50代、ファイナンシャルプランナーの場合。「50歳でサブ3目標。何も履かず、裸足で練習も」┃仕事とランの両立を目指して。#2 (1/3)
さまざまな職業に就きながら、日々ランニングに取り組む一般ランナーにスポットを当てる本連載。今回はファイナンシャルプランナーの長島良介さんにお話を伺いました。
建築士から転身して実家の保険代理店を継いだ後、現在はファイナンシャルプランナーとして多方面で活躍されている長島さん。今年50歳となり、どのような目標を持って日々走っているのか。また、忙しい中でトレーニング時間をいかに確保されているのかなど、詳しくご紹介しましょう。ランニングライフを楽しむためのヒントが見つかるかもしれません。
初めたキッカケは息子と過ごした朝の時間
大学卒業後は建築士として設計等の業務に従事した長島さん。その後、実家の保険代理店を継ぐこととなり、損保・生保を取り扱うほかファイナンシャルプランナーの資格を取得。現在は代理店事業にて合併した株式会社LiN CORPORATIONに所属し、一般社団法人東京都相続相談センター・理事、またファイナンシャルプランナーとしての個人、法人のライフプランニング業務など幅広い仕事を手掛けています。
そんな長島さんがランニングと出会ったのは6年ほど前のこと。ダイエットや健康管理などを目的に走り始める方が多い中、そのキッカケは“家族”への思いやりでした。
「当時、息子が中学3年生だったんです。夏休みを迎えたのですが、部活動は終わっており、付属中のため受験に追われることもありません。そのため、なんとなくフラフラと過ごしてしまうような懸念があって、朝一緒に走ろうと誘ったんですよ。毎朝30分ゆっくり走るんですが、息子は文句を言いながらも、ちゃんと40日間続けてくれました。息子は夏休みが終わるのと同時に走らなくなったのですが、そこからが私のランニングライフの始まりです」
しかし長島さんは30歳の頃に腸脛靭帯を痛めた経験があり、“走る”ことが5年ほどできなかったとのこと。当時サッカーも始めたそうですが、最初は10分動ければ良い方だったと言います。では、なぜそのままランニングを続けようと決めたのでしょうか。
「ちょうど夏休みが終わる頃に、小出義雄さんの本を読みました。その本を通じて、ただ走るだけでなく、マラソンという世界があることを知ったんですよね。実は当時、妻が走っていたんですけれど、あまり自分事として考えていませんでした。でも、私だって息子と一緒に40日間走れたわけです。そこで、まずは本に書かれていることを実践してみることに決めたというのが、マラソンへ挑戦したキッカケになります」
息子さんを気遣って始めた朝のランニングから、新しく“マラソン”という挑戦を見つけた長島さん。奥さんとも共通の趣味ということで、現在は一緒にマラソン大会へ参加することもあるようです。
目指すはサブ3!朝時間を活用して継続的なトレーニング
ランニングを始めた長島さんが初めて大会を走ったのは、2013年の『かすみがうらマラソン』。ハーフマラソンなどを経ず、いきなりフルマラソンへ挑戦しました。それまでは本を参考にしながら、ビルドアップ走などを中心にトレーニングしたとのこと。大会本番でもBCAAサプリやエナジージェルを持ち、直前にお餅を食べて大会に臨んだそうです。
「初めてのフルマラソン。20kmまでは調子が良かったのですが、そこから両脚が痙攣してしまいました。とにかく両脚がもの凄く痛い。でも、絶対に完走だけは果たしたいと思い走り続け、ボロボロながら4時間14分でゴールしたんです。あれはキツかったですね。しかしそれ以外にも、走り始めてから大会であちこち痛みが出てしまい、試行錯誤しながら取り組んでいきました。サブ3を目標に掲げ、大量のランニング関連本を読み漁り、自分なりに研究しましたよ。結果的に、現在フルマラソンの自己ベストは3時間11分。今年の水戸黄門マラソンでの記録です」
長島さんは現在50歳。歳を経てなお記録を更新し続けるのは、まさに素晴らしいの一言ではないでしょうか。2015年には『柴又100K』でウルトラマラソンにも初挑戦し、完走を果たしています。もちろん、ただ自然と走れるようになったのではありません。その背景には、やはり継続的な練習がありました。