2024年3月8日

納豆の栄養と効果的な食べ方。ダイエットにいい? 食べ過ぎるとどうなる? 高たんぱく食べ合わせも解説【栄養士監修】 (3/3)

賞味期限切れの納豆はどうする?

納豆も腐る! イヤなニオイがしたらNG

最後に「賞味期限の切れた納豆」や「納豆の冷凍保存」についてですが、納豆には独特のニオイがありますが腐っているわけではなく発酵によるもの。発酵と腐敗は違います。

しかし、腐らないわけではありません。納豆菌とは別の有害な菌が付着すれば腐りますし、いつもと違う嫌なニオイがしたら食べない方がいいでしょう。

納豆メーカーのHPには「期限が過ぎると風味が落ちたり臭いが強くなり本来の風味が損なわれるため、賞味期限以降はおすすめできません」と記されていることが多く、やはり賞味期限内に食べることがベストなようです。

また、納豆に適した保存温度は10℃以下。冷凍保存も可能です。パッケージを開けずにそのまま冷凍庫へ入れるか、ニオイが気になる場合は、チャック付きの保存袋に入れて冷凍するといいでしょう。解凍方法は冷蔵庫に移して自然解凍すればOKです。

練り混ぜるほどおいしくなるといわれる納豆。混ぜる回数と栄養素に関係はないようですが、まずは何もかけずに混ぜて、混ぜながらタレを少しずつ加えていくのがよいそうです。

美食家で知られる魯山人は毎回424回も混ぜていたとか。そのハードさ、シビレます。

日本人はいつから納豆を食べていたのか。納豆の起源

日本の伝統食の納豆について詳しくお伝えしてきました。ところで、日本人はいったいいつから納豆を食べていたのでしょう?

あの独特なニオイと糸を引く粘り気。普通に考えたら「腐ってる……」と思ってもおかしくはないですよね。いつ、だれが納豆を最初に食べたのでしょうか。納豆の起源には諸説あります。

納豆の原材料である大豆の栽培が普及した弥生時代、竪穴式住居の床に敷いた稲ワラに落ちた煮豆が自然発酵して納豆になったという「弥生時代説」。

聖徳太子の馬のエサの煮豆が余り、もったいないとワラに包んでおいたら自然発酵して糸を引く豆となっており、食べたらおいしかったので人々に広めたという「聖徳太子説」。

平安時代、源義家が奥州遠征で農民に煮豆を差し出すよう命令した際、急ごしらえで煮豆をよく冷まさずに俵に詰めたため、数日後に納豆になっていたという「源義家説」。

戦国大名・加藤清正が朝鮮出兵の際に煮豆を俵に入れて保存し、しばらくしたらいい匂いがするので開けてみたら納豆になっていたという「加藤清正説」。

ワラに包まれた納豆

これらのどれが本当なのかは実のところ謎なのですが、どの説にも必ず「ワラ」が登場します。原材料の大豆(煮豆)がワラの納豆菌で自然発酵したものであるというのは、納豆の起源に共通する重要なポイント。偶然がもたらした奇跡の出会いだったのです。

果たして、納豆を広く庶民が食べるようになったのは江戸時代から。江戸の人々は「ナットナットナット~」と売り歩く納豆売りから納豆を買い、「白飯・納豆・みそ汁」といった今も続く伝統的な朝ごはんを食べていました。日本の朝食の歴史に納豆あり、です。

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深野祐子[監修者プロフィール]
深野祐子(ふかの・ゆうこ)
管理栄養士・ジョギングインストラクター。Japanマラソンクラブでインストラクター兼フードアドバイザーとして市民ランナーに向け走り方の指導や食事の指導を行う。
【Japanマラソンクラブ公式サイト】http://www.jmcrun.com/

<Text:京澤洋子(アート・サプライ)>

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