
ダンベル腹筋10選|立ったまま・床・ベンチで効かせる最強メニュー
毎日腹筋をしているのに、なかなか変化が出ない。そんなときはダンベルで負荷を一段上げてみては。
いつも同じメニュー・同じ負荷だと、腹筋が刺激に慣れて、効果が停滞してしまう原因になります。
通常の腹筋運動にどのようにダンベルを取り入れたらいいのか、スポーツ整形外科医・樋口 直彦先生に教えてもらいました。
立ったままできる「ダンベル・サイドベント」など、自重より高負荷で効率よく鍛える方法を紹介します。
<このページの内容>
1.ダンベル・クランチ
ダンベルの持ち方
1.胸の上に乗せる
胸の上(女性はアンダーバスト付近)にダンベルを水平にのせて、両手で軽く押さえながらクランチ動作を行います。この持ち方は腹直筋上部にダイレクトに負荷が集中することで、動作の軌道が安定します。
2.両手で持つ
体の上でダンベル1つを両手で握り、天井に差し出すようにして、上体を上げます。この持ち方は、体幹全体と腹直筋に均等に負荷がかかり、より深い収縮を促します。
クランチの正しいやり方
1. 仰向けに横になり、膝を軽く曲げる
2. 肘を軽く曲げ、両手を頭の後ろへセットする
3. お腹を意識して上半身を丸めるイメージで起こしていく
4. 上体を起こしたら、お腹を意識してゆっくりと戻していく
実施回数
15回×3セット
効果を高めるポイント
・おへそをのぞき込むイメージで
・つま先を上げてかかとで踏ん張ってもOK
・首ではなく背骨をゆっくり丸めるイメージで
・お腹の収縮をしっかり意識する
・キツくなっても最後までリズムを崩さない
鍛えられる筋肉(場所)
・腹直筋
・腹斜筋 etc…
2.ダンベル・シットアップ
ダンベルの持ち方
体の上でダンベル1つを両手で握り、天井に差し出すようにして、上体を上げます。この持ち方は、体幹全体と腹直筋に均等に負荷がかかり、より深い収縮を促します。
シットアップの正しいやり方
1. 仰向けに横になり、膝を曲げて脚を伸ばす
2. 息を吐きながら、おへそを覗き込むように上体を起こす。腰が上がらないように注意!
3. 上体を起こし終わったら、息を吸いながら肩甲骨が付かない程度にゆっくりと倒す
実施回数
10回×3セット
効果を高めるポイント
・息を吐きながら、おへそをのぞき込むように上体を起こす
・反動を使わずに毎回丁寧に行う
・肘を内側に入れず胸を張る
鍛えられる筋肉(場所)
・腹直筋
・腹筋上部 など
3.ダンベル・プランク
ダンベルの持ち方
背中の上に乗せる
ダンベルを背中の上、腰当たりに乗せて、プランクを行います。重さが加わることで負荷が大きくなり、深層の腹横筋まで強烈に刺激します。
プランクの正しいやり方
1 両肘を床につけ、うつ伏せになる
2 腰を浮かせる
3 頭、背中全体、腰、かかとが一直線になるように意識する
4 そのまま30秒キープする
実施回数・時間
はじめての人:正しいフォームで10秒~30秒
初心者:20秒×3セット(セット間の休憩は10秒程度)
慣れている人:60秒×3セット
プランクの時間を伸ばしても、効果が高まるわけではありません。長時間できるということは、楽にできる=負荷が少ないということです。崩れたフォームで長時間行うより、正しいフォームで短時間×3セット行うほうが効率的です。
効果を高めるポイント
・背筋を伸ばして、横から見て、体全体が一直線になるようにする
プランクをやる際の注意点
・お尻が下がっていないか、上がりすぎていないか
・肩が丸まっていないか
・呼吸することを忘れていないか
鍛えられる筋肉(場所)
・腹筋群
・体幹 など
4.ダンベル・レッグレイズ
ダンベルの持ち方
ダンベルを縦にして、足裏またはくるぶしあたりで挟んで行います。下腹部にかかる負荷が増幅され、腹直筋下部を効率的に鍛えます。
レッグレイズの正しいやり方
1.仰向けに寝転がって、両手の手のひらを床に置く
2.かかとをくっつけて両足を浮かせる
3.床から90度になるように足を上げる
4.地面ギリギリまで足を下げる
実施時間
20秒×3セット
効果を高めるポイント
・呼吸を止めないようにして、足を下げるときに息を吐く
・足を下げたときに床につけない
・お尻や背中が地面から浮かないようにする
鍛えられる部位
・腹直筋
・腹横筋
・腹斜筋
・腸腰筋 etc…
5.ダンベル・トゥタッチクランチ
ダンベルの持ち方
ダンベルを片手に持って、足にタッチします。この持ち方は、上体の上下動において腹直筋全体を動員し、筋持久力を向上させます。
トゥタッチクランチの正しいやり方
1. 仰向けに横になり、片膝は立てて片足は伸ばす
2. 右側の足と左側の手を上げて、つま先と手を合わせる
3. 上記を左右交互に繰り返す
実施回数
左右 各10回×3セット
ポイント
・タッチはできるだけ高い位置で行う
・目線は上に向け、筋肉の収縮をしっかり意識
・タッチする手と足は、まっすぐ伸ばしたまま
鍛えられる筋肉(場所)
・腹直筋
・腹斜筋
6.ダンベル・ニートゥチェスト
ダンベルの持ち方
ダンベルを縦にして、足裏またはくるぶしあたりで挟んで行います。下腹部にかかる負荷が増幅され、腹直筋下部を効率的に鍛えます。
ニートゥチェストの正しいやり方
1. 安定する位置に両手を置き少し後ろに体重をかけるようにする
2. 両脚を浮かせたらお尻でバランスを取る意識をする
3. 両脚の膝を胸に引き寄せていく
4. 脚を下げながら伸ばしつつ地面ギリギリで止めるを繰り返す
実施回数
10回×3セット
効果を高めるポイント
・膝を胸に引き付けるイメージ
・足をしっかり伸ばすことで、引き締め効果がアップ
・おへそを見るように体をしっかり丸める
・足の曲げ伸ばしよりも腹筋の収縮を意識
鍛えられる筋肉(場所)
・腹直筋下部
・大腿四頭筋 etc…
7.ダンベル・ロシアンツイスト
ダンベルの持ち方
両手でダンベルを持ち、ロシアンツイストを行います。回旋動作の安定性を高めて、腹直筋と腹斜筋の収縮を深めます。
ダンベル・ロシアンツイストの正しいやり方
- ダンベルを両手で持ち、体育座で上体を少し下げた状態にします
- 両足のつま先を床から浮かせ、かかとで踏ん張る状態でキープします
- 持っているダンベルを固定しながら上体を左右にひねる
実施回数
30秒
効果を高めるポイント
・ひねったときに一瞬キープし、呼吸は止めない
・お腹からひねる
鍛えられる部位
・腹斜筋
・外腹斜筋
・内腹斜筋 etc…
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8.ダンベル・サイドベント
ダンベルの持ち方
片手にダンベルを持ってサイドベントを行います。腹斜筋への負荷を最大化して、ウエストラインを絞り込みます。
ダンベル・サイドベントの正しいやり方
- 足を肩幅に広げ、片手でダンベルを持つ
- 胸を張って片手は頭の後ろに添え、ダンベルを持っている方向に体を倒していく
- 倒したあとはゆっくり体を戻していく
実施回数
左右各15回×3セット
効果を高めるポイント
・ダンベルをゆっくり動かすと効果的
・ダンベルは体の近くで、離れすぎないように動かし、膝の位置を目安に下げていく
・骨盤が動くと効果が下がるので、腰が傾かないように注意
鍛えられる部位
・腹斜筋 etc…
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9.ダンベル・コークスクリュー
ダンベルの持ち方
片手でダンベルを持ちます。ひねり動作の収縮を強化して、腹斜筋と体幹を同時に刺激できます。
ダンベル・コークスクリューの正しいやり方
- 腕立ての姿勢で、片手でダンベルを持つ
- ダンベルを持った右手を左わき下持っていくように捻ったあと、ダンベルを持った手を天井へ伸ばす
- これを繰り返す
バランスを取るのが難しいエクササイズです。重いダンベルを扱うより、軽いダンベルで正確な動作を心がけましょう。
実施回数
左右 各10回×3セット
効果を高めるポイント
・体をひねるときに、バランスを崩さないようにする
・呼吸は止めない
・リズムを崩さない
鍛えられる筋肉(場所)
・腹斜筋
・体幹 etc…
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10.ダンベル・腹筋ベンチ
ベンチで傾斜をつけて腹筋運動をすることで、さらに負荷を高めることができます。ここでは、「デクラインシットアップ」と「デクラインリバースクランチ」を紹介しましょう。
ダンベル・デクラインシットアップ
■ダンベルの持ち方
<両手で持つ>
体の上でダンベル1つを両手で握り、天井に差し出すようにして、上体を上げます。ベンチで傾斜がつくことで、通常のシットアップよりもさらに体幹全体と腹直筋に負荷がかかり、より深い収縮を促します。
■デクラインシットアップのやり方
1. 頭が下になるようにベンチの上に仰向けになる
2. 膝を曲げて、足先と下半身は固定する
3. おへそをのぞき込むように腰を持ち上げる
4. 腰からゆっくりと下ろしてスタートポジションに戻す
■実施回数
10回×3セット
■ポイント
・反動を使わずに、上体を持ち上げる
・フォームを意識する
・腹筋に力が入るよう意識
■鍛えられる筋肉(場所)
・腹直筋
・腸腰筋 etc…
ダンベル・デクラインリバースクランチ
■ダンベルの持ち方
ダンベルを縦にして、足裏またはくるぶしあたりで挟んで行います。下腹部にかかる負荷が増幅され、腹直筋下部を効率的に鍛えます。
■デクラインリバースクランチのやり方
1. ベンチへ仰向けになり、両膝を曲げる。
2. ベンチの端を持ち、両足をベンチから浮かす。
3. 両膝を顔の前まで持っていくように背中を丸めていき、足を持ち上げる。
4. 限界まで持ち上げたらゆっくりと脚を下ろす。
■実施回数
10回×3セット
■ポイント
・呼吸を止めない
・腹筋に力を入れ、足を限界まで高く持ち上げる
■鍛えられる筋肉(場所)
・腹横筋
・腹直筋
・腹斜筋 etc…
Q&A:ダンベル腹筋トレーニングに関するよくある質問
Q1. ダンベルは何kgから始めればいい?
初心者は2〜3kg程度の軽量から始めるのがおすすめです。フォームが安定したら徐々に重さを上げていきましょう。
Q2. 女性でもダンベル腹筋はできますか?
もちろん可能です。胸の上に置く場合は女性はアンダーバスト付近に置くと安定しやすく安全に行えます。
Q3. 週に何回やれば効果が出る?
腹筋は回復が早い部位ですが、毎日やるよりも2〜3日に1回のペースで行う方が効果的です。休息もトレーニングの一部です。
Q4. 自重の腹筋運動との違いは?
ダンベルを使うことで負荷が増し、少ない回数でも効率的に筋肉を刺激できます。停滞期を打破するのにも役立ちます。
Q5. お腹痩せにも効果はある?
筋肉を鍛えることで基礎代謝が上がり、脂肪燃焼が促進されます。ただし部分痩せは難しいため、有酸素運動や全身の筋トレと組み合わせることが重要です。
ダンベル指導者プロフィール
なか整形外科京都西院リハビリテーションクリニック
院長 樋口 直彦 先生
帝京大学医学部卒業後、いくつかの病院で勤務し、院長を経験後、2021年1月に医療法人藍整会 なか整形外科の理事長に就任。バレーボールVリーグ「サントリーサンバーズ」のチームドクターも務める。骨折治療をはじめ関節外科、スポーツ整形外科を専門に治療。
トレーニング指導者プロフィール
鳥光健仁(とりみつ・たけのり)
フィットネスランニングトレーナー。1991年生まれ、千葉県出身。出張パーソナルトレーナー、SUUNTO 5 アンバサダー、VX4アドバイザリー、HOKA ONE ONE サポート。
(株)BOOST(https://boost-inc.jp/)マネジメント契約、故障せずに年間7000kmを走破する男を合言葉に、積極的にランニングを行っている。
<Edit:編集部>