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身体活動基準「METs(メッツ)」&「Ex(エクササイズ)」とは。メタボ予防に効果的な運動量も解説

 皆さんは、将来の健康について考えているでしょうか。将来の健康状態は若いうちに決まってきます。将来を見据え、現代社会に合わせた健康づくりを考えるために、今回は日常生活や運動における身体活動の強度基準「METs(メッツ)」と、活動量をあらわす「Ex(エクササイズ)」の計算方法、そしてメタボリック症候群の予防に役立つ活動基準について解説します。

METs(メッツ)とは

METsとは身体活動における強度の基準のこと

 METsとは、厚生労働省より発表されている健康づくりのための身体活動基準を指します。2006年に作成されていましたが、2013年に新しい科学的見地を取り入れて発表され直しました。METsの考え方は、安静時を1とした際、その活動が何倍のエネルギー消費に相当するかという「活動の強度」を数値にしたものです。

身体活動の強度基準=METs(メッツ)

Ex(エクササイズ)とは

Ex(エクササイズ)とは身体活動の量をあらわす単位のこと

 また、活動量は「Ex(エクササイズ/METs・時)」という単位で表します。Exは“METs×活動した時間”で計算され、より強い身体活動ほど短い時間で1Exに相当となります。

身体活動の量をあらわす単位=Ex(エクササイズ)

METsには、掃き掃除やモップがけといった「家での活動」や「職業」、また趣味などの「多方面にわたる活動」まで数値が提示されています。言い換えれば、日常生活なども身体活動とみなされるということ。そのため、忙しくてなかなか運動の時間が作れないという方にも参考になる指標です。以下、METsの一例です。

・座位:書く、デスクワーク、タイピング 1.3 METs
・食事をする:座位 1.5 METs
・入浴:座位 1.5 METs
・シャワーを浴びる:タオルで拭く、立位 2.0 METs
・ストレッチ:ゆったり 2.3 METs
・子どもの世話:幼児、全般 2.5 METs
・水中歩行:楽な労力、ゆっくり 2.5 METs
・ベッドメイク:リネンを交換する 3.3 METs
・掃除:カーペットやフロアの掃き掃除、全般 3.3 METs
・階段を降りる 3.5 METs
・散歩 3.5 METs
・体操:全般 3.8 METs
・階段を上る:ゆっくり 4.0 METs
・部屋の片づけ 4.8 METs
・レジスタンス(ウェイト)トレーニング:スクワット、ゆっくりあるいは瞬発的な努力で 5.0 METs
・ジョギングと歩行の組み合わせ(ジョギングは10分未満)  6.0 METs
・ランニング:マラソン 13.3 METs

メタボ予防になるMETsとExは?

 厚生労働省の『健康づくりのための身体活動基準2013』によると、メタボリック症候群予防のためには「3METs以上の身体活動を1週間に23Ex行うこと」とされています。中には、運動が苦痛という方もいるでしょう。しかし先述したように、家事など「家での活動」や趣味のような「その他の活動」を行うことでも身体活動となりえます。自分に合った活動に精を出すといいでしょう。

イヤイヤ行うと効果が薄い

 ただし、ここで考えて欲しいのが、トレーニング効果を上げる「意識性の原則」です。これは、つまり「イヤイヤ行っていては効果にならない」ということです。そのため、家事も仕事も趣味も「えいっ!」と気合を入れて意欲的に行ってください。そうでないと疲労が溜まってしまい、逆効果となってしまうでしょう。

将来の健康寿命について考えてみよう

 2007年に65歳人口が21%を超え、日本は超高齢社会に突入しました。今後その傾向はますます強くなり、2025年には30%、2060年には40%に達すると予想されています。若者が少なくなり、高齢者の割合が増加することで、日本の経済力は低下してしまう危険性も高くなります。また、高齢者の年金だけでなく、医療費なども問題になってきています。以前物議を醸しだした「老後2000万円問題」も気になるところです。

 日本は世界一の長寿大国ですが、同時に世界一の寝たきり大国でもあります。その期間は男性で9.2年、女性で12.7年が平均と言われているほど。将来私たちが年をとって高齢になったとき、子どもや孫たちに年金や医療費を負担してもらうことになります。もし自分の怠慢で不健康になってしまったら、その年齢からだと挽回は難しく、老後の生活すらままならなくなってしまいます。将来のプライドのためにも、健康はとても大切です。

 年をとるにつれ、当然体力は落ちていきます。病気になり始めたから健康に気をつけて運動しようと考えても、体力は落ちていますし、しかも病気がちになってしまい運動どころではありません。そのため、そうなる前から基礎体力と健康を身につけておくことが必要です。健康は若いうちに作られます。考えてみれば当然のことですが、先のことまで見ておらず、気づいていない方は多いようです。「METs」は多忙な現代人に合わせた指標となっていますので、忙しい人こそ参考にしてみるとよいでしょう。

関連記事:“通勤や家事もダイエットになる説”、新研究で明らかに。「HIIPA」トレーニングの健康効果とは

参考文献
・(独)国立健康・栄養研究所[2012] 改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』
https://www.nibiohn.go.jp/eiken/programs/2011mets.pdf

・厚生労働省 e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise-summaries/s-03

・厚生労働省 『健康づくりのための身体活動基準2013』
https://www.mhlw.go.jp/content/000306883.pdf

<プロフィール>
赤堀達也(あかほり・たつや)
1975年・静岡県出身。小中大でバスケを指導し、独創的理論・論理的指導で体力テスト低水準校が県大会優勝するなど、選手育成を得意とする。最高戦績は全国準優勝。2019年度より旭川大学短期大学部准教授として、これらの理論を応用した幼児体育・健康の研究を行う。またパーソナルストレッチやスポーツスタッキング、部活動改革にも取組む。           
[HP] https://mt-a.jimdo.com

<Text:赤堀達也/Photo:Getty Images>

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