熱中症予防に「下半身の筋トレ」と「プロテイン」が効果的である理由 (1/2)
筋トレで大量の汗をかく筋トレ民。もちろんトレーニング中の水分補給には余念がないことと思いますが、熱中症が心配されるこの季節、熱中症の知識と予防法はぜひ知っておきたいもの。しかも筋トレが予防にひと役買っているというのです。
熱中症とその予防法、また、筋トレと熱中症の意外な関係について、国立がん研究センター研究所がん幹細胞研究分野長を務める医師・増富健吉先生に解説いただきます。
筋トレを趣味とし、得意分野という増富先生。がん幹細胞の研究のみならず、ご自身の筋肉細胞の研究にも余念がない筋トレ民です。
熱中症を撃退! 筋肉量アップが予防対策になる?
熱中症予防には、短期的な予防と長期的な予防があると増富先生は言います。
「短期的予防は、血管内の水分の不足を予防することにつきます。すなわち水分と適度な量のナトリウムを含む電解質の摂取です。運動前の牛乳や豆乳、ヨーグルトなどのタンパク質を多く含む飲み物の摂取は、血管内に水分を引き込む力になるので脱水予防に効果的です。さらに運動中の水分と電解質のこまめな補給も熱中症の予防には重要です」(増富先生)
冒頭に増富先生がおっしゃった「血管内の水分の不足状態」を阻止することが短期的な観点での熱中症予防につながるということなのですね。では、もうひとつの観点での予防法、長期的予防とは?
「必要に応じて血管内に水分の移動をさせるための『貯水タンク』を準備することと、血管内に移動させた水分を効率的に体内に循環させるための『ポンプ』を準備することです。タンクとポンプの両方の機能を持つモノ、すなわち『筋肉』をつけておくことが極めて重要な長期的予防方法になります」(増富先生)
そもそもヒトのカラダの約60~70%が水分。なかでも水分を効率的に蓄えることができるのが筋肉です。筋肉は保水力が高く極めて効率のよい「貯水タンク」となるというのです。
熱中症対策なら下半身を鍛えるとよい
では、熱中症に強いカラダづくりのために、筋肉をつけておくとよい部位はあるのでしょうか?