カラダに入る水分の40%は食事から。専門家「1食抜くとペットボトル1本分の水分が不足することに」
「熱中症は、日常生活の中で予防ができる病気」と語るのは、熱中症にくわしい、神奈川県済生会横浜市東部病院 患者支援センター長で医学博士の谷口英喜先生。
熱中症予防は、発生の元となる「暑さ・蒸し暑さ」と「脱水症」を防ぐことが重要です。熱中症になったときの対処法を知ることももちろん大切ですが、日常生活で対策を行うことがもっとも重要なポイントです。
対策1 暑い・蒸し暑いから逃げる
最近の天気予報では、気温・湿度・輻射熱(赤外線)の3つの要素を計測した「暑さ指数(WBGT)」が示されます。
朝、天気予報を確認し、その日の指数に応じて行動するようにしましょう。3つの要素の中では湿度が熱中症の発症ともっとも密接に関係するため、梅雨や梅雨明け後の6月、7月は特に注意が必要だといいます。
対策2 コップ1杯を1日8回程度飲む
脱水症を防ぐため、ただやみくもに水分補給をすれば良いというものではありません。
「カラダに入ってくる水分量」と「出ていく水分量」が同量でバランスがとれており、体内の水分量が常に一定なのが望ましい状態です。
カラダに入る水分のおよそ半分は飲み物からですが、一度に大量に飲んでも、尿として体外に排出されてしまうだけ。そこでコップ1杯を1日8回程度こまめに飲むのが、上手な水分補給法になります。
対策3 カラダに入る水分の40%は食事から。規則正しい食生活こそ、水分補給になる
熱中症対策で忘れられがちなのが、カラダに入る水分の約40%は食べ物からだということ。規則正しい食生活をしていれば、脱水症になるリスクは下げられるのです。
たとえばスープ、サラダ、ヨーグルト付きのカレーセットなら、総量815mLもの水分がとれることに。
しかも食事からとった水分は吸収に時間がかかるため、飲み物と違って体内に長い時間留り、これも脱水症を防ぐポイントになります。
欠食すると水分が不足する
1日に摂取する食事に含まれる水分量は約1500mlで、単純計算すると1食あたり500ml。つまり、食事を1食抜くとペットボトル1本分の水分が不足することになります。
とくに朝は、寝汗で脱水状態になっているため、朝食を抜くと昼食時まで脱水状態が続くことになってしまいます。
脱水症や熱中症を予防するには1日3食規則正しく食事を摂ることが大切であり、水分を豊富に含む夏野菜や果物を摂ることは、熱中症対策に適しているといえます。
<Edit:編集部>