【スロースクワット】スクワットをゆっくり行う効果とやり方 (1/2)
自重スクワットは、下半身全体から体幹部分まで、広範囲の筋肉を鍛えることができます。運動量も大きく、ダイエット効果も高い非常に優れたエクササイズです。トレーニング器具も広いスペースも不要なので、自宅などで手軽に行えることも大きなメリットでしょう。
あえて問題点を挙げるなら、上達するほど筋肉への刺激が少なくなってしまうこと。
筋トレにおける3大原理のひとつに、「過負荷の原理」というものがあります。これは、筋肉の成長を続けるためには負荷を増やしていかなくてはならないという内容です。
スクワットに限らず、すべての自重筋トレに共通することですが、重量負荷を増やせないのであれば、回数を増やすことが、負荷を高めるのにもっとも手っ取り早い方法です。
しかしそれと比例して、トレーニング時間も長くなっていきます。また、同じ動作を続けることによる関節への負担と、精神的な飽きも見逃せません。
そこで紹介したいのが、筋トレの動作に時間をかける「スロートレーニング」です。
スロートレーニングとは
筋トレ歴が長い人なら、「スロートレーニング」という言葉をご存じかもしれません。これは、日本人メジャーリーガーのパイオニア・野茂英雄氏の専属トレーナー、大川達也氏が指導したトレーニング法ということで、2000年代前半頃には日本でもかなりの注目を浴びました。
スロートレーニングとは、文字通りゆっくりしたスピードで筋トレを行うこと。非常にわかりやすい呼称だと思いますが、実のところ和製英語です。その元になった原語は「High-Intensity Training」で、よく“HIT”と略されます。
流行の「High-Intensity Interval Training(HIIT)」と似ていますが、スロートレーニング(HIT)は1970年代に始まった理論。言葉としても理論としても、スロートレーニング(HIT)の方が老舗です。
そんなHITの日本語訳であるスロートレーニングには、以下のようなメリットがあります。
スロートレーニングのメリット
- トータルで見ると少回数、短時間で済む
- 関節に過度の負担がかからないので、怪我のリスクが低くなる
- 正しいフォームを習得しやすい
- 反動を利用せず、筋肉を効率的に鍛えることができる
スロートレーニングは、最先端のトレーニング理論というわけではありません。しかし決して今でも否定されているものではなく、むしろ長い年月をかけて有効性が証明された方法だと言えるでしょう。
スロートレーニングの基本のやり方
スロートレーニングの代表的なやり方を自重スクワットに当てはめると、以下となります。
スクワットでスロートレーニング
- 立ち上がった状態から3秒かけて腰を下ろす
- そのまま1秒静止する
- 約4秒かけて立ち上がる
- そのまま1秒静止する
- 次の回に移る
この動作を、10~15回を1セットとして、3~5セットほど行ってみてください。おそらく、かなりの負荷となるでしょう。
スロースクワットを動画でチェック
エキセントリック(伸張性収縮:筋肉が伸びる局面)に3秒かけ、1秒間休息してコンセントリック(短縮性収縮:筋肉が縮む局面)に4秒かけ、そして1秒間休息するというやり方です。
バーベルを持ち上げるスクワットやベンチプレスでこのやり方を行うと、通常のスピードで行うよりはるかに軽い重量で大きな効果を得ることができます。
3-1-4-1テンポは、他の筋トレ動作にも用いることができます。たとえば腕立て伏せなら以下の通りです。
腕立て伏せでスロートレーニング
- 約3秒かけてヒジを曲げる
- そのまま1秒静止する
- 約4秒かけてヒジを伸ばす
- 約1秒静止し、終わったら次の回に移る
テンポの長さや間隔は変更可能です。
たとえば5-0-1-0で行うと、鍛えたい筋肉へ意識を集中させる狙いがあります。
\スロープッシュアップを動画でチェック/