%減を目標にします。

活動レベル 消費カロリー 摂取目安(−500kcal)
軽め(デスクワーク中心) 約1,800kcal 約1,300kcal
普通(軽い運動あり) 約2,000kcal 約1,500kcal
活発(運動習慣あり) 約2,400kcal 約1,900kcal

※極端に減らすと筋肉が落ち、基礎代謝が下がるため注意。

アンダーカロリーを作る2つの方法

アンダーカロリー状態を作るには、2つのやり方があります。それぞれ解説します。

食事で「摂取カロリーを減らす」

1食あたりのカロリーを意識して、無理なくバランスを取ったメニューに置き換えます。

食事 メニュー例 目安カロリー
朝食 オートミール+ゆで卵+無糖ヨーグルト 約350kcal
昼食 雑穀ご飯+鶏むね肉のグリル+野菜スープ 約500kcal
夕食 豆腐ハンバーグ+温野菜+味噌汁+ごはん少なめ 約450kcal
間食 素焼きナッツ・プロテインドリンク 約150kcal

合計:約1,450kcal(消費2,000kcalの人なら−550kcal)

■ポイント

・「減らす」より「置き換える」を意識(例:白米→雑穀米、揚げ物→焼き魚)
・たんぱく質(肉・魚・卵・豆製品)を毎食入れると、筋肉量を保てます
・飲み物は水、お茶、無糖コーヒーでカロリーを抑えます

運動で「消費カロリーを増やす」

食事だけでなく、運動での消費を加えるとアンダーカロリーを作りやすくなります。

運動内容 時間 消費カロリー
(体重60kgの場合)
ウォーキング(やや早歩き) 30分 約120kcal
ジョギング(軽め) 30分 約200kcal
自重筋トレ(スクワット・プランクなど) 30分 約100kcal

食事+運動で、1日−600kcalのアンダーカロリーを実現

例えば、食事−400kcal+運動−200kcal=1日−600kcalのアンダーカロリーを実現できます。これを2週間続けると、「600kcal×14日=約8,400kcal」=体脂肪約1kg分に相当します。

お酒を飲む人はどうすればいい?

短期の禁酒で体脂肪率を一気に下げるのも効果的ですが、リバウンドしやすい傾向があります。

理想は、週2日の休肝日を設けながら、アンダーカロリーを長期的にキープする方法。飲む日は糖質を控えめにして、翌日に軽い運動をプラスしましょう。

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体脂肪率を下げるペースは「速すぎてもNG」

健康的に体脂肪率を下げるためには、「ゆるやかに」「筋肉を落とさず」に進めることが大切です。急激に体脂肪を減らすと、筋肉量まで落ちて基礎代謝が下がり、リバウンドの原因になります。

体脂肪率を下げる理想的なペース

・1週間に体重の0.5〜1%減
・1か月で体脂肪率0.5〜2%減

体重60kg・体脂肪率25%の人の場合

・1か月で体重0.6〜1.2kg減
・体脂肪率は約0.5〜1.5%減

このくらいのペースを目指すと、筋肉を保ちながら脂肪だけを落としやすくなります。

体脂肪率の変化、いつ頃出る?

体脂肪率の変化は、体重よりも少し遅れて現れます。一般的には、2〜3週間で体重の変化を実感し、1〜2か月で体脂肪率の変化を数値で感じ始める人が多いです。

初期のうちは体内の水分変動が大きく、数字が安定しにくいですが、継続してアンダーカロリーと運動を続ければ、次のような流れで結果が出てくることが多いです。

3週間:見た目の変化(ウエスト・顔まわり)
6週間:体脂肪率の数値変化(−1〜2%)
8〜12週間:見た目・体脂肪率ともに明確な変化

体脂肪率を減らしたい時によくでる質問(Q&A)

体脂肪率を下げるための基本や正しい方法はわかっても、「どのくらいで効果が出る?」「毎日測るべき?」など、実際に取り組むと気になる疑問は多いものです。知っておきたいポイントをQ&A形式で紹介します。

Q:体脂肪率を下げるのに最も効果的な方法は?

A:アンダーカロリー(消費>摂取)を維持することが基本です。摂取カロリーを少し減らし、筋トレと有酸素運動を組み合わせることで、脂肪を効率よく燃焼できます。

Q:どれくらいの期間で体脂肪率が下がりますか?

A:早い人では2〜3週間で見た目に変化が出始め、1〜2か月で数値の変化を感じる人が多いです。無理せず、1か月あたり0.5〜2%減を目安にしましょう。

Q:食事制限だけでも体脂肪率は下がりますか?

A:下がりますが、筋肉量も減って代謝が落ちるためおすすめしません。食事制限と軽い運動を組み合わせることで、リバウンドしにくい体を作れます。

Q:毎日体脂肪率を測ったほうがいい?

A:毎日測っても構いませんが、水分や食事で数値が変動します。同じ条件(朝・空腹・トイレ後)で測り、1〜2週間単位の変化を見るのがおすすめです。

【16分で600kcal消費】効率的に体脂肪を減らすならHIITトレーニング!

参考:
タニタ「体組成計 内臓脂肪レベル評価基準」
厚生労働省「特定健診・特定保健指導」
国立健康・栄養研究所「生活習慣病予防のための身体活動指針」
日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン2022」
WHO「身体活動ガイドライン 2020」
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」

監修者プロフィール

美容外科 SO グレイスクリニック院長
近藤惣一郎

近藤 惣一郎医学博士(京都大学)
ロンリー侍ドクター
日本脳神経外科学会専門医
日本美容外科学会(JSAS)専門医
1988年 京大医学部卒
若返り専門の美容外科医。美は健康の上になり立つという理念のもと、正しい食生活・運動習慣・ダイエットに関する知識が豊富で、自らもダンサーとして、プロフィッシングアングラー(DAIWA)として、若さとナイスボディを保ち続ける。
Instagram:https://www.instagram.com/kondo.soichiro/

<Edit:編集部>

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