炭水化物抜きダイエット、糖質制限、糖類ゼロ、糖質ゼロ…ごっちゃになりやすいけど何が違うの? (1/2)
ダイエットやボディメイクなどカラダづくりに取り組んでいると、「糖質制限している」「夜は炭水化物を少なくしたほうがいい」などという話を耳にするかもしれません。
糖質や炭水化物を制限すると体重が落ちやすくなることは、大手のボディメイク専門パーソナルトレーニングジムなどが大々的に宣伝したことで、一般にも幅広く知れ渡るようになりました。
しかし、ここで疑問点がひとつ。「糖質」と「炭水化物」はなにが違うのか。また、「糖質」と「糖類」の違いや、「糖類ゼロ」「糖質ゼロ」の区別など、知っているようで知らない人は多いかもしれません。
今回は初心者のために、「糖」について少し踏み込みながら解説します。
炭水化物と糖質の違いとは
まずは、炭水化物と糖質の違いについて。簡単にまとめると、炭水化物>糖質>糖類という順で小さく分類されることになります。
炭水化物
炭水化物は、たんぱく質・脂質と合わせて3大栄養素と言われます。
多くの方はご存じの通り、お米やパン、麺類などが炭水化物に分類され、カラダのエネルギーとして使われる栄養素です。
食品に記載されている栄養成分表示には、エネルギーやたんぱく質、脂質とともに炭水化物量が記載されています。
糖質
もしかしたら、「炭水化物」=「糖質」と思っている人がいるかもしれません。しかし、正確には炭水化物と糖質は異なります。
糖質とは、「炭水化物」の中から「食物繊維」の分を取り除いたもの。つまり、糖質は炭水化物の一部ということになります。このことから、糖質制限と炭水化物制限では内容が異なることが分かるでしょう。
糖質にはでんぷん、糖アルコール、オリゴ糖などがあります。そして炭水化物のエネルギー源は、この糖質が担っているのです。
糖類
炭水化物と糖質のほかに、「糖類」というものもあります。糖質と糖類はどう違うのでしょうか。
糖類は、糖質から多糖類・糖アルコールを除いたものと分類されます。「糖質」は糖類や多糖類(米や小麦、イモ類に含まれるデンプン)、糖アルコール(天然の甘味料キシリトールなど)などをまとめたもの。そして「糖類」は糖質の一部で、糖質から多糖類・糖アルコールなどを除いたものと言えます。
さらに糖類は、単糖類(ブドウ糖、果糖など)と二糖類(砂糖など)に分けられます。
糖質の種類が分かったところで、次はよく耳にする「糖質制限」と「低炭水化物ダイエット」の違いを探っていきます。
炭水化物=糖質&食物繊維ということは、低炭水化物ダイエットは食物繊維も制限するということなのでしょうか。
低炭水化物ダイエットと糖質制限の違い
ダイエット方法のひとつに「低炭水化物ダイエット」と「糖質制限」があります。炭水化物や糖質の違いを知らなければ、同じものだと勘違いしやすいかもしれません。
先述の通り炭水化物と糖質は異なるものですが、実際にはほとんど同じ扱いとして取り組まれているのが現状です。
低炭水化物ダイエットと糖質制限ダイエット。はっきりとした違いの定義は今のところないですが、糖質制限ダイエットのほうが糖質量の制限が厳しい傾向にあります。低炭水化物、糖質制限、低糖質、ローカーボ(ロカボ)などの言葉は同じような意味で使われていることが多く、食事から糖質を減らしてダイエットをすることを意味しています。
「炭水化物抜きダイエット」と「糖質制限ダイエット」の違いは?│管理栄養士の食トレ学
エネルギー源の摂取を抑えるためには、炭水化物ではなく糖質を制限する必要があります。なぜなら炭水化物に含まれる食物繊維は、エネルギーとしては使われず体調を整えるために必要なものだからです。
そのため、糖質制限のために炭水化物を一切摂取しなくなってしまうと、食物繊維が不足して腸内環境の悪化などに繋がるのです。