「毎日スクワット30回」の効果とは。続けると身体はどう変わる? (1/2)
キングオブエクササイズと呼ばれる筋トレの王様「スクワット」。そのスクワットを毎日30回やると、体はどう変わるのでしょうか?パーソナルトレーナー・深澤 智也さんに聞きました。
毎日スクワット30回の効果は?
「たった数分の運動でも、続けることで筋肉や代謝、見た目に少しずつ変化が起こります。30回でも正しいフォームで行えば、お尻・太もも・体幹がバランスよく刺激され、全身の引き締めにつながり、代謝が上がって脂肪が燃えやすい体になります。
運動が苦手な人や忙しい人でも、継続しやすく効果を実感しやすいトレーニングです」
スクワットを毎日30回行ったときの効果や変化、正しいやり方、続けるコツを解説します。
スクワットを毎日30回続けるとどうなる?
スクワットを毎日30回続けると、体の内側から少しずつ変化が起こります。下半身の筋肉が引き締まり、代謝が上がり、姿勢まで整うのが特徴です。ダイエット目的だけでなく、健康維持にも効果があります。
1週間続けたときの変化
最初の1週間は、太ももやお尻の筋肉に張りを感じることが多くなります。普段あまり使われていない筋肉を刺激するため、筋肉痛になる人もいます。まだ見た目の変化は少ないものの、下半身のむくみが軽くなり、脚がすっきりする実感を持つ人もいます。
この時期はフォームを身につける期間です。膝や腰に負担をかけないように、動作を丁寧に行うことが大切です。最初からスピードを上げず、1回ずつ正確にしゃがむことを意識しましょう。
2週間続けたときの変化
2週間ほど経つと、筋肉痛は落ち着き、動作に慣れてくる時期です。見た目の変化はすくないものの、股関節の動きがスムーズになったり、体が軽く感じるなど筋力と可動性の小さな変化が体感しやすくなります。
体が動きに慣れ、呼吸とフォームが安定してくるため、トレーニングの効率も上がります。筋肉量の増加とともに基礎代謝が上がり、以前よりも汗をかきやすくなる人もいます。数字の変化より、鏡を見たときの「見た目の変化」を感じやすいタイミングです。
1ヶ月続けたときの変化
1ヶ月継続すると、見た目や体調に明確な変化が出てきます。太ももやお尻が引き締まり、パンツのラインがすっきりする人が多いです。正しいフォームが身につく時期で、股関節優位でしゃがめるようになるため下半身だけでなく全身のラインも整ってきます。

スクワットは下半身の大きな筋肉(大腿四頭筋・ハムストリングス・大臀筋)を使うため、日常生活の動きも軽くなります。階段の上り下りや立ち仕事で疲れにくくなるのもこの頃からです。
ただし、筋肉の回復が追いつかないほど強度を上げると、疲労が蓄積して効果が下がるため、30回のペースを保つのが理想です。関節などに痛みが出てきた場合は、正しいフォームになっているか、鏡でチェックしましょう。
半年続けたときの変化
半年間続けると、筋肉の密度が上がり、体のシルエットに明確な違いが出てきます。大殿筋・大腿四頭筋・ハムストリングスがバランス良く鍛えられるため、お尻の位置も上がり、脚全体が引き締まって見えるようになります。
この時期になると、スクワットが日課となり、体調の変化にも敏感になります。血流が良くなることで冷えにくくなり、肌の調子が安定する人もいます。筋トレが生活の一部になると、自然と食事や睡眠の質も整い、ボディラインがより安定します。
1年続けたときの変化
1年間続けると、単なる部分的な引き締めを超えて、体全体のバランスが整います。太もも・お尻・体幹の筋肉が連動して動くようになり、姿勢や歩き方が美しくなります。代謝が高い状態が維持されるため、体重が増えにくく、リバウンドしにくい体に変わります。
スクワットは下半身だけでなく、全身の血流を促す効果があるため、肩こりや腰痛の改善にもつながります。1年を通して続けることで、見た目だけでなく「疲れにくく、軽やかに動ける体」を手に入れられます。
「太ももが太くなった」と感じる理由
スクワットを始めた人の中には、「脚が太くなった気がする」と感じる人もいます。これには、『つま先重心』『股関節が引けていない(ヒンジ動作)』が主な原因で、太ももの前(大腿四頭筋)ばかりが強く働いてしまうことで局所的に筋肥大してしまうからです。
お尻を後ろに引くようにしゃがんだり、つま先と膝の方向を揃えたりすることで、太ももの前面に偏らず、下半身全体をバランスよく鍛えられます。
また、入浴後のマッサージやストレッチを取り入れることで血流が促され、むくみを防ぐことができます。数週間続けると、引き締まったラインに変わり、最初の「太くなった」印象は自然に解消されます。
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スクワット100回、1か月続けるとどうなる?効果と正しいやり方をトレーナーが解説







