“勝つための体づくり”をAIがサポート!食事トレーニングアプリ「food coach」とは (2/3)
アスリートにとっての使いやすさに特化した
フードコーチは普通のヘルスケアアプリと目標設定が大きく異なっています。一般のヘルスケアアプリであれば生活習慣病や、栄養摂取のバランスコントロールによる欠乏症・過剰症を予防することを目標に設定するものですが、フードコーチが目指すものはアスリートのパフォーマンス向上にあります。したがって筋肉増量、コンディショニングなどの要素が加わってくるところが大きな違いになります。
▲ベータ版「フードコーチ」アプリの画面。ホーム画面に表示されるメニューを選択して、食事情報や身体情報を入力
▲食事情報の登録画面からは、一般的な家庭料理・外食・市販食品まで約10万件を超えるデータベースから、自分が食べた食事の内容を記録する。選ぶだけで簡単に栄養価の計算が行えるところがポイント
▲食事の内容は「カレー」などおおよそのレシピや使われている原材料からも検索ができる。食事の内容に自身で撮影した写真データを添付して、より詳細な情報を登録することも可能
摂取すべき食事の量には、おやつも補食と捉えた上で栄養バランスをコントロールするという考え方が含まれてきます。アスリートの場合、運動をする前後のタイミング、回数も含めて補食の周期を把握することもベストコンディションを保ちながら試合に臨むため、大切な要素になってきます。大事な試合の数日前から栄養バランスをアドバイスするなど、通常のヘルスケアアプリには存在しないコンセプトを評価項目に組み込んで、アスリートをサポートすることをフードコーチのサービスは主眼に置いています。
チームの専属栄養士や監督が、選手全員の栄養状態やコンディションをPCなどで一元管理できる「管理モード」も用意されます。例えば選手がとった食事をスマホのカメラで撮影して、フードコーチのアプリからチームのデータベースに送ると、管理画面にアクセスした監督が写真を見ながら選手の栄養状態を視覚的に把握できるようメニューが設計されています。
▲栄養バランスの成果をグラフや得点で“見える化”してくれる
▲管理モードでは個別のアスリートに宛ててアドバイスを入力できる。アドバイスの基本はAIが自動的に送る仕様
選手への“食トレ”に関するアドバイスは、過去8年間の至学館大学スポーツ栄養サポートチーム/SNSTの食事アドバイスを知見として、AIアドバイスが作成されています。チーム担当の管理栄養士が手入力でメッセージを書き加えることも可能です。
オンキヨースポーツの中島氏は、これまでフードコーチのプロトタイプでテストを繰り返してきた手応えとして、管理栄養士によるコメントに限りなく近づけられている」と評価しています。今後はサービス開始まで解析のアルゴリズムやアウトプットされるアドバイスの内容をさらにブラッシュアップしたいと中島氏は意気込みを語っています。