筋トレにサプリメントはいる?いらない?食事から栄養を摂るべき?栄養士が解説
筋トレを行う人なら、筋肉を作る栄養をサポートするプロテイン。ランニングをするランナーなら持久力や疲労回復につながるアミノ酸やBCAAなど。運動時にサプリメントを飲んでいる人も多いと思いますが、そもそもサプリメントはどんなときに摂るものなのでしょうか。
管理栄養士で健康運動指導士の廣松千愛先生と、筋肉を愛する俳優・朝日奈寛さんに筋トレにおすすめのサプリメントの選び方やメリットデメリットを聞きました。
サプリメントを飲むメリットとは
― サプリメントを摂取するメリットを教えてください。
朝日奈:やっぱり、トレーニング中やトレーニング後に手軽に栄養補給ができることが一番のメリットですかね。僕自身も自分の理想の身体にするためにプロテインだけでなく、いろんなサプリメントを飲んでいます。
廣松:そうですね、サプリメントは持ち運びやすく保存性もあるため、どのタイミングでも摂取しやすいのがメリットだと思います。また、運動量が多かったり、身体が大きかったりするアスリートの場合は、必要なエネルギーや栄養素を食事ですべて摂取しきれないこともあります。食事では足りない栄養を補助することもサプリメントを摂る目的のひとつなんですよ。
サプリメントで偏った栄養を補う
― そもそもプロテインとサプリメントは別物なのでしょうか。
朝日奈:プロテインもサプリメントのひとつですよね。トレーニーのほとんどはやみくもにトレーニングをしていくのではなく、効率よく身体をつくるためにプロテインなどのサプリメントを摂っていると思います。
廣松:はい、そうなんです。サプリメントは日本語で「補う」という意味があります。食事で不足する栄養素を補う目的で使うダイエタリーサプリメントと、競技力向上を目的としたエルゴジェニックエイドとよばれるサプリメントがあります。プロテインはたんぱく質を補うサプリメントなので、ダイエタリーサプリメントになります。
朝日奈:偏った食事をサプリメントで補えるのも大きなメリットですよね。サプリメントは、ボディメイクをしている人だけのものではなく一般の人にもぜひ摂取してもらうべきだと思います。
廣松:そうですね。例えば、海外へ行くときには食べられる食品が限られるため、サプリメントで補うことをおすすめします。また、暑さが厳しい環境で運動した後など、食事が喉を通らないときにサプリメントをうまく取り入れていくのもひとつの方法ですね。
サプリメントを飲むときの注意点
― 摂取するときの注意点はありますか。
朝日奈:頼りすぎはNGというところでしょうか。
廣松:その通りですね。サプリメントはあくまで食事を「補う」ものなので、食事から摂れる方法をまずは探しましょう。食事はただエネルギーや栄養素をとることだけが役割ではありません。食べ物を咀嚼し唾液が分泌されることで免疫機能が維持できたり、胃腸などの消化器官を動かすことで自律神経が整いやすく体調管理がしやすくなったりすることも食事の大切な役割なんです。
まとめ
☑ サプリメントは栄養の偏りを補うメリットがある
☑ 食べられる食品が限られるとき、暑さの厳しい環境下での運動時、食事があまり摂れないときに活用するとよい
☑ 基本的に栄養は食事から摂ることを意識する
☑ 食べ物を咀嚼して唾液を分泌する、胃腸などを動かすことも大切
※本記事はMELOSで公開された記事「栄養士がアドバイスする、筋トレに最適なサプリメントとは。“筋肉俳優”がヘビロテしたいサプリをピックアップ」を再編集したものです。
[プロフィール]
朝日奈寛(あさひな・ひろし)
1996年5月11日生まれ。東京出身。特技は筋トレ、サッカー、太鼓、水泳など。鍛え上げられた筋肉が美しい、アスリート系俳優。2016年Amazonプライムビデオ『仮面ライダーアマゾンズ』で演じた前原淳役(仮面ライダーアマゾンシグマ)が話題となり、2017年『新成人アワード』メンズ部門2位を受賞。tvkの『猫のひたいほどワイド』に毎週水曜日12:00~13:30レギュラー出演するなど、俳優以外でも活動の幅を広げている。
[監修者プロフィール]
廣松千愛(ひろまつ・ちより)
管理栄養士・健康運動指導士。立命館大学にてスポーツ科学や運動生理学を学んだのち、管理栄養士の資格を取得。イタリアやカナダにてアスリートなどの食事についても学び、卒業後、フリーランスの管理栄養士としてプロ野球選手寮やBリーグチームの食堂にて献立や調理を担当。現在、Jリーグユースチームや大学生アスリート、プロ選手のほかトライアスロン、射撃、サッカー、バスケットボールなどのオリンピックを目指す選手のサポートやMELOSでコラムを連載している女子100mハードルの寺田明日香選手の調理・栄養マネジメントサポートも行っており、「チームあすか」のメンバーとしても活躍。アスリートの栄養面だけでなく精神面も支えている。
<Edit:編集部/Text:山本有怜子(アート・サプライ)/Photo:有坂政晴>