運動しても体が変わらない…その原因、「血糖値スパイク」かもしれません
運動しているのに、なかなか体が変わらない。トレーニングの内容や頻度は十分なのに結果が出ない場合、原因は「運動前に何を食べるか」にあるかもしれません。
なかでも見落とされがちなのが、運動前の食事による「血糖値の急激な乱高下」です。
コンビニで買ったエナジードリンクやスポーツドリンク、甘いパンなどを運動前に口にすると、血糖値が急上昇したあと急降下する「血糖値スパイク」が起きやすくなります。これがパフォーマンス低下や脂肪のつきやすさにつながっている可能性があるのです。
本記事では、運動効果を無駄にしないための血糖コントロール対策と、運動前の正しい間食について管理栄養士・やなぎかおりさんが解説します。
血糖値スパイク(食後高血糖)とは?
食後に血糖値が急上昇したあと、ジェットコースターのように急降下をするような血糖値の乱高下が起きる現象を「血糖値スパイク(食後高血糖)」といいます。

糖尿病の指標などで扱われる健康診断の空腹時血糖値は正常なことが多く、血糖値スパイクに陥っていることに気づかない傾向があり、注意が必要です。
症状を放置すると、動脈硬化・心筋梗塞・脳卒中・糖尿病などの発症リスクが高くなります。
血糖値スパイクが運動に与える3つの悪影響
① 体脂肪がつきやすくなる
血糖値を急上昇させるような食事を摂ると、それを下げるために『インスリン』というホルモンが大量に分泌されます。インスリンは、消化しきれなかった糖を脂肪に変える働きがあり、体に体脂肪として溜め込んでしまいます。

② 消化不良でパフォーマンスが落ちる
運動を始めると、酸素や栄養を筋肉に届けるために、脳は血液を筋肉に運ぶよう指令を出します。すると胃腸の消化にまわる血液が不足し、消化吸収のスピードが落ちてしまいます。
胃腸に負担のかかるエナジードリンクや甘いパンなどの糖質過多の食品は、胃もたれや腹痛などの消化不良を起こす原因となり、運動のパフォーマンスが落ちてしまうのです。
③ 運動中に低血糖に陥りやすくなる
ジョギングなどの運動を始めると、通常の場合血糖値は緩やかに下がっていきます。しかし、血糖値スパイクによる乱降下が起き、運動による血糖値降下のタイミングと重なると、余計に低血糖に陥りやすくなる場合が考えられます。
血糖値スパイクの原因は? 鍵は「食習慣」
本来であれば、食事によって血液中のブドウ糖が増えると、膵臓からインスリンが分泌され て血糖値は一定に保たれます。
しかし、この仕組みがうまく働かなくなると、血糖値が急上昇、急降下を起こします。これには食習慣の問題が大きく関わっているといわれてい ます。
- エナジードリンク、ジュースなどの液体状の糖質
- 菓子パン、和菓子など精製された小麦や大量の砂糖
とくにこのような食べ物は血糖値の急上昇を招きやすく、運動前には控えたい食品です。

血糖値スパイクを防ぐには「たんぱく質、脂質」も意識すること
運動前のエネルギー補給には、血糖値が上がりにくい工夫をすることが大切です。
炭水化物などの糖質に偏ったものではなく、たんぱく質、脂質も含まれるものを選ぶことで、血糖値の上昇を穏やかにしてくれて、持続的なエネルギー源となります。
また、糖質が吸収され るスピードをコントロールできると、より効果的です。
運動前の理想的な間食は? おすすめ4つ
具入りのおにぎり
白米ではなく、もち麦や雑穀を加えて食物繊維をプラスすることで、糖質の吸収を遅らせ ることができます。
具に鮭やツナ、おかか、桜エビ、チーズなどのたんぱく質を足し、昆布やわかめ、のりで食物繊維を上乗せできるとベストです。
ゆで卵
ビタミンC以外の栄養素がすべて入っていて、消化が良く、筋肉の材料となる必須アミノ酸がバランス良く含まれている卵はとくにおすすめです。運動後の疲労回復にも役立ちます。
最近はコンビニでも買えるので便利です。
果物
バナナやりんご、キウイなどの果物は食物繊維やビタミンが豊富です。糖質が多いので即効性のエネルギー源となりますが、お菓子などと比べると血糖値の上昇は穏やか。
卵と組み合わせると、糖質が吸収されるスピードが更に遅くなり効果的です。
ナッツ類
食物繊維や不飽和脂肪酸のオメガ3など良質な脂質が豊富で、たんぱく質も含まれてい るので、血糖値を上げにくく、代謝を上げたり血液をサラサラにしてくれる食材です。
アーモ ンド、カシューナッツ、ピスタチオ、くるみなど、ミックスになっているものだとより様々な栄養素を摂取できます。
ただし脂質は高めなので、食べる量は一食30g程度までにしましょう。
間食を摂るタイミングはいつがいい?
間食を摂るタイミングも意識することで、運動時のパフォーマンスが向上します。
運動の直前に食べてしまうと消化不良を起こしてしまうことがあるので、できれば避けましょう。
運動の1~2時間前
しっかりとしたトレーニングや長距離のランニングをするときは、食べたものがきちんと消化され、吸収してから運動時のスタミナとして使うタイミングに食べるのが有効です。
脂質は控えめに、おにぎりや果物など炭水化物中心にして、たんぱく源が入っていない場合は卵やナッツを組み合わせて摂っても良いでしょう。
運動前の30分~1時間前
軽めのランニングや筋トレ前には、ある程度消化が良く、血糖値を維持できるものを選ぶ とベターです。
果物ならバナナ1本分程度を目安に、おにぎりは手のひらサイズに収まるくらい、ナッツはつまむ程度にしましょう。
血糖コントロールで運動効果を上げよう
今回は運動効果を下げてしまう血糖値スパイクについて解説しました。運動前の間食 を正しく選択し、上手に血糖をコントロールすることで、トレーニングの効果を最大限に活か すことにつながります。
ご自分の運動スタイルに合わせて、今日からぜひ取り入れてみてくださいね。
間食や運動だけでなく、食事全体を振り返ってみて、より理想的な体作りをしていきたいと考えている方には、管理栄養士が伴走する食事改善サービス、『CHONPS』を活用するのもおすすめです。チャットやオンライン面談を活用しながら、プロと一緒に自分に合った食 習慣を無理なく築いていくことができます。
食生活の改善は、自分に合った正しい知識だけでなく、継続できる仕組みの両方が揃っていることが重要です。一人で頑張りすぎず、専門家の力を借りながら取り組んでみません か。
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執筆者プロフィール
やなぎかおり
特別養護老人ホームにて、大量調理や栄養士業務を経験。働きながら管理栄養士の資格を取得。その後、中学校給食センターにて、献立作成、給食管理、食育授業に携わる。結婚、出産を経て、ヘルスケア栄養指導士、薬膳コーディネーターの資格を取得。育児をしながら栄養に関する記事執筆、オンラインで食事指導を行っている。
<Edit:編集部>


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