インタビュー
2017年11月8日

「バレーボールを選ばなくてもいいよ」。母が言った言葉が私の将来を決めた。元バレーボール日本代表木村沙織(後編)│子どもの頃こんな習い事してました #4 (3/3)

人に恵まれたということはすごく思います。中学高校は生徒の自主性を重んじる学校で、勝つために先生の言葉を待つのではなく「自分でみつけなさい」と指導されました。そう教えてもらったことは選手生活に生きています。その学校に行けたのは家族のおかげです。仲間にも恵まれていました。小学4年生でいったんバレーをやめたときに「戻ってきなよ」と電話してくれた子もそう。あの電話がなかったらそのままやめてたかも(笑)。

――人に恵まれたのは、木村さんご自身の人柄によるところも大きいはず。生き方において大切にしていることはありますか。

小さなときから母に「あなたはラッキーガールだから」といつも言われてきました。全日本チームに選ばれたときも、私のプレーがどうこうではなく「あなたは運があるだけ」、賞をいただいたときも「ラッキーだったね」と言われました。そのせいか試合で「これを取られたら負けてしまう」という状況でも、「大丈夫、私はラッキーだから」と思える。それは母のおかげです。いいんだか悪いんだかわからないですけど(笑)。

――将来、自分の子どもに「こんな習い事をしてほしい」という思いはありますか。

全然ないですね。スポーツはしてほしいけれど、その子に合うものをみつけてあげたい。その子がやりたいことをやらせてあげたい。

――2016年末にご結婚され、今は旦那さんのサポート役に回っているわけですが、夫婦円満のために気をつけていることはありますか。

そうですね……、あまり意識したことなかったな。自然体ですね。同い年なのであまり我慢するようなこともないし、ケンカもないですし。旦那さんに限らず思いやりを大事にしたい。バレーはボール1個を次の人につなぐために、相手のことを考えたボールを出さなければなりません。それはバレーを通して学んだことでもあるので、思いやりの心は欠けないようにしたいと思っています。

――ご結婚されたばかりですが、理想の家族像は?

うーん、ふつうの回答ですけど、みんながハッピーな家がいいなと思います。

[プロフィール]
木村沙織(きむら・さおり) 1986年生まれ。埼玉県出身、東京都育ち。小学2年からバレーボールを始め、中学時に主力選手として全日本中学校バレーボール選手権大会優勝、高校時に春高バレーで優勝を経験する。高校2年で初めて日本代表入りを果たし、卒業後は東レに所属。2016年一般男性と結婚。2017年3月現役引退

<取材・撮影協力>
bills 銀座
[住所]東京都中央区銀座2-6-12 Okura House 12F
[営業時間]8:30〜23:00(ラストオーダー:フード22:00、ドリンク22:30)
[電話番号]03−5524−1900
[公式サイト]http://billsjapan.com/jp/

▼前編はこちら

ピアノ、英会話、習字。実はバレーボール以外はあまり続かなかったんです。元バレーボール日本代表・木村沙織(前編)【子どもの頃こんな習い事してました #4】 | 子育て×スポーツ『MELOS』

<Text:安楽由紀子/Edit:アート・サプライ(丸山美紀)/Photo:小島マサヒロ>

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