
「父親からの愛情不足」で育った女性の特徴とは。“尊敬できないパパ”は恋愛面で影響も (1/2)
男性との距離感がうまく掴めない、よくない男性とばかり付き合ってしまう。その背景には、“父親との関係”が関係しているかもしれません。
子どもにとって親の存在は、「安心感」や「自己肯定感」を育むうえで大きな役割を持ちます。とくに父親からの愛情や関心が乏しかった女性は、大人になってから対人関係や自己評価に影響が出ることも。
今回は、父親からの愛情不足で育った女性に見られやすい特徴と、抱えやすい問題について、子どもの成長発達にくわしい臨床心理士、公認心理師で一般社団法人マミリア代表理事の鎌田怜那さん監修のもと解説します。
子どもにとっての父親の心理的役割とは
子どもにとって、父親の存在は母親とはまた違った「心理的な役割」を持っています。
① 社会とのつながりを教える“外の世界の象徴”
母親が「家庭=安心の基盤」だとすると、父親は「社会との橋渡し役」とされます。父親との関係を通して、子どもは他人との距離感や社会のルールを学ぶことが多いといわれます。
② 自立心や挑戦心を育てる存在
父親は、子どもが親から自立する過程で「乗り越える対象」となることがあります。厳しさの中にある愛情や、父親からの承認を得る経験が、自信や挑戦する力につながります。
③ 自己肯定感や性のアイデンティティ形成に影響
父親の関わり方は、「自分は愛されている存在だ」と感じるための大きな要素になります。また、性別の同一性や、異性との関係構築にも影響するとされています。
④ 安心感と信頼の土台をつくる
無条件の愛情をくれる存在としての父親は、「自分は大丈夫」という安心感を育みます。とくに男児にとっては“理想像”として、女児にとっては“信頼できる異性”の原型となることもあります。
「父親からの愛情不足」で育った女性に見られやすい特徴
いい父親を見てこなかった、放置されていたなど、父親から愛情を貰えなかったと感じたまま育った女性には、いくつか共通傾向があります。
もちろんすべての人に当てはまるわけではありませんが、傾向として次のような特徴が見られることがあります。
自己肯定感が低い
「自分は愛される価値がない」と無意識に思い込みやすく、自信が持てないことが多いようです。褒められても素直に受け取れず、否定的に考えがち。
男性との距離感が極端になりやすい
愛情に飢えていて「愛されたい」気持ちが強く、依存的になるパターン。または逆に、「男性は自分を傷つける存在だ」と男性に対して不信感や警戒心が強く、親密な関係を避けるパターンもあります。
恋愛で「愛情の確認」を繰り返す
パートナーからの愛情を何度も確認しないと安心できず、不安定な恋愛をしやすい傾向にあります。一方的に尽くす・我慢する恋愛に陥るケースも。
過度な頑張り屋・承認欲求が強い
誰かに認められたいという思いから、無理をしてまで努力し続けてしまいます。他人の期待に応えようとしすぎたり、意見に合わせようとしたりと、やがて自分の本音がわからなくなることも。
感情コントロールが難しく、自己否定に陥りやすい
少しの出来事でも強く落ち込む、怒りをうまく扱えないといった傾向があります。
“父性不足”で育つと、女性の場合、とくに「恋愛面」で影響が出やすい
父親という存在は、特に女の子にとって「初めて関わる異性」「安心して甘えられる男性モデル」としての役割を担っています。
父親からの無条件の愛情や承認を受け取れていないと、大人になってから男性との信頼関係の築き方や、愛されているという実感をうまく受け取れないケースも。
たとえば、相手に依存しすぎる、愛情を試すような行動をとってしまう、逆に男性を信用できず距離を取りすぎる、といったパターンが代表的です。自己肯定感の低さも相まって、「愛される価値がないのでは」「見捨てられるかも」といった不安がつきまとい、恋愛が不安定になりやすいのです。
ただ、影響が出るのは恋愛だけではありません。先述の通り「他人との距離感」「自分の感情の扱い方」「ストレス耐性」などに影響が出る人も少なくありません。
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