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特別インタビュー:コロナ禍、オリンピック延期。再始動への想いとは│寺田明日香の「ママ、ときどきアスリート~for2020~」#43 (1/3)

 ママアスリートとしてMELOSにコラムを寄稿してくれている女子100mハードル日本記録保持者・寺田明日香選手。今年は、2019年9月に叩き出した「12秒97」という日本新記録をひっさげ、オリンピック代表選考レースに挑むはずでした。

 しかし世界的なコロナ禍により、東京オリンピック延期が3月24日に決定。呼応するように予定されていた選考レースも次々と中止・延期が発表されました。忽然とアスリートとしての目標を失い、まさに白紙になってしまったのです。

 しかし、延期決定翌々日の3月26日にMELOS連載コラム#38で、「来年のオリンピックを目指す」と力強く語ってくれました。それから約3か月、選手として、母親として、寺田選手を取り巻く環境はどう変わったのでしょうか。寺田選手の新たなチャレンジとともに、オリンピックに向けた抱負を聞きました。

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オリンピック延期から約3か月「覚悟が決まった」

― オリンピック延期発表から約3か月経ちましたが、気持ちに変化はありましたか。

開催か延期かモヤモヤしていた時期を超えて、今では「もう1年間練習と準備ができる」と考えられています。本当ならばこのインタビューを受けている6月最終週は、日本選手権だったんですよ。レース前のピリピリ感の代わりに、家族団らんの時間を得られたことも良かったと感じています。

― トレーニングできない期間はどう過ごされていましたか。

室内でできるストレッチや筋トレ中心に身体のコンディションを整えていました。6月上旬に、やっと屋外練習を再開できたのですが、そこで人生初の体験をすることになりました! それは「ハードルがない」問題です。

― え!? ハードルがないとは?

通常時であれば、ハードルは競技場に保管されていますよね。でもトラックだけ再開しても倉庫が開かないと、道具類が使えないんです。仕方ないので自分でハードルを買いました!(笑)。これは私の競技人生でも初めてでしたし、ふだん何気なく使っている道具のありがたみを感じられた体験でした。

― 確かに道具は大切ですね。それでもトラック練習は再開できたわけですね。

数か月ぶりにトラックでの練習を再開すると、やはり身体の感覚がズレていました。ハムストリングスやヒラメ筋が張っているなーと感じているのに、痛みがアキレス腱に出るんです。離れた場所に痛みが出るということは、身体の使い方や動作に問題があるということになるので、その調整から始めています。

― やはり時間が空くことはアスリートにとってマイナスなんですね。

もちろん昨年設けていた複数の課題を解決していかないといけませんが、再開後すぐは動作の確認に注力しました。「足を一歩前に出すのに0.1秒かけて次の動作に移れば速くなる」と考えながら動くので、身心ともに疲労感が半端ではなかったですね。

― 競技によっては年齢がクローズアップされていますが、寺田さんはどう考えていますか?

私は来年で31歳です。オリンピックを目指す選手の中には、30代後半の選手がいる競技もあります。体力がある若い選手が有利になるケースもありますが、ハードルは体力と技術力の複合です。もちろん、体力は1年ごとに減っていくかもしれませんが、ハードルを越える技術は、1年分確実に身に付けられます。なのでプラスに考えています。

― 気持ちが安定してきて来年に向けて再始動できるということですね。

去年はチャレンジャー精神で挑んでいました。でも日本記録の更新後は、追われる立場にもなり気が引き締まりました。欲を言えば、記録更新の勢いそのまま選考レースに臨めればよかったのかもしれません。でも現実は変わってしまったので、これから1年間は改めてチャレンジャーとして、来年を目指す覚悟はできました。

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