疲れたときの眠り方とは。明日に疲れを残さない睡眠ポイントを専門家に教えてもらった (2/2)
夕方以降のカフェイン、タバコは控える
「カフェインは4~5時間ほど作用が持続するものなので、良質な睡眠を取りたいのであれば、夕方以降は飲まない方がいいです。タバコもニコチンの覚醒作用があります。タバコを吸わないと眠れないという人もいますが、それは完全にニコチン依存の症状です」
ブルーライトは夜間モードなどを活用しよう
なお、スマホについては、以前から目に悪いとされていたブルーライトが影響しているという。
「どうしても寝る直前までスマホを見ていないとならないのであれば、少し明るさを抑えるだけでも効果があります。最近ではブルーライトを抑えるスマホやパソコン用のアプリもあるので、活用してみるといいでしょう」(西多氏)
睡眠負債をセルフチェックしてみよう
つまるところ疲労回復につながる睡眠とは、“適度な時間”の“質の良い眠り”ということだ。では、現在の自分の睡眠が良い状態かどうかを計る手段はあるだろうか。
「まず普段の生活で、日中とてつもなく眠くなるようなことがあれば、睡眠時間が短いことを疑った方がいいです。また、お休みの日の寝坊の具合をチェックするのも、ひとつの指標になります。例えば、休日の朝に普段より2〜3時間程度の寝坊で済んでいれば、それほど問題ないと思います。しかし、4時間以上も多く寝ているのは、平日の眠りが不足して、いわゆる“睡眠負債”が溜まっている状態かもしれません」(西多氏)
ちなみに、寝坊するのが1〜2時間程度で済んでいれば、現代人としては優秀な睡眠状態にあるという。
週末にありがちな睡眠負債を防ぐポイント
睡眠負債にはあるお決まりのパターンがあるという。土曜に寝坊をして早く眠れなくなり、夜更かしをしてさらに時差ボケ状態に。月曜に睡眠不足のまま出社するというのは、よくある話だ。
休日に起こるこの負のスパイラルを断ち切るには、睡眠不足の負債をなくしていかなければならない。それには前述の対策に取り組むことが肝要だ。十分すぎるくらいの睡眠を1ヶ月程度続けて、ようやく睡眠負債を完済できるという研究結果もあるとか。
「今挙げた対策を全部完璧に実行することは難しいでしょうが、少しずつでも注意して生活に落とし込んでいくと、睡眠の質は良い方向に向かうと思います。カフェインを飲んでも関係ないと言う人が多いと思いますが、飲んでいる人の睡眠時の脳波を見てみると、明らかに眠りが浅くなっていることがわかります」(西多氏)
疲労回復につながるような深い睡眠をとるには、夜だけ工夫するのではなく、むしろ目が覚めてから寝るまでの起きている間の行動が大事。西多氏はそれを強調していた。仕事や運動の疲れがなかなか抜けない……という人は、まず生活習慣から見直してみるといいだろう。
※本記事の初出は2017年8月です。
<Text:江古田透>