ウェルネスフード
2019年2月16日

持久力がほしいランナーに最適な食事とは? サッカー日本代表・長友佑都の専属シェフがスペシャルメニューを披露 (2/3)

ランナーにオススメの食事は?

 皇居のほとりにある会場で行われた今回のイベント。窓外には、雪のちらつく寒空の下を快走する市民ランナーの姿が見えます。この日の参加者も、走ることを趣味にした人たちばかり。そこでマラソンランナーに役立つ食事が紹介されました。

 加藤シェフは「すべてのランナーにとって、いかにタイムを縮めるか、は大きな課題です。ここで求められるものは、エネルギーと持久力。私は、ファットアダプテーション食事法を薦めています」と説明します。従来、糖質をエネルギーとしていた栄養学とは異なり、同食事法は脂質をエネルギーにするもの。脂質は揚げ油ではなく、天然の魚から摂取するのが好ましい、と説明します。

▲シェフがアスリートにオススメするメニューのひとつ、お魚定食

 イベントの主催者で、東京マラソン2019のオフィシャルパートナーであるアメリカン・エキスプレス・インターナショナルにちなむと、以下のように説明しました。

「お金で例えると、糖質は財布の現金だと思ってください。たしかにエネルギーの源になる糖質だけれど、どれだけ食事しても身体に溜め込んでおける量は決まっています。このため、使い切ったら元気が枯渇してバテる。そこで頼りになるのが脂質です。脂質はいわば銀行の預貯金。財布の糖質を使い切っても、預貯金を下ろすようにしてエネルギーを補充できます。これが、ファットアダプテーション食事法のメリットです」(加藤シェフ)

▲シェフの手によるスープ料理が振る舞われました

 イベントでは、シェフの手によるスープ料理が2種類、振る舞われました。長友選手もお気に入りという「鶏肉のトマトクリームポタージュスープ」については「鶏肉をグリルして、あとはヨーグルトを混ぜています。スープを飲みながらタンパク質を30g補充できる。これは肉100gで摂取できる量に相当します。身体が冷えることはネガティブな効果につながります。なるべく身体を温めるべく、スープにして食べられるレシピを考えています」。口にすると濃厚でトマトの香りもよく、身体が芯から温まるようでした。

 もう1品は「エビとパプリカのポタージュスープ」。「エビの殻で出汁をとっています。魚介類のタンパク質を摂取しながら、脂質も摂れる。レンズ豆を使用したスープのポタージュで、パプリカもたくさん使っています。マラソンなど運動量が多いスポーツをすると、身体を酸化させる「活性酸素」が出ますが、それを抑制する効果がパプリカにはある。加熱してもビタミンが損失しにくいこともパプリカを使ったポイントです」(加藤シェフ)。味噌汁と鶏団子でも、同じようなバランスで摂取できるメニューをつくれるそう。試合の前後に、あるいは軽食として食べると良いそうです。

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